【レクサスの車名の記号と数字ってどういう意味?(クーペ・SUV編) | カーライフマガジン

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自動車業界の経験者が教える、他では聞けない「クルマの基礎知識」

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前回に引き続き、レクサスのラインナップを紹介します。
今回はクーペモデル、SUVモデルについての説明を行います。

レクサスブランドは、国際的な展開を考えメルセデス・ベンツ、BMW、アウディなどの欧州メーカーのようなアルファベットと数字によって車名を表現しています。

欧州メーカーは、アルファベットと数字で車格の序列を上手く表現できていますが、レクサスについては、トヨタ車の関係から車格の序列が整理できてい無い部分もあり、少しわかりにくくなっているのでその部分の整理を行います。

■クーペ編

レクサスのクーペは、レクサスSCとしてトヨタ・ソアラの3代目、4代目をアメリカで販売していたのが始まりです。
日本国内では、SC販売終了後のレクサスRCがレクサスブランドでの一番はじめのクーペとなります。

・台数限定スーパースポーツカーLFA(Lexus F Sports Apex) レクサスLFAは、文字通りレクサスの「F」モデルの頂点として作成されました。(Apexには頂点という意味もあります)

残念ながら全世界500台限定生産でしたので、カタログモデルとはなりませんでした。

LFAは、560馬力、トルク480Nmを誇るヤマハ製のV10エンジンをフロントミッドシップに搭載し、0-100km/h加速3.7秒、最高速度325km/hを誇るスーパースポーツカーのパフォーマンスを発揮します。

性能はスーパースポーツカーと言ってよいものでしたが、価格についてもスーパースポーツカー同様で、3750万円と高額でした。

しかし、トヨタが初めて妥協無く製作したスポーツカーであるLFAは、世界中のレクサスのブランドイメージや価値をさらに向上させました

・国内初のカタログモデルのクーペ、RC(Radical Coupe) レクサスRCは、レクサスGSのシャーシを流用して作られたクーペモデルです。

サイズ的には、ちょうど4ドアのGSよりも小さく、ISよりも大きいというサイズとなっています。

レクサスRCは、2014年から販売開始され、同時に「F」を冠したRC も発売されました。 RCのハイパフォーマンスバージョンであるRC Fは、IS Fと同様に、専用に開発されたV型8気筒5リッターエンジンを搭載しています。 RC Fには、LFA譲りのカーボンをルーフに使用したり、LFA同様の液晶モニターのメーターパネルを用いた「グラスコックピット」などを装備しています。

RC Fは500台限定だったLFAの成果を量産車に持ち込んで、魅力的なスポーツクーペに仕上げています。

RCは、それまで4ドアセダンとSUVだけのラインナップのなか、新たな価値を創造するために作られたモデルであり、レクサスが高級車ブランドとして次のステップに進むため挑戦
的なモデルとなりました。

ラインナップは、RCが直列4気筒 2.0リッターターボのRC200t(521万円)、直列4気筒 2.5リッターエンジン+ハイブリッドのRC300h(565万円)、 V型6気筒 3.5リッターエンジンのRC350(599万円)となっています。
ちなみに、RC Fについては、967万円と、それなりの金額になっています。

・フラッグシップクーペLC(Luxury CoupeまたはLuxury Challenge) LCは、2016年にジュネーブモーターショーでデビューし、2017年3月から発売開始されたレクサスのフラッグシップクーペです。

LCには、GS FやRC Fに搭載されているのと同じV型8気筒5リッターエンジンを搭載したLC500と、V型6気筒3.5リッターエンジン+ハイブリッドのLC500hの2種類がラインナップされます。

LCは、搭載されるトランスミッションも注目で、LC500には初の10速ATが搭載されていますし、LC500hにはマルチステージハイブリッドシステムと呼ばれる無段変速機に4段の自動変速機を加えることによって、擬似的に10段変速を実現した新型のトランスミッションを搭載しています。

LCはフラッグクーペであるため、サイズにも装備も制約無く、最上のパーツが採用されています。
デザインでは、「日本刀」をイメージしたというブラックアウトされたリヤのピラーと、全長4,770mm、全幅1,920mmという大型菜ボディサイズによって、フロントからリヤにかけて流れるようなデザインを実現しています。

インテリアも、アルカンターラや本革、マグネシウムなどの素材を贅沢に使い、手に触れる部分の操作感やタッチにこだわった設計になっています。

LCはレクサスブランドのフラッグシップクーペとしてレクサスとトヨタの技術の粋を集めて作られています。
その分価格はLC500が1300万円、LC500hが1350万円と高額になっていますが、それは致し方ないことかもしれません。

・レクサスのクーペまとめ レクサスのクーペは、ブランド立ち上げ時にはSCというトヨタ・ソアラと共用していたモデルがあるだけでした。 その後限定のLFAが登場しますが、実質的にはレクサスのクーペはRCから始まっていると言えます。

RCからLCに続くレクサスクーペの流れは、確実にレクサスブランドのイメージや地位の向上に貢献しているのです。

■SUV編

レクサスのSUVは3車種がラインナップされています。
サイズの大きい順にLXからRX、NXという順序を付けることが可能です。

レクサスのSUVの各車はアルファベットの2文字目が「X」ですが、これはすべて「Crossover」を「X」として表現しています。

・一番小さいSUV NX(nimble Crossover) レクサスの一番新しくて一番小さいSUVが、NXです。

一番小さいといっても、全長は4,630mm、全幅は1,845mmもあり、マツダのCX-3や、ホンダのヴェゼル、トヨタのC-HRよりも大きく、サイズ的にはマツダのCX-5や、日産のエクストレイルと同等のサイズです。

NXは、ベースとなるプラットフォームをトヨタ・ハリアーや、RAV4と共用していますが、共用している部品は少なく、ほぼレクサス専用に作られた車です。

NXは直列4気筒 2.0リッターターボエンジンのNX200t(428万円から)と、直列4気筒 2.5リッターエンジン+ハイブリッドシステムのNX300h(492万円から)で、それぞれに2輪駆動と4輪駆動を選択することが可能です。

・SUVブームの火付け役、RX(Radiant Crossover)
RXは、レクサスブランドが作られた当初、日本国内で販売していたトヨタ・ハリアーと基本的に同じモデルでした。

RXのコンセプトは、「乗用車の乗り心地を持ったSUV」であり、このコンセプトが世界的にヒットし、現在まで続く高級車メーカーのSUVブームの火付け役となりました。

2005年にレクサスが日本で販売を開始した際にも、レクサスではハリアーをRXとして販売していた経緯があります。 3代目が登場する際に、ハリアーはモデルチェンジされずRXはレクサス専用車となりました。

しかし、日本国内ではハリアーの人気が衰えず、ハリアーだけ2代目のまま販売し続けたという経緯があります。

ボディサイズは全長4,890mm、全幅1,895mmと、NXと比べると一回り大きいサイズとなっています。
RXは、国産車でいうと、トヨタ・ランドクルーザープラドよりも大きく、BMWではおおよそX5とサイズが同じぐらいで、日本においてはちょっと大きいかなと思うサイズですが、これは、北米のニーズを考えたサイズです。

RXは、直列4気筒 2.0リッターターボエンジンのRX200t(495万円)と、V型6気筒 3.5リッターエンジン+ハイブリッドシステムのRX450h(602万円)で、それぞれに2輪駆動と4輪駆動を選択することが可能です。

・最大サイズのSUV LX(Luxury Crossover) レクサス最大のSUVは、実は最近まで日本では販売されていませんでした。

LXは、初代、2代目共に国内では80系ランドクルーザー、100系ではランドクルーザーシグナスとして販売されていたものを北米ではレクサスブランド向けに仕向けて販売していました。

そんなこともあり、レクサスとトヨタのブランドの差別化が難しく、日本国内への導入が見送られ続けたのだと考えられます。

しかし、3代目となり、2回のマイナーチェンジを経て、ランドクルーザーとの差別化が可能となった為か、2015年から日本国内に導入されました。

LXは、レクサス最大のV型8気筒 5.7リッターエンジンを搭載したLX570(1100万円)のみの展開で、全長5,065mm、全幅1,980mmのサイズも含めて、レクサス最大のSUVと言えます。

・レクサスSUVのまとめ レクサスのSUVはNXを除いてトヨタブランドの車と多くを共有してきたことが分かります。SUVが流行する中、トヨタブランドとの棲み分けに苦心しているようにも見えます。

ただ、日本の市場を考えると、NXよりも小さいサイズのSUVがあってもよいのではないかと考えます。

■レクサスの車名まとめ

このように、レクサスブランドは、セダンのライン、クーペのライン、SUVのラインという3本の車種構成の柱の中に、車格の順列が存在しています。

レクサスの車格は、セダンだけ、クーペだけ、SUVだけを見ていると整理しやすいのですが、レクサスブランド全体を見渡した時に、車格という横軸での対比がきちんと整理されていないのがレクサスの車名を覚えるのが難しい原因でしょう。

欧州メーカー、たとえばBMWなら、3シリーズと同じクラスのSUVであればX3と同じ3が車名に付きますし、メルセデス・ベンツのCクラスのSUVならGLCと「C」が、AクラスならGLAの「A」と、車の形状と車格で車を選ぶことができるのです。

今のところレクサスでは、トップのモデルはLから始まる(LS、LC、LX)というのが決まっているようですが、その下の車格に関しても横の並びがわかりやすく整理されると、レクサスの中でどの車を買うべきが明確になるでしょう。

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