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ZEV規制とは?日本車を取り巻く時代遅れに打撃を与える自動車規制

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近年自動車の排出ガスについて、空気汚染が特に問題になっています

各自動車会社は環境保護の為、排出ガスを一切出さない自動車の開発、研究を日々行っています。

そこで空気汚染がこれ以上に進まないようにZEV【Zero Emission Vehicle】という言葉が使われるようになりました。

現在アメリカを中心に行われているZEV規制ですが、日本車はまだまだ後れを取っています。

この先、日本車を取り巻く自動車規制について解説していきます。

1.ZEV規制をクリアする対応車種

排出ガスが一切出ない自動車は、現在2種類あります。

電気で充電して走行が可能になるEVと呼ばれる【電気自動車】と水素を燃料にするFCVと呼ばれる【燃料電池車】です。

国産車でもZEV対応車は販売されており、EVでは三菱【i-MiEV】や日産【リーフ】がそれにあたります。

FCVではホンダ【CLARITY FUEL CELL】やトヨタ【MIRAI】が生産販売されています。

実はFCVも電気自動車の一種で、搭載している燃料電池で発電し電力でモーターが駆動する自動車。

EVとの違いは外部からの充電を行わず燃料電池で発電し、水素を外部から補給してタンクに蓄える方法を採用している事です。

2.ZEV規制とは

ZEV規制とは、米国カリフォルニア州大気資源局が実施している制度の事

自動車の販売数が一定台数以上の場合、メーカーはZEVを一定比率(16%: 2018年現在)以上販売する事を義務付けています。

分かりやすく言うと、カリフォルニア州で1ヶ月に10,000台自動車を販売したメーカーの場合、ZEV対応車を16%の1,600台含めなければ罰金になるという制度なのです。

一方、アメリカ全体では自動車の排出ガスに関しては比較的緩い規制を採用している州がほとんどです。

しかし、カリフォルニア州のZEV規制は世界でも類を見ないほど厳しい規制が行われています。

その理由は以下です。

 •自動車を利用する人がアメリカ国内でも多い州
 •特殊な地形の為、大気汚染が深刻

そこでカリフォルニア州は、独自でどこの州よりも厳しく排出ガスの規制を行う事で大気汚染問題を解決しようと動き始めました。

1990年代からZEV規制は行われ、現在までの間何度も規制についての改正が行われています。

カリフォルニア州にとっては、大気汚染の汚名を返上すべく規制をし、自動車メーカーに更なる期待をかけました。

その結果、次世代の自動車開発につながったという事です。

3.ZEV規制のクレジットについて

クレジットという言葉は身近で聞いた事もありますが、ZEV規制におけるクレジットの意味はCO2削減量/実績係数を指します。

このCO2削減量/実績係数という字面、見た感じいまいちピンときません

これは、車種によって性能が違う為、CO2削減量に応じて実績としてもらえる数字が違います

ZEV車だけではなく、PZEVや先進PZEVも販売する事で、より大気汚染をしない高性能な自動車を販売する事にもつながっています。

ただし、2018年以降はPZEVも無くなってしまう噂もあるようです。

ZEV規制の特徴は、2つあります。

 •ZEVの販売台数が一定比率より上な場合はクレジットが得られる
 •下回った場合は罰金もしくはクレジットを多く保有している、他メーカーからクレジットを買う

罰金は、カリフォルニア州大気資源局に納付しなければいけません。

したがって、クレジットが足りなくなる場合もあります。

その場合CARBにお金を支払う義務が発生し、その金額は1クレジット当たり5,000ドルです。

だだし、一概に1クレジットが全て5,000ドルとは限りません。

会社間で行われるクレジット売買の場合、第三者に取引金額が知られないようになっています。

その為、罰金で支払う金額よりもお値打ちな金額で取引をしているという可能性もあるのです。

EVメーカーのテスラモーターズは、クレジット売買の制度を利用し、過去に約140億円分ものクレジットを売却し、利益を得ています。

そして、過去にクレジット制度で大きな利益を上げたステラモーターズは、このクレジット制度に異論を唱えています。

CEOのイーロン・マスクは「罰金を科されたところで、お金で解決しているメーカーが多々あり、これでは電気自動車の研究開発に活かされない」という主旨の事を語っているのです。

更には「ZEVの生産台数の最低基準を見直すべき」と訴えています。

それにより、CARBもその声に賛同。

新たな改正がされると噂されています。

4.2018年からZEV規制は厳しくなる

2017年までZEV規制の対象になっていたのは6社

 •日産
 •トヨタ
 •ホンダ
 •GM
 •フォード
 •クライスラー

これはカリフォルニア州で年間6万台以上販売するメーカーです。

ところが2018年からは、その販売台数が年間2万台以上と引き下げられたのです

今までの大規模メーカーに加えて6社の中規模メーカーもZEV規制の対象となったのです。

2018年から新たにZEV規制の対象となるメーカー

 •BMW
 •現代
 •ダイムラー
 •起亜
 •マツダ
 •VW

大規模メーカーと中規模メーカーでは販売台数は異なりますが、もちろん規制のパーセンテージは同じです。

新たに追加されたメーカーもEV、PZEVを続々と投入し本格的に動き出しています。

しかし、規制の対象になったもののEV、PZEVを保有していませんでした。

そこで、トヨタとマツダは共同でEVを開発するための資本提携を結びました。

2019年から本格的に参入する為、今後の動向が気になります。

5.ハイブリッドはZEV対象から外される

2018年以前はCO2排出量が少ない【ハイブリットカー】や【天然ガス車】はZEV対象車でした。

しかし、2018年からは除外が決まった事により、ZEVの対象車が以下に限定されるようになりました。

 •EV
 •PHEV
 •FCV

トヨタのハイブリットカーは、販売が好調でZEV規制の販売台数をクリアしていました。

2018年からハイブリットカーは、世界では認められなくなり、カウントがされなくなる事が決定したのです。

トヨタはハイブリットカーの象徴プリウスに手を加え、【プリウスPHV】の販売を本格的に始めました。

現在ZEV販売比率は16%。

今後も更に条件が引き上げられ、自動車メーカーは更に苦戦を強いられます。

6.アメリカでは11州が参加しているが今後は廃止の可能性も?

現在アメリカでは、50州あるうちの11州がカルフォルニア州と同じZEV規制を採用

その数はアメリカ自動車販売市場の約4分の1を占めているのです。

 •アリゾナ
 •オレゴン
 •マサチューセッツ
 •コネチカット
 •メイン
 •メリーランド
 •ニューメキシコ
 •ニュージャージー
 •ニューヨーク
 •バーモント
 •ロードアイランド

したがって、アメリカにはこの規制の他にも、連邦政府が定めている【燃費基準】もあります。

アメリカで自動車を販売する場合には、この2つの基準をクリアする必要があるのです。

現政権下では、この両基準の撤廃に向けて協議を続けています。

7.2017年ZEV販売台数世界1位は中国

自然エネルギー財団が発表している、EV普及の動向と展望のレポートによると、ZEV販売台数が世界一番多いのは、579,000台を販売している中国

中国国内でのZEV販売台数は、世界全体の割合の45%を占めているのです。

中国でZEV対象車が多く販売されている背景には、中国国内の深刻な問題が関係視されています。

現在、中国国内では大気汚染の問題が表面化。

光化学スモッグなどマスクをしていないと生活もままならない事もあり、ZEVの推進に積極的なのです。

2019年からは、中国ではNEV(New Energy Vehicle)規制が導入予定であり、この規制は中国版ZEVと言われています。

クレジット売買の内容は、カルフォルニア州のZEV規制と同じ内容が採用されているのです。

8.欧州諸国は国を挙げてEV化を推進

欧州の自動車の半数はディーゼル車ですが、フォルクスワーゲンの不正事件が発覚してからは、他の欧州メーカーも電動化に取り組む方針を示し、PHEVにシフト転換を進めています

また、ガソリン車とディーゼル車の販売禁止を決定し、2030年にはドイツが、2040年までにはフランスとイギリスが政策決定を打ち出しているのです。

9.日本には独自の基準がある

現在、日本のZEV対象車の販売台数は世界で7位

日本国内では、ZEV規制ZEV対象車の新車販売台数の割合を20から30%に定めています

PHEV購入には補助金を設定したり、充電できるスペースを増やしたりと、大きく整備してきました。

ただ、まだまだ足りず車体価格も高額な事から普及には時間がかかる事が予想されています。

世界的に環境問題が課題となっており、日本も同様なのです。

今後は、着実にZEVの対象車の販売が中心となります。

しかし、ハイブリッドに固執しすぎてしまった過去から、世界の基準に追いつくには、各自動車メーカーの開発がより一層必要なのです。

まとめ 自動車規制によってEVは普及していくのか

世界がEVを推進しているのに対し、日本は今までハイブリッドカーを推してきました

そして、ZEV規制の枠からハイブリッドカーが外されてしまい、今後はEVを推進していきます

将来的に、ZEV対象車が増えていく事は間違いありませんが、販売価格の見直しや燃費性能向上を目指していく事が、現段階の課題なのです。

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