【前編】残価設定プランは損?元ディーラー営業マンが教える残価設定プランの真実 | カーライフマガジン

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自動車業界の経験者が教える、他では聞けない「クルマの基礎知識」

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残価設定プランとは通常のディーラーローンよりも月々の支払が安くなることが特徴のプランです。 これだけ聞くと、とても良いプランのように聞こえますが、残価設定プランに対してあまり良いイメージを持っていない人も多いようです。

それはなぜなのでしょうか?

今回は購入者にとって残価設定プランは得なのか、それとも損なのか、元ディーラー営業マンが残価設定プランについて前・後編に渡って本当のところをお伝えします。

■残価設定プランのイメージは悪い?

うまい話には裏があると思ってしまうのは人間の心理です。 残価設定プランに対しても同じように「そんなうまい話があるわけがない!」と疑っている人も多いのではないでしょうか?

ネットで「残価設定」と検索するとデメリットや落とし穴について注意を促すサイトがたくさん出てきます。

それらのサイトの内容をまとめると「残価設定プランは自動車メーカーやディーラーが得するためのもので、購入者は損してしまうから注意すべきだ」ということのようです。

前編では、なぜ残価設定プランは悪いイメージが持たれているのか、その理由を残価設定プランの仕組みを含めて解説していきたいと思います。

■残価設定プランの基本的な仕組み

まずは残価設定プランについて基本的な仕組みについて解説していきたいと思います。

残価設定プランは基本的に3~5年のプランを組むことができます。 プラン満期に予想される査定額を最初に残価として設定します。

その残価を車両代金から差し引いた額でローンを組むので通常のディーラーローンよりも月々の支払が安くなるわけです。

残価設定プランの特徴はプラン満期の選択が複数あるところです。

1. 車をディーラーに返却する 2. 残価を一括返済して車を買い取る

3. 残価に対して再ローンを組んで乗り続ける

プラン満期に車をディーラーに返却すれば残価を支払う必要はありません。 残価設定プランは基本的に車を返却することを想定したプランだとも言えます。

そのためプラン満期と同時に新しい車に乗り換えることが多いです。

プラン満期後も車を乗り続けたいという場合は残価を一括で支払うか、再ローンを組むことで車を返却しなくても済みます。

残価設定プランを簡単に説明するなら、プラン満期に車を返却するなら残価を支払わなくてすむので購入費のコストを抑えられるという仕組みです。

■残価設定プランのデメリットとは?制限が多い?

残価設定プランではプラン満期に車を返却したとしても一定の条件を満たしていないと残価を保証してもらえない場合があります。
そういった場合は車を返却しても追加の負担金を支払わなくてはいけなくなります。

残価設定プランはメーカーによって内容が異なる場合がありますが、負担金が発生するような共通するケースは次の3つです。

1. 改造がされている 2. 規定の走行距離を超えている

3. 内・外装に損傷がある

残価設定プランで車を返却する場合、基本的には購入したときと同じ状態でないといけません。 購入後に車をカスタマイズしていると、元の状態に戻してから返却する必要があります。

そういった改造が認められた場合、元の状態に戻すための費用が負担金として発生する場合があります。

次に走行距離についてですが、残価設定プランでは走行距離が制限されていることがあります。 その場合、プランによって規定の走行距離が決められています。 メーカーにもよりますが基本的には月に1000~1500kmで計算されることが多いです。

プラン満期に規定の走行距離をオーバーしていた場合、超過分を負担金として支払わなければいけません。

残価とはプラン満期に予想される査定額を最初に設定するというものですが、返却時に車が傷だらけでは残価は保証されません。 通常の査定と同じように、外装の傷だけでなく、車内の臭いや汚れも減点の対象になります。

こういった減点が負担金として発生する場合があります。

この他にも場合によっては負担金が発生するのではなく、車の返却自体が認められないケースもあります。
違法な改造をしていたり、事故による修復歴があるとプラン満期に車の返却が認められず、残価を支払って車を買い取る必要が出てくるので要注意です。

このように残価設定プランには様々な制限があり、車を返却すれば残価を支払わなくてもいいと言いながら、結局は最後にお金を払わなければいけないケースがあることがデメリットとして挙げられます。

■残価設定プランは利息を多くとられる?

様々な制限があるという事とは別に、残価設定プランにはもう一つ大きなデメリットが存在します。 それは通常のディーラーローンに比べて利息が高くなりやすいことです。

同じ金利で同期間の返済をしていた場合、通常のディーラーローンよりも月々の支払は安くなりますが、残価を含めた総支払額では残価設定プランのほうが高くなります。

なぜこのようなことが起きるのかというと、残価に対しても金利がかかっているためです。残価設定プランとは残価分が単純に安くなるという訳ではなく、残価の支払いを最後にまわすことで月々の支払いを安くしているという仕組みです。

月々の支払は安くなりますが、残価を残しながら返済していくため借入残高の減りが遅くなってしまいます。
借入残高の減りが遅いということは、それだけトータルの利息が多くなるということです。そのためプラン満期に残価を一括で支払ったとしても同じ金利の通常のディーラーローンよりも残価設定プランの総支払額は多くなります。

■残価設定プランは結局損する?

残価設定プランに対するイメージが悪いのは、月々の支払が安くなるが、通常のディーラーローンよりも総額が高くなるという仕組みが原因になっています。
こういった仕組みからディーラーが購入者からより多くの利息をとろうとしていると思われているようです。

ここまで読んだあなたは「やっぱり残価設定プランは損なのでは?」と考えていると思います。

しかし、実際は必ずしもそうとは限りません。
残価設定プランに対して悪いイメージを持っている人の多くが残価設定プランについて正しく理解していないのに、思い込みで損すると決めつけている人がほとんどです。

残価設定プランは正しく理解すれば魅力の多いプランです。
後編ではそういった残価設定プランの本当の魅力を紹介していきたいと思います。

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