レクサスはトヨタが展開する高級車ブランドです。
1989年アメリカで生まれたこのブランドは、2005年から日本でも展開されました。
レクサスは、現在世界65カ国で展開しているほどのブランドに成長していますが、高級車ブランドとして成立しているのでしょうか。
品質の高いといわれるトヨタが製造する高級ブランドはトヨタの高級車とは何が違うのでしょうか。
■レクサスブランドの歴史
トヨタがレクサスブランドを立ち上げたのは、アメリカや特にヨーロッパでは、ブランドごとの階級のようなものが存在していて、大衆車のイメージの強かったトヨタのブランドでは、いくら良いものを出しても歴史ある高級車のブランドにはかなわないという状況があったからです。
日本国内でレクサスブランドが立ち上がったときには、専用のディーラーの高級感や営業マンのおもてなしの対応が大きくクローズアップされました。
実際はそれだけでなく、トヨタはレクサスを立ち上げるにあたって、新しいテストコースをつくり、トヨタ車よりも高い品質基準を5年の歳月をかけて作り上げました。
しかし、日本でレクサスが販売したのがウィンダムやセルシオ、ソアラといったトヨタブランドでも販売していた高級車をベースにした車だったため、同じ車なのに価格が高いレクサスに対しては一般的に受けいれられませんでした。
そして、ヨーロッパでもBMWやメルセデス・ベンツ、アウディといった長く続く高級車ブランドにの牙城を崩すことができず、苦戦を強いられていました。
その後、トヨタの中でレクサスを別格のブランドとするために、社内カンパニーとしてから独立させたこと、BMWのキドニーグリルなどのようなブランド統一のデザインとしてスピンドルグリル(スピンドルとは紡績機の糸を巻き取る芯の部分のこと)を採用するなど、高級車としての磨きをかけ、現在では欧州の高級ブランドとも張り合うことができる存在となってきています。
■レクサスとトヨタ車の価格の関係
レクサスとトヨタ車は、車の基本となるプラットフォーム部分を共用しています。
そのために、同じ車なのにトヨタとレクサスで値段が違うのは、「ブランド代とレクサス販売店でのおもてなしの価格でぼったくりだ」などと言われることも多いわけです。
ちなみに、同じプラットフォームを使用しているといわれている、トヨタ・ハリアーとレクサス・NXを比較すると、完全に同じエンジン、装備で比較は難しいのですが、おおよそ100万円から150万円の差があります。
ハリアーの価格帯が279万円(ガソリン車)〜459万円(ハイブリッド車)で、NXの価格帯が428万円(ガソリン)〜582万円(ハイブリッド車)ということから見ても、価格差はベースグレード同士で149万円で、トップグレード同士では123万円と言うことになります。
いくら何でも、ディーラーでのおもてなしだけで100万円以上高い車がそうそう売れるはずがありません。
もし、ブランドの名前やおもてなしだけで100万円以上も高いのであれば、どう考えてもレクサスを購入する気にはなれませんよね。
■レクサスとトヨタは何処が違うの?
では、レクサスとトヨタでは何が違うのでしょうか。
実際にトヨタではなくレクサスを購入する人は増えてきているので、そこには秘密があるはずです。
・装備が違う
レクサスはベースグレードでも地図更新無料のナビゲーションシステムや、ETC車載器、地デジのテレビチューナーに加えて、オペレータが音声対応してくれるサービスなどの装備が標準となっていて、オプションはほとんど必要ないほどに標準装備が充実しています。
それに対して、ハリアーのベースグレードでは、オーディオすら装備されていないのです。
・塗装品質が違う レクサスの車をじっくり見てみるとわかるのですが、ボディが鏡のように光を反射し、顔を近づけると鏡のような映り込みをみせる仕上がりになっています。
一般的な国産車や軽自動車の塗装を同じように斜めから見ると、映り込んだ景色がデコボコしているのに対して、レクサスでは景色が鏡に映ったように映り込んでいるのです。