元プロメカニックが教える「オイル添加剤の特性」 | カーライフマガジン

あなたはオイル添加剤についてどんな理解をしていますか?
通常に販売されているオイルを、より高性能にするための魔法のアイテムのように考えていませんか。

エンジンオイルを交換する際に、オイル添加剤を追加投入するべきかどうかと悩むこともあるでしょう。
そこで、今回はオイル添加剤の真実についてメカニック的見地からあなたにお伝えしたいと思います。

あなたの自動車のオイルメンテナンスの質をワンランクアップしてみましょう。

1.オイル添加剤って?

追加用のオイル添加剤がよく販売されています。
多くのユーザーが、オイル交換時に添加剤を追加することから種類も数多く出ています。

オイル添加剤を入れたら自動車の調子が良くなったと感じて、できるだけ高頻度でオイル添加剤を追加しながらオイル交換を繰り返すユーザーがいるほどです。

しかし、エンジンオイルというものは「ベースオイル」に対して、数多くのオイル添加剤を混ぜ合わせて作られているのです。
つまり、わざわざオイル添加剤を追加しなくても問題がないということなのです。

では、なぜオイル添加剤を追加投入するのでしょうか。

ほとんどの場合、オイル添加剤という商品名自体が、エンジンにとって良い影響を与えるものと印象付けるからです。

オイル添加剤を追加投入したからスムーズにエンジンが動く。
燃費が良くなった。

確かに効果はありますが、それはエンジン自体に劣化が出てきているからであって、まだエンジンの各所に劣化が出ていないような自動車にとっては、むしろ抵抗になりかねないアイテムなのです。

ベースオイルというのは、基本的に粘度が少ないサラサラとしたものになります。
このままでは、エンジンオイルに求められる充分な「潤滑性能」も「清浄性能」も「冷却性能」すらも望めません。

そこで威力を発揮してくれるのが「オイル添加剤」なのです。

2.オイル添加剤の種類

かなり専門的な成分説明となるため、オイル添加剤というものをより詳しく理解したい場合のみ理解しておきましょう。

油性剤

エンジン始動時などの潤滑性能を維持するための油膜を保持する効果があります。
成分は「長鎖脂肪酸」などです。

耐摩耗剤

各種ベアリングなどの軸受け部や、シリンダーなどの摺動部の保護膜を形成しておくために必要なもの。
「リン酸エステル」「金属ジチオホスフェート塩」などを化合しています。

極圧剤

確実な潤滑性能を維持するために必要。 これが入っていないエンジンオイルでは、各部位が焼き付きます。

「有機いおう化合物」「有機ハロゲン化合物」「有機モリブデン化合物」が主な化合物です。

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