メルセデス・ベンツのSクラスは、大型の高級セダンの代名詞。
このような高級車は全般的に、年式が落ちると中古車としての価値が大幅に下がってしまいます。
「メルセデス・ベンツは現行モデル以外に価値がない」なんてこともいわれてしまうほどです。
先代のSクラス W221を見てみると、2018年10月の時点で既に査定相場が124万円にまで落ち込んでいます。
100万円台で、大型の高級車を手放すことになるなんて、元々の価値はどこへ行ってしまったのだろうと首をかしげるのも当然です。
値下りが非常に激しいメルセデス・ベンツ。
しかも、供給率の高いSクラス。
なぜこんなにも値落ちしてしまうのか、またもう少し高く買い取ってもらうことはできないのか…
そんな不安や疑問を抱えているあなたに向けて
•Sクラスの買取事情 •Sクラスを上手に売却する方法
この2点について解説します。
1.メルセデス・ベンツ Sクラスはなぜこんなに値下がりしているの?
実は、高級外車が5~10年の間にここまで値下がりしてしまうのは、決して珍しいことではありません。
Sクラスは高級外車の代表格的存在なので、この値下がり事情を象徴しているようなもの。
この手の大型高級セダンは、そもそも資産家や法人経営者が購入するものです。
一般庶民が買う自動車ではないので、ほとんどが新車での購入になります。
お金を持っている富裕層だからこそ、高額な高級外車が新車で売れるのです。
しかし、反対に一般的な庶民が買う国産のミニバンやコンパクトカー、軽自動車はどうでしょう?
「自動車にかけるお金はとにかく節約したい」というユーザーが多いため、数年の型落ち品を安く買えるとなればかなりの需要があります。
そのため、国産車はさほど値下げしなくてもどんどん売れるのです。
中古車として販売されて買い手が付きやすい国産車は、値下げせずとも売れる。
その変わり、富裕層向けの高級セダンはガンガン値下げしないと売れずに余ってしまう。
この構図が、Sクラスの値下がりを加速させている原因です。
また、法人や資産家は税金対策として、高級車を買います。
高額な所得を得ている場合、その分税金をかなり取られてしまうもの。
しかし、必要経費を多く計上すればその分所得税は安く抑えることができるのです。
高級セダンは社用車として税務署に認められます。
例えば、他のスポーツカーを社用車として経費計上しても認められないことが大半。
コンパクトカーでは、営業車にはできても上役の移動にはかなり違和感を感じさせるものとなってしまう。
SUVは便利に使える反面、都市部での立体駐車場で嫌われるケースもしばしば。
これらのネガティブ要素に良い折り合いをつけられるのがセダンタイプです。
しかも、排気量ごとにグレードの住み分けができているため、社用車としてハイグレードセダンを選択するのが、ニーズやハッタリを効かせるのに最も効率的な自動車ということになります。
だからこそ多くの富裕層が、高級セダンを好んで購入するのです。
Sクラスは1200万円前後するグレードもあります。
この1200万円を、1度の申告で経費計上することはできません。
そのため、1年に200万ずつ、合計6年間かけて経費計上していくのが普通。
これを減価償却といいます。
しかし、購入から6年以降は経費として扱うことができなくなります。
そのため、多くのメルセデス・ベンツ所有者がこれを中古車として売り、新しい自動車を購入して経費を減価償却していくのです。
こんな風に言葉にしてしまうとどこにも難しい要素は感じられません。
しかし、実際は意外と複雑でややこしい作業になります。
理解しやすく噛み砕くと、みんなが挙って中古車として放出するという事態に陥るのです。
しかし、Sクラスは中古車としての需要はそれほど多くないため、価格がどんどん下がっていく。
これが大幅な値下げのからくりです。
2.Sクラスを上手に高く売るには?
中古車査定のハードルが高いメルセデス・ベンツ Sクラス。
少しでも高く売るための6つのポイントをご紹介します。
❖Sクラスの特長とも言えるプライバシーガラスを磨く
Sクラスの最大の特徴ともいえるプライバシーガラス。
ブルーガラスとも表記され、Sクラス・Eクラスなどに採用されています。
これをしっかり磨いておくことで、買取査定価額が若干変わってきます。
特徴的なポイントがある自動車は、その魅力を最大限に引き出して下さい。
ガラスだけでなく室内清掃は念入りにしておいて損はありません。
また、査定時は自動車の見た目・第一印象がかなり大きく影響します。
洗車の仕上がりにもこだわっておくと、査定士の印象は明らかに良くなります。
❖付属品をしっかり保管し、準備しておく
買取査定時の基本ですが、新車で購入したときに装着されていた付属品を一緒に売却できるように準備しておきましょう。
•保証書 •取扱説明書
•整備手帳
特にこの3つはマストアイテムです。
整備記録に正規ディーラーでの整備記録があると尚良し。
その他にも外車の場合は、専用工具などもあると査定価額がアップします。
❖オークションなら高く売れる場合もある
Sクラスの買取価格相場は、およそ198~1326万円程度。
しかし、オークション相場だと若干高くなります。
Sクラスのオークション相場は、209~1436万円。
オークションの場合、買取に比べて10~100万円の差が出る可能性があります。
買取の場合、査定するのはプロです。
しかし、オークションは一般人も参入しており、競りの購買意欲によって値段がどんどん吊り上がりやすいという特徴を持っています。
オークションは一度出品して落札されたら、基本的にキャンセルはできません。
買取価格に納得いかなければ他の業者を当たるという、計画的な売り方ができないのはデメリットとなってしまいます。
❖メルセデス・ベンツの買取に強い業者に依頼する
外車の買取の基本は、外車専門の中古車買取業者に依頼すること。
国産車メインの大手買取業者に売るのはオススメできません。
また、外車専門の買取業者の中にも、メルセデス・ベンツに強い、BMWに強いなどという得意分野があるもの。
自動車買取業者がどの車種に強いか、どのメーカーに強いかを調査するのも、賢くメルセデス・ベンツ Sクラスを手放すために必要な知識となるでしょう。
❖複数の買い取り業者の見積もりを持参して交渉する
どんな自動車でも同じですが、1社の見積もりで満足してはいけません。
何社も見積もりを出し最も高い金額を出してきた業者の見積書を持って、他の買い取り業者を訪ねましょう。
特に「他社より高い見積もりをお持ちいただいた場合、それより高く査定いたします!」という広告を出している業者も多いです。
これらのサービスを徹底的に使うことも、より高くベンツを売る秘訣です。
また、複数の業者を回ることは思わぬ縁につながる可能性もあります。
「お客さんの中に、ちょうどSクラスを買いたいという方がいる」という偶然の縁により、快く高額買取してくれたという事例もあります。
複数の業者を回ることは、高値で買取ってもらえる確率のアップにも繋がります。
❖ネット一括査定を利用する
買取業者を実際に何社も巡るのは、とても骨の折れる作業です。
そこで、今最もオススメなのはネット一括査定。
一括査定なら、自宅にいながら複数の業者の見積もりを一度にチェックすることができます。
手間が省ける上に、一番高く出た見積もりを基準として、更に高値の見積もりを出してもらうことが見込めます。
一括査定の申し込みは5分程度で完了するので、ぜひ活用すべきサービスといえます。
まとめ Sクラスを上手に売るには、愛着と手間が大事!
Sクラス、需要と供給との関係によって値下がりしているのは事実。
少しでも高く、上手に売るためには、愛着をもって手間と時間をかけて売却することが大事です。
外車や高級車は有名な大手業者なら安心というわけではなく、専門知識や販売ルートによって査定価額が大きく変わってしまうのです。
また、きちんと愛着を持って乗っていたかどうかは、査定する業者にも伝わります。
できるだけケアをして、キレイな状態で査定に出すことが望ましいでしょう。
あなたの思い出のSクラスが、納得の価格で送り出されることを祈っています。
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