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フォルクスワーゲン(VW)、三菱・・・なぜ排ガスや燃費の不正は起きたのか?(後編)

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不正問題により、多くの自動車ファンを裏切ってしまったVW社と三菱自動車。

いったいどんな事情があって、2社は自らの信頼性を失墜させる行為に手を染めてしまったのでしょうか。

フォルクスワーゲン社(以下VW社と記載)と三菱自動車の不正問題に迫る本記事。

後編では問題の背景にあるものに着目しつつ、事件が起きた原因を探ってみましょう。

(前編はこちら>>

■問題の背景にあるもの

本記事後編で最初に追求するのは、VW社の排ガス不正問題の原因です。

世界の自動車ファンにショックを与えたこの問題は、実に疑問の多い事件ともいえます。

なぜならば、VW社は資金が潤沢にあり、かつトヨタと世界トップシェアを争うほどの大企業だからです。

これほどの実力と地位をもつ企業が、発覚すればその信頼を完全に失いかねない不正に手を染めていたことは、不思議と言わざるを得ません。

確かに、近年のVW社はアメリカでの販売拡大を狙っていました。

また年々厳しくなる連邦排ガス基準をクリアすべく、同社が研究に追われていたことも事実です。

しかし、そもそもVW社にとって、アメリカはそれほど大きな市場ではありません。

排ガス基準についても、背負う課題はVW社よりはるかに規模の小さい自動車メーカーと同じです。

つまり、アメリカ市場で成功するために、VW社があえて大きなリスクを負う必要はなかったはずなのです。

ではなぜ同社はリスクを冒し、実際にユーザーの信頼を失うことになってしまったのでしょうか。

その答えに迫るために、欧州が抱える排ガス規制の実情に目を向けてみましょう。

●事件を招いたVW社の油断

実は、欧州における排気ガス中の有害物質に関するテストは、それほど厳しいものではありません。

たとえば坂道や高速道路といったエンジンにかかる負荷が大きいシチュエーションで走行しているときの排ガスは、テストでチェックされないのです。

実際に非営利団体ICCTが欧州メーカーのディーゼル車を検査したところ、規制の範囲を大きく超える有害物質を排ガス中に含む車種が多いことが判明しました。

こうした車両が流通しているのですから、欧州で排ガス規制の基準を守らないことは半ば常識となっていたのかもしれません。

以上の事実を踏まえてVW社の排ガス不正問題に視点を戻すと、1つの疑問が湧いてきます。

欧州の自動車メーカであるVW社は「排ガス不正で大きなリスクを冒している」と認識していたのだろうか、という疑問です。

不正に対する意識の低さが、結果的に今回の事件を招いたのではないか。

このように考察すると、VW社の排気ガス不正問題の原因は「大企業の油断」あるいは「盲点」であると見ることができるのです。

■三菱の抱える問題と国土交通省の怠慢

三菱自動車の燃費不正の原因は、大きく分けて2つあると考えられます。

1つは「研究開発費の少なさ」、もう1つは「不正を誘発しやすい環境」です。

それぞれについて、詳しく見てみましょう。

まず1つめの原因についてですが、三菱はトヨタなどのライバルと比べて相当低い予算で新モデルを開発しています。

トヨタが1兆円規模の費用を研究開発に投じている一方で、三菱自動車は約750億円ほどの予算で新モデルの開発に取り組んでいるのです。

軽自動車を主力とするスズキですら、研究開発費は1200億円程度。

三菱の新モデル開発にかけられる費用は、かなり少ないといえるでしょう。

この一方で自動車市場の動向に目を向けると、メーカー間で燃費競争が加熱しています。

もはや燃費の悪い車はユーザーに見向きもされません。

資金の少なさに苦しむ三菱が、他社に対抗すべく不正に走ってしまったと考えるのはごく自然なことでしょう。

●国土交通省の怠慢

苦境に立たされた企業が不正に走るのは、理解できないことではありません。

とはいえ、いかに三菱が大企業だといっても、そう簡単に不正行為を行えるものなのでしょうか。

燃費を公式に発表するには、国の定める試験を受ける必要があるはずです。

しかし、三菱はこの関門をいとも簡単にクリアできました。

なぜならば、日本には前述した2つめの原因である「不正を誘発しやすい環境」が整っていたからです。

その環境を作り出していたのは、ほかならぬ国土交通省。

なんと、国土交通省は燃費試験をほとんどメーカーに丸投げしていたのです。

そのおかげで、三菱はシャシーダイナモに入力する走行抵抗などのデータを好きなように改ざんできました。

こうなっては、もう三菱の暴走を止めるものはありません。

以上の2つの原因に導かれるようにして、三菱自動車は不正に手を染めてしまったと考えられるのです。

■まとめ

以上、世界的自動車メーカーが起こした不正問題とその原因について、前後編に分けて迫ってみました。

本文で考察したとおり、VW社と三菱自動車はどちらも不正に手を染めやすい状況にあったといえます。

とはいえ、車の性能に関する偽装はユーザーを裏切る行為にほかなりません。

本記事を読んで、自動車メーカーに対する不信感が高まった方もおられることでしょう。

一部のメーカーが重大な不正が起こしたことは変えようのない事実です。

また、今後同じような不正が発覚しないとも限りません。

しかし、多くの自動車メーカーは、ユーザーと地球環境のことを真剣に考えて車の開発に臨んでいるはずです。

これまでよりシビアな目でジャッジしつつ、各メーカーの努力を見守っていくことが、私たち車ファンに求められているのではないでしょうか。

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