免許を取ったばかりの若い頃は自動車保険の保険料が高く、みんなしぶしぶ払っているもの。
行動範囲が広がるワクワク感こそあれ、まさか自分が事故に遭うなんてなかなかイメージは湧きませんからね。
でも、毎日どこかしらで交通事故は起きているわけで決して他人ごとではありません。
たとえそのときは大惨事にならなかったとしても、のちのち面倒なトラブルにつながってくることも。
今回ご紹介するKさんも、免許を取り立ての頃に事故を起こしてしまいました。
幸いたいした事故にはならなかったものの、どうやらそのときの被害者が少しやっかいな相手だったようです・・・
事故を起こしたのは免許を取って1年ちょっと経ったくらい。20代の頃でした。
私の前方不注意で、前を走っていた車にぶつけてしまったのですが、幸い大惨事にはならず、お互いの車のバンパーがへこんだくらいで済みました。
相手の車に乗っていたのは50代くらいの女性。
私はまだ初心者マークが外れたばかりというタイミングで初めての事故…かなり慌ててしまったのですが、相手の方はいたって感じが良く、体のほうは何ともないとのことでホッとしました。
車の修理については保険会社を通じて連絡することになり、お互いの連絡先を交換してそのときは別れました。
ところが、修理の保険手続きが終わって1週間くらい経った頃、相手の旦那様から電話があり、
「昨晩、事故によるむち打ちで急に体調が悪くなり、救急車で運ばれました」
と言うのです。
事故の直後は体のほうは何ともないと言っていたけれど、その後しばらくしてむち打ちの症状が出てしまったとのことでした。
そこで私はあわてて保険会社へ連絡し、もちろん治療費なども負担することになったのですが、その後半年間にわたってその方から治療費とパートに行けない分の給与を請求され続け、さらに冬になるとまた痛みがぶり返したといっては電話がかかってきてさすがに参ってしまいました。
事故直後の穏やかな態度からの変わりように驚いていたのですが、どうやらその方が入院・通院された病院は、保険会社のブラックリストに載っている病院だということもあとになって分かりました。
治療費はどうせ加害者側の保険金がおりるから請求すれば大丈夫だと言いくるめて、必要以上に被害者に通院治療をさせる常習犯だったのです。
結局、保険会社から相手方に、
「これ以上長引くようだったら裁判を」
という話をしてくださったと同時に請求もなくなり、この件は終了しました。
事故の影響で本当に体調を崩されたのかもしれませんし、悪いのはぶつかったこちらですので、相手の方が元気になることは切に願っておりました。
ただ、はじめは感じの良い方だったのが事故のたった1週間後に急に態度が豹変し、それから執拗な請求が続いたことには大変戸惑いましたし、なんだか怖くなったのも確かです。
こちらとしては事故を起こしてしまったという弱みがありましたから、もし保険会社の方が間に入って毅然と対応してくれなければ、ずるずると言われるがままに請求に応じていたかもしれません。
免許を取って車を買ったばかりのときには「毎月払っていくの大変だなあ…」と思っていた自動車保険ですが、このときばかりは入っておいて本当に良かったと思いました。
あのときの事故からかれこれ20年あまり経ちますが、その後は免許はゴールドの優良ドライバー、保険も惜しまずしっかり加入で今に至ります。
今回のケースのように、事故の直後は当事者に目立ったケガなどがなく穏便に終結したはずが、あとになってムチ打ちの症状などが出てきて大きな問題になる事案は決して珍しいものではありません。
加害者側としては解決したと思っていたものの、被害者としては事故のときは判明しなかったけど責任をとってもらいたいと考えるので、話がこじれてしまうのです。
Kさんの場合、自分に非があることを自覚していたので治療費の支払いを拒みはしませんでしたが、被害者側の請求が度を過ぎたため、対応に苦慮しました。
特に、ケガを負わせてしまったという負い目があるのではっきりと拒否することもできなかったのです。
しかし、保険会社の担当者が毅然と対応したことで問題はあっさりと終結。
自動車保険というと、ついついおりる保険金のことばかり考えがちですが、こうした事故後対応でも頼りになるのは大変なメリットといえるでしょう。
若くて経験が少ないとそれにつけこんでくるようなタチの悪い人もなかにはいますが、そういうとき経験が豊富な保険会社の担当者が間に入ってくれると余計な手間や心労がかからずスムーズですね。