「ただ、13万円はあくまでも基本査定額です。今回わざわざ弊社1社にお時間をいただいたわけですから、ここから即決していただけるように精一杯頑張ります！」
おお、そうきたか！
でも他社さんの話も聞いてみないとどれくらいの値段が付くかわかんないじゃん？
「いえ、他社も間違いなく同じラインをつけてきます。先ほどの黒本、ご覧になりましたよね？」
「中古車査定業界は基本的にアレを相場として金額を弾きますので、お客様のアルファードはオークション出品単価が30万程度、次のオーナーさんへの販売価格が50～60万程度であると思われます。」
へえ、そんな価格感になるんだ。
私から13万で仕入れるこの車を50～60万で売っちゃうというのですから驚きです。
ただ、これが通常の中古車流通の仕組みなのでしょうね。
オークション業者と販売業者が間に挟まるわけですから、まあ当たり前といえば当たり前か。
「で、最初に申し上げた通り弊社は普段オークションで車を仕入れていますので、直接次のオーナーさんに販売します。」
「つまり、オークション出品などの中間マージンをそっくりそのまま買い取り額に反映できるんです！」
「いくらであれば即決していただけますか？？正直我々査定士は安く仕入れることより1台でも多く仕入れることが営業成績につながりますので、お客様の希望額で上司とかけあいます！遠慮無く希望額をおっしゃってください！！」
んーそうきましたか。
じゃあ、さっきオークション相場って言ってた30万かな！
希望価格は言わないのが査定のセオリーと散々自分に言い聞かせてきましたが、この状況はイレギュラーと判断しました。
この30万円という数字は当然ダメ元での提示ですが、10万程度にしかならないだろうと思っていたこの車に少しでも高値が付けば万々歳です。
「さ、さんじゅうですかぁ…う～～～ん（汗）」
急に弱気になる査定士。
いや、遠慮なく言ってください、かけあいます！ゆうたやん(笑)
「わかりました！上司とかけあってみます！！」
そうだ若人、その意気だ！
「そのかわり、もし30万でOK出たらこのままお車引き取らせていただけませんか？この後の業者には僕が電話して断りますので！」
「あとスライドドアの修理代込みで30万は無理です、修理代引いて24で交渉させてください！！」
すげえ畳み掛けてきます。
いいよ、俺も男だ！そこまで言うならやってみな。
ここまでくるとなんかもう、彼を応援してしまっている自分がいるから不思議です。
ってかスライドドアの修理代、さっき7万って言ってたくせになぜか6万になってるし(笑)
そこから査定士くんが上司と電話で話すこと数分…。
「やりました！30マイナス6でオッケー出ました！！！」
なにぃ～！まさか本当にOKが出るとは。
もちろん、こちらとしても24万円の査定額に文句があるわけもなく、即決で契約！
ガッツポーズの査定士くんとガッチリ握手まで交わす始末(笑)
結局思い出のアルファードはB社査定士くんがそのまま持ち帰り、彼が乗ってきた軽自動車を車検切れまでの代車として貸してもらうことになりました。
↑アルファードを入れていた立体駐車場に収まる代車。
小さすぎて笑えたので記念に撮っておきました(笑)
こうして、私とアルファードの別れは唐突に訪れたのです。
さようならアル、君の無駄にフワフワした乗り心地は生涯忘れない。
トップページへ戻る
