自動車のホイールの種類と特性(←プロメカニックの常識教えます) | カーライフマガジン

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自動車業界の経験者が教える、他では聞けない「クルマの基礎知識」

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ファッション性を求めてホイールを交換するのは、昔から一般的なドレスアップの1つです。
自動車の外観を変えたところで、運転性能の変化はもたらされないと考えていませんか?

実はしっかりと変化する部分があります。
メンタル的な効果しか無いわけではないということに、薄々気付いている方もいるでしょう。

今回は、ホイールのドレスアップによる効果とホイールの種類についてメカニックの視点でご説明していきたいと思います。

1.バネ下重量とは

自動車をカスタムしていく上で、メンタル的な要素しか無いものというのはほとんどありません。
もちろんホイールを交換することも、自動車を走行させる上で大きな効果を発揮します。

現在乗用車の標準装着ホイールは【鉄ホイール】もしくは【アルミホイール】がセットされています。
オプションとしては、ホイールサイズの違うものやデザインの違うもの、カラーリングの違いなどが一般的です。

しかし、何よりも変化があるのが【バネ下重量】です。
バネ下荷重とも言いますが、重要なのは呼び方ではなくその効果です。

バネ下重量の変化は、自動車の運動性能を飛躍的にアップさせることができます。

まず、バネ下重量とはサスペンションのスプリングよりも下の総重量のことです。 人間でいうところの【足】と判断してもらえば問題ありません。 軽い靴で歩くと動きやすく感じませんか?

コレって自動車でも同じことなんです。

タイヤを回転させるために必要な力が少なくなることで、同じ力を加えた場合での走行距離が延びます。
つまりは【燃費性能が向上する】ということです。

バネ下重量は、4本あるホイールから各1kgずつ重量を減らすことでボディーの軽量化のおよそ15倍の威力があるのです。
燃費に直結するのもよく分かります。

ただし、バネ下重量を減らすことばかりにとらわれてホイール自体の強度を無視するわけにはいきません。
軽いホイールを求めるだけであれば、既存のホイールを削って薄くしていけば充分軽くなります。

しかし、ホイールに強度があるからこそ高速で走行する自動車が安定して道路を疾走することができるのです。

では、どのようにホイールの重量を軽くすればよいのでしょうか。
そこでやっと出てくるのが素材です。

【鉄】【アルミ】【マグネシウム】が今現在一般的に手に入れやすいホイールです。
この3種類について少し詳しく見ていきましょう。

2.鉄ホイールの特性

鉄ホイールは一番重いです。 重さがあるからこそ安定感があります。

特に悪路走行には鉄ホイールがオススメです。

ご存知の通り鉄というのはとても固いです。
石や穴からのダメージを受けても鉄ホイールは割れません。

昔から使われ続けてきただけのことはあります。 強靭です。

しかし、その重さゆえに燃費には悪影響だというわけです。

ちなみに、スタッドレスタイヤを装着するなら鉄ホイールがオススメです。

3.アルミホイールの特性

現在最も多く自動車に装着されているのがアルミホイールです。
鉄ホイールに比べ軽量に作られていることと、軽量であっても高剛性を持つ素晴らしいホイールです。

レース業界の主流はアルミホイールからマグネシウムホイールへと移り変わっていますが、一般的には今でもその人気は健在です。

比較的安価なものはこれと言って目立つ作りはしていませんが、意外と軽量率は優れています。
高価なものはドレスアップ寄りと軽量化寄りに分かれていて、使い分けをするにはやはりそれなりの価格が必要となります。

鉄ホイールとアルミホイールのハイブリッドタイプというのも存在しますが、現在の技術であればこの選択は必要ないでしょう。

柔らかさがあるため、ダメージによる損傷は酷くなりづらいです。
制振性能もこの柔らかさのおかげで優れています。

ただ、近年の金属の質の悪さが目立ってきているので、余りにも安価なものや中古のホイールにはご注意下さい。

4.マグネシウムホイールの特性

とにかく軽く,どのホイールよりも硬いのがマグネシウムホイール最大の特性です。
転がり抵抗はどのホイールよりも少なく、燃費性能は抜群です。

しかし、物凄く高価なものになるため、マグネシウムホイール1セットとアルミホイール2〜3セットが同程度の価格となってしまうのがネックです。

さらに、硬いことで割れやすいホイールとなります。
金属疲労にとても弱いのです。

アルミホイールは柔らかさにより金属疲労を分散させていますが、マグネシウムホイールはダメージを点で受けてしまう感じです。
打撲で済むアルミホイールと骨折のマグネシウムホイールといったところでしょうか。

ですが、レース業界で主流となってきているマグネシウムホイールです。 悪いわけがありません。

オンロードを走行する際にはとてつもない威力を発揮してくれます。

しかし、寿命は5年前後と短命なため今後の技術向上を待ったほうが良いかも知れません。

5.まとめ バネ下重量が燃費の鍵になる

走行性能の向上は、現代の自動車であれば心配しなくても良いレベルにまで上がっています。
今この時代に求められるのは【燃費】です。

ハイブリッド車や電気自動車が進歩してきたことで飛躍的な燃費向上を遂げていますが、それでも1kmでも優れた燃費性能を求めるのであればホイールの軽量化が有効です。

自動車の負担を減らすことで各部の消耗も抑えることに期待できるでしょう。
つまり、自動車の寿命を延ばすことにもつながるということです。

ドレスアップに少しでも興味があるのであれば、見た目だけでなく性能にも目を向けることをオススメします。

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