【プロメカニックの常識】吸気フィルター交換によるメリット・デメリット | カーライフマガジン

自動車のカスタムを始めると、誰もが手を付けたくなるのが【吸気】と【排気】に関わるパーツです。
アクセルを踏み込んでいくに従って響く吸気音と、それに追従してくる排気音は、正にあなたの心を踊らせてくれる活力剤と言えるでしょう。

今回は、そんな活力剤の1つ【吸気フィルター】についてメカニック的見地からあなたへお伝えしたいと思います。

手軽に交換できるパーツではありますが、その手軽さにある落とし穴に気付かないままカスタムすることは、あなたの自動車ライフを台無しにしてしまう可能性があります。

ほんの少しだけ、自動車に対する知識を広げてみましょう。

1.吸気フィルターとは?その役割

吸気フィルターとは、エンジンに送り込む外気を綺麗にするためのパーツになります。

何層にも重ねられた繊維が、埃や虫や水分までも取り除くように作られた乾式フィルターと、より外気を綺麗にできる湿式フィルターの2種類が存在します。

この吸気フィルターがなかった場合、エンジンに送られる外気の汚れがそのまま燃焼室へと送られ、燃えかすとなって排気されることになります。

しかし、これは正常に燃焼行程ができている場合です。
燃焼室内に埃などの燃えかすが蓄積されてしまうと、ノッキングを引き起こす原因となり、最悪の場合ピストンの焼き付きを引き起こすこととなりエンジンが壊れてしまうのです。

2.吸気フィルターの種類と特徴

まずは純正の吸気フィルターについてご説明しましょう。

乾式フィルターの主な素材は紙です。
目の粗い紙を何層にも重ねて異物を除去しています。

ただし、繊維の目を通過してしまうほど細かな埃は燃焼室で燃やし排気されることになります。
素材が紙ということもあり、ランニングコストは非常に低価格で抑えられます。

湿式フィルターの主な素材はコットンになります。
コットンということもあり乾式フィルターよりも目は粗く、そのまま使用していたら相当量の埃の吸入を許してしまいます。

そこで、コットンにオイルを染み込ませより多くの異物の侵入を防ぐように作られています。
フィルター自体を洗い、乾燥させ、再度オイルを染みこませることで繰り返し利用できるとされていますが、分解時に固定金具が壊れやすくなっているため、実質使い捨てとなる場合が多いです。

次に社外の吸気フィルターについてです。

社外の吸気フィルターにも乾式フィルターがあります。 その多くは、純正の吸気フィルターと置き換えるだけで利用できるものです。

価格は純正のものより若干高くなりますが、紙の層が薄くなることで吸気効率を上げてあります。

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