2017年、東名高速道路で起きた煽り運転が原因で起きた死亡事故は衝撃を受けました。
この事故を受けて、悪質な煽り運転した運転者にも、厳しい罰則が科せられることになったことはこちらでも記事にしましたが、道交法で定められた危険性帯有者と同様の扱いを受け、免許証の累積がなくても180日間の免許停止が科せられます。
しかし、煽り運転が撲滅されることはかなり難しいのが現状です。
2018年の夏、全国を対象に「煽り運転を受けたことがありますか?」というアンケート調査が行われました。
回答した人のうち51%の人が「ある」と答えているのです。
煽り運転の悪質な例として
・無理な幅寄せ ・急な割り込み ・蛇行運転 ・クラクションを鳴らし続ける
・ふかし運転
冷静な状態のドライバーなら、これらの運転がいかに危険か予測できます。
それなのに、何故半数もの人が煽り運転を受けた経験があるのか…
その答えは、運転者本人に煽り運転をした認識がないからです。
煽り運転をする人の心理として
前車の運転に問題があるから煽らないとわからないという自己中心的な考えが働いているものと考えられます。
結果、前車が事故やトラブルに巻き込まれても知らぬ顔。
悪質になると、その場から何食わぬ顔で離れてしまうドライバーもいるのです。
煽り運転の悪質ドライバーからあなたを守る有効な手段としてこれまでになく注目されているのがドライブレコーダーです。
車内に取り付けたカメラで事故が起こる前後の情報が記録されます。
このドライブレコーダーが急激な普及を成し遂げた背景とは?
今回は、ドライブレコーダーのメリットを詳しく解説していきます。
1.ドライブレコーダーの歴史
ドライブレコーダーの歴史はまだ浅く、量販店で一般的に販売されるようになったのは2005年ごろ。
まだ10年ほどの歴史しかありません。
それに、販売された当初はタクシーや法人車両につけられるのが主流でした。
ドライブレコーダーが一躍注目されるようになったのは2014年頃。
ドキュメンタリー番組でドライブレコーダーが映し出した交通事故が放映されたことでした。
事故の一部始終が鮮明に紹介されると視聴者からの問い合わせが量販店に殺到。
あっという間に日本中にドライブレコーダーの需要が高まりました。
これを機会に、一気にドライブレコーダーに関心が向けられたのです。
2.ドライブレコーダーをつけるメリット
今ではナビやレーダーより関心の高くなったドライブレコーダー。
煽り運転がもたらす様々なトラブルを回避するためのメリットがあります。
万が一の事故の時、証拠を残すことが出来る
煽り運転そのものが危険行為ですが、もっと恐ろしいことは第二の被害。
煽り運転をされている恐怖から平常心を失い、周囲の人を巻き込んだり自損事故を起こしてしまうということです。
煽り運転をする人は自分のことを正当化しています。
もし、あなたが事故に遭遇してしまった場合にも、自分には関係ないと走り去ってしまう可能性もあるのです。
先日、友人が煽り運転の被害を受けました。煽られて慌てて縁石に追突。
更に、ハンドル操作を誤り立てかけてあった工事中の看板を壊してしまったのです。
しかし、気付いた時に煽り運転の自動車はいませんでした。
このような状況を回避するためにも、ドライブレコーダーにより煽り運転の一部始終を客観的な証拠として残すことが大切になってくるのです。
予期せぬ事故の原因を鮮明に残してくれます。
警察の誤認検挙を防ぐ
煽り運転にあったとき、対策として路側帯に停車することもあるでしょう。
また、煽り運転から逃れたい一心で無意識のうちに交通違反となる運転をしてしまっていた!ということも。
そんな咄嗟の回避行動をした時に限って現れる赤ランプとサイレン。
警察は物陰に隠れて違反車両を取り締まっているところによく出くわしますよね?
これは、交通事故を防止するための取り締まりではなく検挙率達成の取り締まりなのです。
警察には検挙率を達成するノルマがあるので、少しの違反も見逃しません。
もし、あなたが煽り運転から逃れたとしても、警察に検挙されて泣き寝入りでは納得いきませんよね。
どんな言い訳をしても、警察には煽られた事実を確認する材料が一切ないのですから、交通違反とみなされてしまいます。
免許証の点数減点や罰金だけでなく、精神的な負担まで抱えることになるのです。
このような時は、警察にドライブレコーダーの映像を提示してください。
それで即あなたが犯してしまった交通違反が不問とされるわけではないのですが、煽り運転を受けていた事実をしっかりと証明することに繋がり、不要な取り締まりの被害にまで遭う確率を下げることができます。
交通違反と回避行動を一緒にされてしまっては、「トラブルに巻き込まれたなら事故を起こしてもしかたがない!」という理不尽極まりない理屈を押し付けられることになってしまいます。
そんな理屈、たまったものじゃありません。
あなた自身がしっかりと回避行動をとっただけなのだということを明示できるようにしましょう。
保険事故の示談交渉に効果的な材料になる
万が一の事故の際、警察と保険会社の対応基準には違いがあることをあなたは知っていますか?
警察は道路交通法のもとで事故の処理を行います。
それに対して保険会社は民法のもとで示談交渉を行うのです。
過失割合という言葉があります。
「完全に相手が悪い事故だったけどこちらも動いていたから過失割合9:1になったよ。」などという話を聞いたことがありませんか?
あれは警察が決定するものではなく、保険会社がお互いの過失割合を決めて示談交渉していくのです。
煽り運転が原因の多重追突事故が起きてしまった場合、道交法では車間距離をしっかり確保していないことが事故を引き起こしてしまった原因の1つとみなされます。
一例として
【あなたは煽り運転をされ続けた挙句に追突され、その衝撃で前車に追突】
この状況下においても、客観的な証拠がないと過失割合の対象項目を指摘され保険を使わざるを得なくなるのです。
このようなトラブルから回避するために、自動車保険にはドライブレコーダー特約が商品化されました。
ドライブレコーダーの貸出はもちろん、GPSを使って保険会社と通信できるので事故状況を即座に送ることができる特約ですなのですが、デメリットとして特約をつければ保険料が値上がりしてしまいます。
被害者である自分の保険料が引き上げられるのを防止するためにも、私はドライブレコーダーの設置を強くオススメします。
停車中でも撮影することができる
煽り運転をされた時、停車してモノ申す!
こうなると怒りの感情は頂点に達します。
信号待ちをしていた時、路側帯で事故の処理をしている場面に出くわしました。
当事者同士は事故を起こした車のそばで一触即発状態。
感情的な当事者同士がすんなりと話せるわけがありません。
話し合いの最中に喧嘩になり傷害事件に発展した事例もたくさんあります。
ドライブレコーダーの中には停車中でも録画可能な商品もあります。
煽り運転の状況はもちろん、停車してからの状況まで撮影してくれます。
煽り運転対策の他にも
・自動車へのイタズラ行為対策 ・当たり屋被害への対策 ・家族の運転技術を確認
・自動車の盗難防止
など、あなたの目が届かない細かな部分まで映像として残してます。
まとめ 煽り運転対策はドライブレコーダーが効果的
ここまでドライブレコーダーのメリットについてご紹介してきました。
ドライブレコーダーの価格は10,000円~20,000円が相場です。
最近では性能が上がり、全方向の画像を録画できるものまで発売されています。
この価格で煽り運転対策ができるなら安いものです。
ドライブレコーダーからの記録映像が犯罪を暴き、被害者が助かったというニュースも毎日のように取り上げられています。
自動車は便利なアイテムですが、使い方を間違えば凶器となります。
普段穏やかな人でも、ハンドルを握ると性格が一変することもあります。
煽り運転の恐怖は被害を受けた当事者にしか分かりません。
いくら口頭で伝えても理解してもらえない…
そんな辛い思いをしないためにも、あなたが今すべき対策が状況回避と的確な判断、そしてドライブレコーダーの装着なのです。
あなたの快適なカーライフを守ってくれるドライブレコーダー。
メリットを充分に活用して煽り運転対策に役立てていきましょう。
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