購入当時はピカピカの新車だったマイカーも、乗り続けるうちに古くなってしまいます。
古くなった車は故障しやすくなりますし、価値が下がって買取価格が大幅に安くなることがほとんど。
こうした現実があるため、多くのドライバーはタイミングを見計らって車の買い替えを行います。
買い替えどきの目安とするものは、人それぞれです。
たとえば、走行距離も買い替えの目安となるものの一つ。
距離がかさんだ車は買取価格が安くなる傾向があるため、多くのドライバーは価値が下がる走行距離に達する前にマイカーを買い替えます。
…と、ここで気になるのが、車の価値が大きく下がる走行距離。
具体的にどれくらいの距離を走っていると、車の価値が下がってしまうのでしょうか。
その答えを本文で詳しく迫ってみましょう。
ベストな車買い替えのタイミングについても触れますので、ぜひご一読ください。
■多くの人が売却を決める走行距離
多くのドライバーは、どの程度の走行距離を目安にして車の買い替えを行っているのでしょうか。
その答えを知るには、いったん視点を変えて車の使用年数に注目する必要があります。
というのも、走行距離だけでなく使用年数も考慮して車の乗り替えを行うドライバーが多いからです。
買い替えのタイミングとなることの多い車の使用年数は、新車購入時から数えて3年もしくは5年。
この年数は、車検を受ける時期と重なっています。
つまり1度目もしくは2度目の車検を受ける前に、車の買い替えを行う人が多いのです。
このタイミングで車を売りに出せば車検代を節約できますし、まだ車が新しいので高額買取も期待できます。
ではここで、視点を走行距離に戻しましょう。
国土交通省が2004年に発表した資料によると、自家用車の年間平均走行距離は10,575Kmとなっています。
多くのドライバーが、1年間に1万Kmほどマイカーを走らせているのです。
この数値を踏まえると、3年間同じ車に乗り続けた場合の平均的な走行距離は3万Km、5年間乗り続けた場合は5万Kmとなります。
例外は多々ありますが、多くの人が車買い替えの目安とする走行距離は3万Kmないし5万Kmと考えてよいでしょう。
・どれくらいの走行距離まで乗れるのか
車検の時期を車買い替えのタイミングとする方が多い一方で、何度も車検を通して同じ車に乗り続ける方も多数おられます。
ただ、同じ車両に乗り続けると走行距離がかさみますし、自然と故障箇所などもでてくるはずです。
はたして乗用車は、どのくらいの走行距離まで乗り続けることができるのでしょうか。
一昔前だと、乗用車が走れる距離は10万Kmが限界とされていました。
10万Km走った車は主要なパーツにガタがくるため、それ以上乗れなくなると考えられていたのです。
しかし、車の性能や耐久性は年々向上しています。
現在販売されている車に昔の常識を当てはめるのは、ナンセンスだと言わざるを得ません。
メンテナンスさえしっかり行っていれば、近年発売されている車は10万Kmを超えても問題なく走ってくれます。
特に欧米への輸出を視野に入れた車種であれば、10万Km程度の距離で動かなくなるということは考えられません。
走行距離15万Kmを超えるレクサスLSに250万円程度の値段がつく場合があることからも、10万Kmが廃車の基準とはならないことがわかります。
ただしどんな車であれ、永久に乗り続けることは不可能です。
いかに優れた車でも、ボディやシャシーが錆びてしまうと安全に走らせることが困難になります。
また、メーカーからの部品供給が終了することで、修理が不可能となる場合もあるでしょう。
これらの点を踏まえると、製造から20年程度が同じ車に乗り続けられる限界だと考えられます。
走行距離でいうと20万Kmから30万Km程度が、一般的な乗用車が走れる限界だといえるでしょう。
■値段が大きく落ちる走行距離とは?
メンテナンスさえ怠らなければ、乗用車はかなり長持ちしてくれます。
とはいえ、よほどの思い入れがない限りは、購入から10年以内に車の買い替えを検討するはずです。
買い替えを行うなら、やはり走行距離の多寡が買取価格に与える影響は気になるところ。
車の買取価格が大きく落ちてしまう走行距離は、どれくらいなのでしょうか。
一般的には3万Km、5万Km、10万Kmが、買取価格の変わり目となる走行距離だと考えられています。
ただ、実際にはこの距離を超えるか否かで、それほど大きく買取価格が変わるわけではありません。
ここで少し、2016年7月現在における3代目プリウス(ZVW3#型)の中古車価格に目を向けてみましょう。
走行距離を3万Km以内に限定した場合、3代目プリウスの中古車は本体価格70万円程度から見つかります。
一方同じ3代目プリウスでも、走行距離5万Kmを超える車両であれば最安本体価格は57万円前後です。
この時点では、距離がかさむことで10万円以上の値段差が生まれていますね。
では次に、走行距離10万Kmを超える車両の本体価格を見てみましょう。
さぞかし値段が落ちるだろうと思いきや、距離10万Km以上の3代目プリウスにも45万円程度の値段がついています。
これはあくまで、最も安く買える車両を調べた場合の価格です。
走行距離が16万Km以上に達していながら、車両本体価格が150万円以上となっている3代目プリウスも存在します。
もちろんプリウスにもグレードが数種類あるので、単純に値段を比較できるわけではありません。
また、走行距離が車の買取価格に影響を与えることも事実です。
とはいえ、走行距離だけで車の査定額が決まるわけではないという点も、事実と見てよいでしょう。
・日頃のメンテナンスが重要
車の買取価格は、走行距離だけでなく車両の状態も考慮されて決定されます。
たとえば同じ車種でも、走行距離3万Km以下のボロボロの車両と走行距離5万Kmのきれいな車両では、後者の買取価格が高くなる可能性が大です。
日頃からしっかりメンテナンスされていない車両は、どうしても査定額が下がってしまいます。
車を高く売りたいなら、走行距離を気にする前にオイル交換やこまめな洗車などをしっかり行いましょう。
走行距離に関しては、短期間の乗り過ぎにさえ注意すればさほど気にする必要はありません。
前述した平均的な年間走行距離である「1年間に1万Km程度」という基準さえ守っておけば、大きく査定額は落ちないはずです。
■定期的な買い替えで得られるメリット
先に述べたとおり、近年の車は10万Kmを超えても現役で走ってくれます。
走行距離だけで車の買取価格が決まるわけではないので、1つの車に長く乗り続けるのもよいでしょう。
ただ、走行距離が少ないうちに車を買い替えることで、いくつかのメリットを得られることも事実です。
たとえば年式が新しく距離がかさんでいない車両であれば、高い買取価格を期待できます。
特にモデルチェンジ前の車両であれば、高額査定を受けられる可能性が大。
査定額が高くなれば、そのぶん次の車両を安く購入できます。
また、近年は車の燃費性能が急速に向上しているので、新しい車に乗り替えるほど経済的にお得です。
安全性や快適性の面からも、最新の車に乗る価値は十分にあります。
・乗り替えにベストなタイミング
車の乗り替えにベストなタイミングとなるのは、やはり新車を購入したときから数えて3年後ないし5年後です。
高額査定をゲットしたいなら、少なくともフルモデルチェンジが行われる前に乗り替えを行ったほうがよいでしょう。
多くの車種が、6年程度の周期でフルモデルチェンジします。
走行距離よりもモデルチェンジの方が、車の査定額に与える影響が大です。
ご自身の愛車が発売された時期なども考慮して、乗り替えのタイミングを見計らってください。
■まとめ
車の乗り方は人それぞれ。
1台の愛車に10年以上乗り続ける人もいれば、毎年のように車を乗り替える人もいます。
両者のうち、どちらかの乗り方が正解ということはありません。
ただし愛車の査定額を気にするなら、早めに乗り換えを行った方がお得です。
走行距離や車の状態、モデルチェンジの時期など、買取査定額に影響を与える要素はたくさんあります。
ぜひこれらの要素を考慮して、愛車の買い替えにベストなタイミングを見つけ出してください。