自動車業界の経験者が教える、他では聞けない「クルマの基礎知識」
何年も前から三菱の自動車には欠陥が発覚していますが、三菱自動車には素晴らしい技術力があるのは確かです。
しかし、それならばなぜこんなにも不祥事が続いてしまったのでしょうか。 主観的なことですが、自動車を扱ってきた人間として、私は三菱の自動車が嫌いではありません。 昔からハードコンディションな中でも、しっかりとした走りを誇ってきた自動車メーカーです。 それなのに、ここ数年でその名は地に落ちようとしています。
決して許されない事態です。
あんなにも素晴らしい自動車を造ってきた三菱について、その魅力をあなたにお届けしたいと思います。
1.自動車以外にも大活躍の三菱
三菱といえば、自動車ばかりではなく飛行機や電車、エレベーターなど多くの精密機器に携わってきています。 さらに言えば、金融業界から三菱は自動車業界に参入しています。 他の自動車メーカーとは、根本が違います。 日本郵船にはじめ、キリンビバレッジ自動販売機や浦和レッズも三菱重工サッカー部のプロ化したものです。 明治安田生命や東京海上日動火災保険も、三菱の関係が強いです。
多方面につながりの強い三菱は、本来なら日本という国を牽引できるほどの企業なのです。
2.問題指摘されていても実際素晴らしいミツビシの技術力
あなたは、三菱の自動車と聞いてどんなものが思い浮かびますか? ミラージュ・ランサー・ギャラン・スタリオンとたくさん思い浮かぶ中でも、【ランサー】の造り込みは素晴らしいです。
また【パジェロ】も文句なしの造り込みをしています。
全ての自動車をこの二車種のレベルで造り込むことができていれば、現在の三菱自動車の現状はなかったでしょう。 どちらもハードコンディションの中を平然と走り抜けることができる上に、車内への砂塵の侵入を最低限に押さえ込める造りができた自動車メーカーは多くありません。 ハードコンディションな中でもトラブルさえ少ないのが三菱が造った自動車なのです。
ノーメンテナンスで大丈夫とまでは言いません。
しかし、どの自動車メーカーよりもタフな自動車を造ることができた素晴らしい技術を持った自動車メーカーが【三菱】という自動車メーカーなのです。
3.三菱車のメリット
三菱車を選ぶメリットは、きっと誰も感じられない世の中になっていると思います。
しかし、三菱には【修理しやすい】というメカニックとしては最高のメリットがあります。 壊れやすいわけではなく【壊れやすい環境でも容易に修理することができる】造りをしているのです。 そのため、他社の自動車よりも車体の大きさが目立ちます。
そのおかげで、メカニックの手が入れづらいという作業的不利益を感じなくて良いのが最大のメリットと感じています。
また、純正状態で運転席の位置が抜群に良いというメリットもあります。 運転姿勢が良いということは、ロングドライブをしても疲れづらいということになります。
意外と地味かも知れませんが、運転する楽しみを求めていくと運転姿勢が楽な自動車は扱いやすいものですよ。
4.三菱車のデメリット
三菱車ということで、現代ではもう廃れた自動車メーカーだというイメージが植え付けられてしまったのが最大のデメリットです。 しかし、私は三菱車が好きです。
こんな時代になってしまったことが嘆かわしいです。
しかし、そもそもの三菱車のデメリットと考えると【車体の空力が悪い】というところでしょう。 先程も言いましたが、三菱車は他社同クラスのものと比べると車体が大きくなっています。 作業性が良い反面、車体だけが大きくなってしまい空力が悪く、車体剛性も弱くなってしまっている印象を持っています。
ボディー剛性がしっかりするように補強していくことで、このデメリットは感じづらくなりますが、空力的なデメリットはどうにもなりません。
前後輪の距離が長いので小回りが利きづらいのもデメリットの1つです。 直進安定性は良いのですが、旋回性能は今ひとつというのが三菱車の特徴です。 これは軽自動車でも同じ現象が発生します。
自動車の大きさに関係なく旋回性が悪いというのは、路地の多い日本の道には不向きなのかも知れません。
5.自動車に乗る楽しみを与えてくれる三菱車
デメリットに挙げた前後輪の距離の問題で、旋回性能こそ悪いもののどこまでも走り続けていきたいと感じさせてくれるのが三菱車です。
アンダーカバーをしっかり処置しておくと、高速道路での走行はかなり楽しい自動車です。
自動車好きで、自分の手で造りあげていくには三菱車は最高でしょう。 作業性が良いということは、後付け部品を設置するのも容易で悩む必要がないということです。
値段も手頃で改造車を作りたいが何を選べばよいかと聞かれた場合、私なら三菱車をオススメします。
改造車はその後の売却レートがかなり低いです。 そのため、楽しみながら自動車と触れ合うことができるのが一番だと思います。
三菱車ならその条件に見合うと私は感じています。
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