どんな自動車にも必ず装備しているあなたのための命綱。
それがブレーキです。
ただの制動装置だという感覚で、基本的には車検時以外大したメンテナンスなんてしなくても良い思っている人も多いと思いますが、ブレーキは日常点検の必須項目です!
とはいうものの、一般ユーザーにどこまで手を入れることが許されているのか。
自動車の整備はプロに丸投げの意識が強い日本では、一般レベルで工具を手にすることすら稀なのが現実です。
自分の手でオイル交換をしたことがないユーザーもかなりの数存在します。
今回は、専門技術や資格のない人にも許されているブレーキのメンテナンス範囲とその方法について書きます。
あなたの愛車との距離を少しでも縮められることを願って。
1.ブレーキ鳴き(スキール音)の直し方
街中でよく「キーッ!」というスキール音を耳にします。
ちょっと自動車の知識がある場合「ブレーキが減ってるね」なんて口走ることがありますが、実際ブレーキが減った際のスキール音を聞いたことがあるユーザーばかりではありません。
なぜなら、日本では自動車検査登録制度(車検)が義務付けられているからです。
そのため、一定レベル以上の摩耗をしているブレーキパッドは前もって交換されてしまうのです。
では、なぜブレーキからスキール音が聞こえてくるのでしょうか。
ほとんどのスキール音の原因はグリス切れです。
ここで気になるのがグリスというキーワード。
ブレーキなのにグリス?
ブレーキに触れたことがない場合、通常滑りを良くするための油脂だという認識があると思います。
しかし、グリスには他にも大切な役割があるのです。
❏保持
❏冷却
この2つの役割がブレーキ鳴きを抑制する大事なポイントなのです。
ブレーキパッドの裏にはアンチスキールシムという鉄板が差し込まれています。
通常、このシムがディスクローターに擦れることでスキール音が発生するのですが、シムを差し込む前にしっかりとブレーキパッドグリスを塗布しておかないと、シム自身が振動することでスキール音を発するようになってしまうのです。
自動車ディーラーでは、ブレーキパッドグリスがコスト的に省かれている場合があります。
代用品としてシリコンラバーグリスなどを指定パーツとして同梱されてくることもしばしば。
しかし、厳密にいえばシリコンラバーグリスでは寿命が短くなってしまいます。
耐熱効果の問題で、グリスの油分がかなり早期に抜けてしまうのです。
グリスの油分が抜けてしまうと、グリスは硬化してしまい用を為さなくなってしまいます。
アンチスキールシムを保持することも、ブレーキからの熱を逃すこともできずに、最終的にはスキール音が発生するという流れになります。
ブレーキ鳴き(スキール音)を確実に止めておくためには
ブレーキパッドグリスをしっかりとパッドとアンチスキールシムの間に塗布する
ことが重要です!
2.ブレーキパッドの交換時期
通常、ブレーキパッドは車検2回で交換するというスパンを基準に考えられています。
新車で3年後、次回2年後の計5年で交換という単純計算が成り立ちます。
しかし、これはあくまでも目安です。
ブレーキを踏む頻度が高ければもっと短くなりますし、逆であれば延びます。
かなり曖昧な目安だということをご理解ください。
一番確実なブレーキパッドの交換時期の確認方法は、一度目視してみるということになります。
•ホイールを外す
•ブレーキキャリパーの固定ボルトを1本を外す
たったこれだけでブレーキパッドを外して目視することができます。
…しかし、実際手間です。
できることならこんな手間仕事はしたくないです。
と、本来ならここでポイント的なテクニックをお伝えしたいのですが、この交換時期に関しては直接目視することをオススメします。
その理由は
❏タイヤの状況も同時に確認することができる。 ❏偏摩耗している場合にも気付ける。
❏予算的に交換ができない場合、アンチスキールシムを抜いて凌ぐことができる。