ピレリタイヤと自動車のマッチング|元プロメカニックのオススメはこれだ! | カーライフマガジン

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自動車業界の経験者が教える、他では聞けない「クルマの基礎知識」

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ミシュランに並んでヨーロッパでポピュラーなタイヤといえばピレリ

元プロメカニックである筆者自身も、昔からよく好んで選んでいます。

欧州車ならまだしも、国産車にピレリを選ぶのはヨーロッパかぶれの格好つけたがりのようなイメージがあるかもしれませんが、使ってみもしないでピレリの良し悪しは測れません。

今回は現行ピレリのラインナップを概観しつつ、その特徴を知ってみてください。

1.コンフォートタイヤのマッチング

CintuRato P1

CintuRato=チントゥラートと読みます。
イタリア語でラジアルタイヤであることを意味しています。

このP1は、主に軽自動車・コンパクトカーにオススメです。

13インチから20インチのサイズラインナップで、SUV以外のボディータイプであれば使用することができます。

このタイヤのランフラット特性(空気圧0でも走行可能)の弊害で、サイドウォールの固さが若干気になります。

そのため、セダンやミニバンよりも車重が軽い軽自動車・コンパクトカーの方がこのタイヤにはマッチします。

オススメタイプに関しては乗り心地も良く、静粛性の面でも不満はありません。

直進安定性も良くウェットコンディションでのブレーキ性能も満足できるレベルです。

ロングライフ性能も申し分なく、3〜4シーズン平気で使い続けることができるでしょう。

しかし、このタイヤの最もオススメなポイントは入れ替えコストです。

小径サイズの入れ替えであれば、販売店にもよりますが1本単価¥5,000-前後での入れ替えが可能です。

下を見れば¥1,000-台での入れ替えも可能ですが、ある程度高性能なタイヤを入れ替えたいというのは当然のことです。

そう考えてみても、P1は小径タイヤの救世主といえるでしょう。

CintuRato P1/VERDE

先にご紹介したP1は、軽自動車・コンパクトカーにオススメといいました。

このP1/VERDEは、車重の重いボディータイプであっても問題なく快適性を発揮してくれるベストコンフォートタイヤだといえるでしょう。

P1で感じていたサイドウォールの固さが新素材採用によって解消されています。

同時にトレッド面の柔軟さも増しているため、ドライ・ウェット性能も数段上のものになっています。

13インチから20インチのサイズラインナップも同様ですが、P1/VERDEセダン・ミニバンに使用したいです。

若干価格帯が上がってしまうので、小径サイズはやはりP1を使用した方が費用対効果が大きいです。

P1/VERDEは、プレミアムコンフォートタイヤとして認識したいワンランク上のタイヤです。

CintuRato P6

P1/VERDEと双璧を成すミドルウェイト自動車向けのコンフォートタイヤがP6というタイヤです。

ミドルウェイトが得意なタイヤですが、私としては乗車定員6名以上の自動車にオススメしたいです。

14インチから17インチのサイズラインナップで、対応車種も幅広いです。

ピレリのタイヤにしては珍しく固さがあまりありません。
まるで一昔前のタクシーのようなバイアスタイヤ感すらあります。

ドライ・ウェット性能が高く、中速域での安定性が素晴らしいです。

何といってもP6は静粛性が高く、突き上げ感を感じない乗り心地が最高。

他のシリーズに比べると、若干レスポンスに乏しく残念な感じなのですが、ハッキリいって他シリーズのレスポンスが良すぎるのです。

日本国内で使用するにはP6の特性が最適でしょう。

CintuRato P7

ピレリ史上初のグリーンエコタイヤP7は、エコタイヤとしての性能を持った走れるタイヤです。

16インチから19インチのサイズラインナップで、主にセダンにマッチします。

エコタイヤ=低速度域タイヤ

このイメージを払拭してくれるパフォーマンス性に富んだタイヤで、普通に走行しているにもかかわらず気付いた時には燃費が良いという嬉しい特性があります。

静粛性も乗り心地も良く、コーナリング時のフラつきも目立ちません。

ピレリらしく若干の固さを感じるものの、中高速域でのグリップ性能は悪くありません。

7分山辺りからが面白いタイヤなので、どんどん遠出をして走り回りたいと感じると思います。

しかし、ロングライフ性能が高くなかなか7分山までに到達しません。

7分山までのコンフォート感と、そこからのアグレッシブ感が楽しめる面白いタイヤです。

CintuRato P7 Blue

前述したP7ミニバンタイヤがコチラのP7 Blueです。

16インチから18インチのサイズラインナップになっています。

ハッキリいってピレリっぽくないです。 しっかりしています。

いえ、しっかりしすぎています。

物凄く乗りやすいタイヤです。

ピレリが好きだというタイプのユーザーよりも、ブリヂストンが好きだというユーザーの方が好む感じです。

P7も乗りやすいですが、正直それ以上に乗りやすいので、サイズさえ合うならセダンにも使用したいタイヤです。

2.スポーツタイヤのマッチング

P ZERO NERO GT

一般ユースに最適なピレリスポーツタイヤをお探しならこのP ZERO NERO GTをオススメ致します。

16インチから22インチのサイズラインナップは、ハイクラスセダン・スポーツカーのポテンシャルを余すところなく発揮してくれます。

ドライコンディションでの絶対的接地感は、並みのコンフォートタイヤでは太刀打ちできないほど。
ウェットコンディションでも力強いグリップ性能を発揮してくれて、トレッド面の温度に関係なく確かなグリップ力を発揮します。

そんな確かなグリップ性能を誇りながらも、ロングライフ性能は損なわずにオイシイポイントを長く楽しむことができます。

コンフォート性も高く、知らずに運転していたらスポーツタイヤとは気づかないかも知れません。

気持ち良くドライブを楽しみつつも、コンフォート性も大切にしたいあなたにはP ZERO NERO GTを是非お試しいただきたい。

P ZERO ROSSO

大排気量スポーツカーの新たな可能性を見つけられるかもしれないP ZERO ROSSO

このタイヤは、16インチから20インチのASYMMETRIC18・19インチのDIRECTIONALを乗用車用に、18インチから20インチのSUV ASYMMETRICをSUV用にラインナップしている面白いタイヤです。

紛れもなくスポーツタイヤなのに、コンフォート性能を疎かにしていないのがニクイところで、前へ前へと力強い走りと静粛性を兼ね揃えた便利なタイヤです。

価格帯がかなり高めですが、スポーツカーに使用した時の安定感の高さは躊躇なくアクセルを踏み込めるでしょう。

例えば、ポルシェをコンフォートに楽しみたいようなあなたにはイチオシです。

P ZERO

コレぞベストオブスポーツタイヤ。
P ZEROなくしてピレリのスポーツタイヤは始まりません。

ハイパーグリップ性能がオンロードでの絶対的安心感をあなたに与えてくれます。

17インチから22インチの乗用車用と、19インチから22インチのSUV用がラインナップ。

フラット面が確実に路面をとらえ、オンロードでのグリップの境地を楽しむことができます。
スポーツカーには最高のタイヤです。

SUV用はあまり活躍の場がないかもしれません。 わざわざP ZEROを使用しなくても充分な性能を発揮してくれるタイヤはたくさんあります。

SUVにはちょっともったいないと感じました。

車内の快適性も抜群なスポーツタイヤは他のタイヤメーカーではあまり考えられないですが、ピレリのスポーツタイヤは一般ユースでも問題ないレベルの静粛性があるので、意外にシビックのようなコンパクトカーでも使用することができます。

何といっても目を見張るのはそのブレーキ性能

持ち前のグリップ性能の高さからくる短距離での静止ができるのは、どんなスピード域からでも止まることができるという安心感につながります。

この安心感は大切ですよ?
運転する上でキャパシティーが増えることは事故防止に必ずつながるものです。

ハイパワーなスポーツカーばかりでなく、ファミリーユースの乗用車であってもこれは同じです。

そして、グリップ性能の高さはハンドリングのレスポンスにも影響しています。

クイックなレスポンス、オーバーステア・アンダーステアの抑制がメリットで、ダイレクトすぎるショックが手元に届くのはデメリットです。

運転する楽しさを本気で楽しみたいあなたにはP ZEROをオススメ致します。

P ZERO CORSA SYSTEM

今この瞬間、自動車を最も楽しみたいと考えているあなた。
P ZERO CORSA SYSTEMがあなたに夢の実現を与えてくれます。

前述したP ZEROを軸に、より一般ユースに適したトレッドパターンの採用。
最高のスポーツタイヤをオシャレにしたことで絶対的接地面積は若干少なくなりましたが、その分排水性が上がりハイドロプレーン対策はバッチリです。

18インチから21インチのASYMMETRIC17インチから20インチのDIRECTIONALがラインナップされています。

P ZERO CORSA SYSTEMのコンセプトは、方向性と左右非対称性を組み合わせることでパフォーマンスを向上させることと、高速度域での姿勢の安定化です。

レーンチェンジ時のフラつきをなくし、クイックなハンドリングにもレスポンシブに対応できます。

ロングライフ性能は高くありませんが、一般道でのスポーツ性能はP ZERO CORSA SYSTEMがダントツでしょう。

DRAGON SPORT

先にいっておくと、P ZEROシリーズに比べるとオススメ度は低いです。

同じ価格帯であれば間違いなくP ZEROシリーズを私ならオススメ致します。

スポーツタイヤというよりプレミアムタイヤに分類できますが、タイヤ特性は紛れもなくスポーツタイヤです。

17インチから20インチのサイズラインナップが用意されたセダン・スポーツカー・ミニバン向けのタイヤです。

スポーツタイヤらしい固いタイヤで、トレッド面の温度上昇に伴って高いグリップ性能を発揮します。

トレッド面は単純ストレート構造で、ドライ・ウェットコンディションでの性能差が少ない特性を持っています。

一般ユースでは特性を引き出しきれないかもしれませんが、ロングライフ性能はP ZERO CORSA SYSTEM以上です。

3.SUVタイヤのマッチング

SCORPION ATR

オフロードで楽しくドライブをしたいというあなたにはSCORPION ATRをオススメ致します。

特徴的なのがトレッド面に入り込んだ泥や土を吐き出す能力の高さです。

ショック吸収性にも富んでいて、ロックヒットしても負けない強さを持っています。

タイヤ自体の静粛性はあまり高くないのですが、車内への反響音はほとんど感じません。 パターンノイズの周波数が絶妙なのでしょう。

バタバタという嫌な音も感じないのには脱帽ものです。

この上さらにグリップ性能も高いのですから、オールラウンドタイヤとしてトップレベルといっても過言ではありません。

SCORPION STR

マッド&スノー特性を持っているSCORPION STRは、オフロード特性よりもオンロード特性に輝きを感じるタイヤです。

静粛性が高く、操作性もクイックで、燃費性能が素晴らしい。

マッド&スノー特性があるタイヤで燃費性能が高いというのはなかなかありません。

クッション性も良いので、車内快適性はバツグンです。

純正標準タイヤとしても採用されているので、基本的に弱みのないタイヤとなります。

SCORPION ZERO ASYMMETRICO

オンロードメインのSUVユーザーのあなた。
SCORPION ZERO ASYMMETRICOはそんなあなたのためのタイヤです。

高いグリップ性能は車重に負けない力強い走りを見せてくれ、ステアリングに対するレスポンスもかなりのレベル。
オフロードでも安全性の高いタイヤですが、マッドフィールドには強くありません。

さしずめSUVスポーツタイヤとでも表現しましょうか。

SUVで大切にしたい快適性もかなりのレベルで、トヨタ ランドクルーザーなどに合わせても全く不満は生まれないはずです。

ロングライフ性能に関しても文句なしの高品質。
スポーツタイヤ張りのグリップ性能を持ちながらもエコタイヤ並みのロングライフ性能。

SUVをより快適に楽しみたいあなたにはSCORPION ZERO ASYMMETRICO
ちょっと長い商品名ですが、一度お試しください。

SCORPION VERDE

どんなSUVユーザーであっても、コンフォートな乗り心地は大切にしたい最重要ポイントです。

SCORPION VERDEは、最上級のコンフォート感をあなたの元へ届けてくれます。

ハンドリングの良さもあるので、レスポンシブな走行感でストレスを感じずに運転できますし、グリップ性能の高さからくる制動力の強さもSUVにはなくてはならないポイントです。

トレッド面にそれほど厚みがあるわけではないので、タイヤ重量が軽くなり燃費性能アップにつながっています。

そのせいでパンクしやすくなってしまうところを、内部にシール性能を持たせることでそのウィークポイントをカバー。

最もオススメできるSUVタイヤです。

4.まとめ イチオシタイヤはコレだ

何はともあれ、ピレリといえばやはりスポーツ色が強いアグレッシブなタイヤです。

アクセルワークにしっかりとついてきてくれて、確実なブレーキ性能を発揮してくれて、ハンドリングにもレスポンシブに対応してくれるタイヤ。

そして、ボディータイプを選ばないサイズラインナップを用意しているタイヤといえばコレ。

「P ZERO ROSSO」

スポーツタイヤとしてもコンフォートタイヤとしても使用できるキャパシティーの広さ。 それでいて飽きの来ないスタイル。

少し高めの価格設定もプレミアム感があります。

ロングライフ性能も高めなので、あまりにも贅沢なタイヤというわけでもないのが良いです。

誰にでも、どんな自動車にもベストな状態を提供してくれるP ZERO ROSSOを是非。

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