巷に出回っているアフターパーツの数々。
交換することによって車内の雰囲気を変え、操縦性にも直結してくるアフターパーツもゴマンとあります。
自動車を運転するのに無くてはならないもの。
それがステアリングです。
ですが、その仕組みを知らない人が多いのには驚きです。
ステアリングの交換方法について説明する前に、ステアリングの性質・役割など順を追って解説します。
ド素人でも分かる確実なステアリングの交換方法をプロメカニックのテクニックも交えて伝授します!
1.ステアリングとは何?
ステアリングとは、ステアリング・ホイールを短縮した名称で、一般的にはハンドルと呼ばれています。
その主たる役割は、自動車の進行方向を変える為のシステムです。
ステアリングとハンドルは同一ののように理解されていますが、実際には次のような違いがあるのです。
➢ステアリング
操舵装置=自動車の進行方向を変えるシステム
➢ハンドル
取っ手=手で持つ部分
厳密にいえば、実際はこのような違いがあるのですが、余り固いことをいわずに話を先に進めましょう。
2.自動車は何故曲がるのか?
ハンドルを切ることによって方向が変わるのは、30km/h未満の低速のときのみ。
30km/hを超えるスピードの場合には、ステアリングによる旋回と遠心力によって曲がることができるのです。
この旋回力を生み出すのがステアリング。
自動車は、遠心力がなければ、ステアリングだけでカーブを曲がる操舵はできません。
従って、ステアリングとは、遠心力を利用してカーブを曲がることができるようにする装置であるといえます。
もし、ステアリングがなければ、自動車はただ直進するだけの乗物になってしまいます。
3.パワーステアリング(パワステ)とは?
エアコンなど快適設備の付いていないスパルタン自動車を除き、今では世界中殆どの自動車のステアリングはパワステになっています。
パワステとはハンドルの回転を補助するシステムで、女性や停車中でも軽くハンドルを回すことが可能なシステム。
また、キックバック現象と呼ばれる、タイヤから運転者に伝わる衝撃を軽減するいう役割もあります。
4.パワステの仕組み
パワステには次の2種類があります。
❏油圧式パワステ
油圧式は、エンジンの出力でポンプを動かし、そこから取出した油圧により作動させるシステムです。
このシステムの欠点は
•エンジンの出力を利用するた、走行中にムダなエネルギーを消費する。
•エンジン停止中にハンドルを動かすことができない。
このため、近年ではパワステの殆どは電動式に取って代わられました。
❏電動式パワステ
電気モーターの力で作動するシステム。
現在世界中の自動車では、この電動式が主流となっています。
油圧式と異なり、エンジンの出力を直接利用している訳ではないので、燃費の点では有利ですが、操舵感覚の自然さでは油圧式より劣るのが難点です。
その為、近年では電気モーターの力で油圧を操作する電動油圧式パワステも登場しています。
電動式パワステには大きく分けて以下の3種類があります。
➢コラム式
車内のハンドルにモーターを付けて直接ステアリングを補助する。
➢ラック式
ボールねじを用いてモーターがラックを直接補助する。
現在、中・大型の大出力設計の自動車に採用されている。
➢ピニオン式
ハンドル軸に付いたピニオンギヤトラックギヤを組み合わせてステアリングを補助する。
現在、乗用車の殆どが、ラック&ピニオン式を採用している。
5.ステアリングの交換方法とその手順
ステアリング交換の方法及びその手順についてご紹介しましょう。
エアバッグ付きのステアリングの交換は、手順を間違えるとエアバッグの「暴発事故」を起こす可能性があります。
しかし、きちんとした下準備さえ行えば、ステアリングの交換はそれ程難しい作業ではありません。
電気が流れていなければエアバッグも開くことはないのです。
❏気に入ったステアリングの選択
まずは、自分の気に入ったステアリングの選択をしなければなりません。
ステアリングには、エアバッグが付いているものと付いていないものがあります。
エアバッグは付いていなくても、車検は通りますが、保険料が変わってくることがあるので注意が必要です。
もしも、通常のエアバッグ付きの保険に入っていて、エアバッグの付いていないステアリングに交換した後に事故を起こした場合、保険金が支払われないことがあります。
エアバッグのついていないステアリングに交換したときは、必ずその旨を保険会社に連絡することを忘れないでください。
エアバッグが付いているステアリングを選ぶか、付いていないのを選ぶかは個人の自由なので、とにかく自分の好みの交換用ステアリングを選んでください。
❏作業に必要な工具
1.トルクスドライバー
2.ボックスレンチまた十字レンチ
3.スパナ
4.マイナスドライバー
❏作業に入る前に
1.作業に入る前に、前車輪の角度(方向)とハンドルの位置を確認します。
直進状態にしてください。
これを忘れると後の作業がやりにくくなります。