自動車業界の経験者が教える、他では聞けない「クルマの基礎知識」
自動車で出かけようとしたときに、不便を感じたことはありませんか?
ドライブ時、子供が車内を散らかしたり、スマホの充電が切れそうだったりという事態に見舞われて困った経験は??
レジャーに出かけ、キャンプや車中泊をするとお湯が必要になる場面も出てきます。
そんなときに、市販品の中でも役に立つシガー電源グッズがあると、更にレジャーが楽しくなることを知っておきましょう。
自動車の中でスマホを充電したり、お湯を沸かしたりできる。
実際に使ってみるとかなり便利です。
普段使いだけではなく、災害時にも活躍するアイテムもたくさんあります。
どんなものがシガー電源で使えるのか、使い方と役に立つシーンを1ユーザーの視点から考えてみたいと思います。
1.本来はシガーライターを使う為のものだった
昔の自動車には、標準でシガーライターが付いていました。
シガーソケットに押し込んで、少し経ってから取り出すと内部が高温になり、タバコに火を付けることができるという簡易的な熱線ライターです。
元々シガーソケットは、このシガーライターを作動させるものでした。
しかし、タバコを吸わない人の方が多い現代、ほとんどの車種でシガーライターはオプションという扱いになっています。
オプションで付けていない場合や、中古で購入して付いてなかった場合にも、シガーライターだけカー用品店などで別途購入可能です。
2.定番のシガー電源グッズ
私自身の経験から、自動車の中に置いておきたいシガー電源グッズをピックアップしました。
車載できるものは常設しておくことをオススメします。
❏シガー電源でUSB充電
カーチャージャーがあれば、自動車の中でスマートフォンやタブレット端末、携帯ゲーム機などを充電できます。
USBポートが付いていて、USBケーブルで充電可能な機器を繋ぐだけで使用できる優れものです。
1,000円未満で買えるものも多く、お試しであれば100円ショップなどでも購入可能です。
ネット通販やカー用品店などでは、販売価格2,000〜3,000円程度のやや高めのものも存在します。
これらの価格差をもたらす原因は、ポート数や出力パワーの違いによるものです。
安いものは1ポートしかなかったり、出力パワーが1.0A程度だったりと心許ない性能です。
価格が高いのものは、ほとんどのものが複数のポートを備えており、出力パワーも大きいのが特徴です。
出力パワーが小さいと充電に時間がかかってしまう為、用意するのであれば2.1A以上のものをオススメします。
特にタブレット端末を充電する場合には、2.0A未満だと充電できないことがあります。
複数のポートを備えているものは、表記されているのが
•合計の数値なのか
•各ポートの数値なのか
ここを確認してから購入するように注意してください。
複数の端末を同時に充電することが多いのであれば、3〜4A以上のものをオススメします。
充電以外の用途でUSB給電機器を使用するのであれば、それほど電流量を気にする必要はありません。
ほとんどのUSB給電機器は0.5Aで充分間に合うように作られています。
また、スマホやタブレット端末を充電する際には、対応するUSBケーブルが必要だということも忘れてはいけません。
いざ使おうとしたときに、ケーブルがなくて困ることがないように、グローブボックスの中にUSBケーブルを入れておきましょう。
その際、USBケーブル自体の対応電流量にも気を配れると最高です。
❏シガー電源のポートを増やせる
多くの車種でシガーソケットは1つしかありませんが、分配器を使って増やすことができます。
電源タップを使ってコンセントを増やすのと同じような具合。
同時に複数のシガー電源アイテムを使いたいときに便利です。
値段は1,000〜2,000円くらいのものが多く、2個口あるだけでも汎用性が広がります。
近頃は、USBポートが付いているものもあります。
複数あると、カーチャージャーでスマホを充電しながら、同時に別の用途でシガー電源を使うことも可能です。
シガーソケットをただ分配して増やすだけでなく、長いコードが付いているものもあります。
そのような分配器を使えば、後部座席まで引っ張って行けるので便利です。
ミニバンの3列目シートまで届くくらいの長さのものもあるので、用途に応じて長さを選択しましょう。
分配器に更に分配器を繋げれば、より多くの機器を同時に使うことも可能です。
ただし、家庭用のコンセントと同じようにタコ足配線は危険なのでなるべく避けてください。
シガーソケットを3つに分配できて、USBポートも付いているものなら、ほとんどそれ1つで間に合うのでオススメです。
❏万が一の事故に遭ってしまったときの為にドライブレコーダー
交通事故に遭ってしまうと、事故当時の状況についての証明が難しい場合が多いです。
相手に非があっても、証拠がないということで泣き寝入りしてしまうことがあるからです。
その為、ドライブレコーダーを車内に取り付けておくことを強くオススメします。
ドライブレコーダーの多くは、シガー電源を使用する方式です。
常にシガー電源に差し込んでおくことになる為、分配器もあわせて使ってください。
ドライブレコーダーは値段に大きな差があり、安いものなら5,000円以下、高いものだと2万円以上します。
その違いはメーカーや機能の差です。
安いドライブレコーダーは、海外製のノーブランドのものがほとんどで、画質は低めで機能もあまり豊富ではありません。
バッテリーの寿命の個体差もかなりあります。
値段の高いドライブレコーダーは、画質が高めでGPSが付いていたり、夜間に対応していたりと高機能です。
事故対策の他に煽り運転対策にもなるので、ぜひドライブレコーダーを付けておくことをオススメします。
あまり多くをこだわらなければ、5,000〜1万円くらいのものでも充分高機能なものがラインナップされているので、いきなり不要なほど詰め込まれた商品を購入する必要もありません。
2.あったら便利なシガー電源グッズ
普段の通勤や買い物などで自動車に乗るときに、あったら便利なシガー電源グッズを集めてみました。
❏スマホに入れてある音楽を聴けるFMトランスミッター
カーオーディオは、通常外部からの音声入力を受ける機能はありません。
しかし、カーオーディオのスピーカーを使って、スマホに入れてある音楽を聞きたくなることもあるかと思います。
そんなときには、FMトランスミッターがあると便利です。
スマホと繋いで音声データを受け取り、それをFMラジオと同じ種類の電波でカーオーディオに飛ばします。
カーオーディオでは、FMラジオの音声として認識してスピーカーで聴けるという仕組みです。
カーオーディオ側で合わせる周波数は、75MHzから110MHzあたりで調整します。
概ね85MHz以上だと、綺麗に聴こえることが多いです。
スマホから音声データを受ける方法は、主に以下の3種類あります。
•Bluetooth •USB
•ラインジャック
FMトランスミッターは、ブルートゥースで受けるタイプのものなら、無線で繋げてスッキリ。
スマホのリモコンとして使用できるものもあります。
USBで受けるタイプのものは、充電も可能なものが多く、スマホだけでなくUSBメモリを使えるものもあります。
ラインジャックというのはイヤホンのプラグのことです。
スマホのイヤホンの差し込み口に入れて使用します。
2,000〜3,000円ほどで入手可能です。
❏アロマディフューザ
車内をもっと快適な空間にしたいのなら、アロマディフューザがオススメです。
シガー電源を使用するタイプのアロマディフューザなら、安全で簡単に車内にアロマの香りを充満させられます。
エアコンの吹出口に設置するタイプのものもありますが、シガー電源を使用するタイプなら、エアコンを使わない季節でも使えます。
オイルはなくなったら交換する仕組みになっている為、毎回違った香りを楽しむことも可能です。
また、加湿器の機能も併せ持っているアロマディフューザーもあります。
1,000〜2,000円ほどのものが多く、加湿器機能が付いているものはやや高めです。
❏車載用カークリーナー
自動車の中は意外と汚れやすいものです。
特に小さなお子さんがいる場合には、自動車の中でお菓子などを食べて、食べかすが散らかってしまうことがよくあります。
足元には砂などがたまることも多いです。
そんなときカークリーナーがあれば、車内を簡単に掃除できるので便利。
シガー電源を使うタイプのカークリーナーを自動車の中に入れておけば、外出先でも使えます。
値段は概ね3,000円から8,000円くらいです。
一般的な掃除機と同じようにサイクロン式や紙パック式、フィルター式があります。
大きなミニバンなどに乗っているのであれば、電源コードが長めのものか延長ノズルが付いているものがオススメです。
また、シートの下などの見えにくい部分を掃除するときに便利なLEDライト付きのものもあります。
❏保温・保冷ドリンクホルダー
自動車の中に温かい飲み物を置いておいたら、冷めてしまったという経験はよくあります。
逆に夏の暑い時期、冷たい飲み物がぬるくなってしまうことも。
そんなときに保温・保冷ドリンクホルダーがあると便利です。
シガーソケットから給電して、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく保てます。
保温・保冷ドリンクホルダーを選ぶ際には、普段あなたがよく飲むドリンクが入るかどうかチェックしておきましょう。
また軽自動車など小さな自動車に乗っているのであれば、充分な設置スペースがあるかどうかも確認してください。
値段は3,000円くらいのものが一般的。
コストパフォーマンスの点では、他のシガー電源グッズと比べるとやや割高かと思います。
それでも自動車に長時間乗る機会が多い人にはオススメです。
❏車中泊やキャンプなどのときにオススメ!災害への備えにも
レジャーなどで遠出をするときなどに使うシガー電源グッズを集めました。
遊びに行くときだけでなく、大きな災害に見舞われたときなどにも役立つ道具ばかりです。
❏車載用冷蔵庫・冷凍庫・冷温庫
夏場の暑い時季には、冷たい飲み物もすぐにぬるくなってしまいます。
1本だけなら保温・保冷ドリンクホルダーで冷やしておけますが、たくさんの飲み物を冷やしておくには冷蔵庫があると便利です。
そんなときに活躍するのが車載用冷蔵庫。
家族でキャンプやバーベキューなどをするときには、人数分飲み物を冷やしておけます。
大きめのものなら10本以上入れられ、飲み物の他に食材なども保管可能です。
バーベキューをするときに食材が悪くなってしまう心配もありません。
また、冷蔵だけでなく冷凍もできるタイプのものや、保温に対応している冷温庫もあります。
冷凍ができるタイプのものなら、アイスなどを保管しておきたいときに便利です。
冷温庫なら、冬場に温かい飲み物を保管しておけます。
車中泊をするときにはかなり役立ちます。
自動車のシガー電源だけでなく、家庭用コンセントにも対応しているものなら普段はセカンド冷蔵庫として使うのもオススメです。
安いものだと5,000円から1万円くらいで購入できます。
大きなものや冷凍までできるものだと2万円から4万円くらいが相場です。
❏車載用ケトル
ケトルはポットと混同されがちですが、ポットと異なり保温機能はなく、水を沸かすだけのものです。
キャンプや車中泊などをする際には、お湯を使いたい場面に多く遭遇します。
そんなときに、車載用ケトルがあると便利です。
自動車の中でコーヒーやお茶を入れたり、カップラーメンを作ったりできます。
災害時にも重宝するアイテムで、赤ちゃんがいる家庭にもオススメです。
自動車の中でも粉ミルクと哺乳瓶があれば、すぐにミルクを作って飲ませられます。
2,000〜3,000円程度とそれほど高くはありません。
❏家庭用と同じコンセントが使えるカーインバーター
ノートパソコンを自動車の中で使いたいと思ったことはないでしょうか。
搭載バッテリーで使うことはできますが、途中でバッテリー切れになってしまうこともあります。
しかし、ノートパソコンの電源は、通常家庭用コンセントからしか取ることができません。
そんなときにカーインバーターが威力を発揮します。
カーインバーターというのは、自動車の中で家庭用コンセントを使えるようにできる道具です。
シガー電源は直流の12Vですが、これを家庭用コンセントと同じ交流の100Vに変換します。
家庭用コンセントと同じ差込口が付いており、通常の電気製品を自宅と同じようにして使用可能です。
ノートパソコンはもちろんのこと、ポータブルDVDプレーヤーなども使えます。
カーインバーターは、電力に制限がある為、購入する際には使用する電気製品の電力値を確認した上で選んでください。
150〜300Wくらいまで対応しているものであれば、3,000円前後の価格で購入できます。
対応電力が高いものほど値段も高く、1,000W以上使えるものだと1万円前後と若干高価になります。
また、消費電力の多い電気製品を車内で使用するのはあまりオススメできません。
カーインバーターが高電力に対応していても、自動車自体のヒューズやバッテリーへの負担が大きい為です。
3.シガー電源使用時のバッテリー上がり対策
カーインバーターではなく通常のシガー電源グッズを使っているときでも、バッテリー上がりが気になるものです。
しかし、シガー電源グッズを使うくらいでは、バッテリー上がりの原因にはなりません。
なぜなら、自動車はエンジンが動いている以上、常にオルタネーターが駆動され充電し続けているからです。
また、その充電している電気から消費していくため、運転中にバッテリー上がりを起こすという事態には陥らないのです。
もしバッテリー上がりを起こしてしまったとしたら、走行不足が原因と考えて良いでしょう。
短距離移動の繰り返しのせいで、クランキング時に必要とされる電力を充電しきれていないということになります。
近場で短い距離を走行することが多いのであれば、たまに遠出をして長めの距離を走行してみてください。
もしくは、バッテリー自体の寿命を迎えていると考えられますので、一度バッテリーチャージャーによる充電を施した後、再度バッテリー上がりを起こすか確認しましょう。
問題がなければそのまま走行し続けられますし、もし問題があれば早めに交換することをオススメします。
まとめ シガー電源を上手く活用しよう
元々タバコを吸う為にあったシガーソケットですが、現在では車内の電源として大活躍しています。
シガーソケットがあることで、車内でケトルやクリーナー、冷蔵庫まで使えて便利です。
保温・保冷ドリンクホルダーも一度使ってみたら手放せません。
更にカーチャージャーを使えば、USB給電機器は全般的に使用可能です。
便利なだけでなく、大きな災害に見舞われたときに役に立つこともあります。
カー用品店に行く機会があったら、ぜひシガー電源グッズのコーナーを見てみてください。
■こちらの記事も合わせてどうぞ!!■
クルマに関する豆知識や旬な情報をお伝えする「クルマの基礎知識」