なぜ?スーパースポーツカーの価格高騰が止まらない理由 | カーライフマガジン

最近、スーパースポーツカーを世界各国のメーカーがこぞって開発し、発表しています。
それは、フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレン、ブガッティなどの老舗メーカーだけでなく、ホンダの新型NSXやレクサスのLCなど、1千万円を大きく越えるスーパースポーツカーが続々発表され、どんどん価格が上がっているのです。

そこには、メーカーのどのような思惑があるのでしょうか。

■スーパースポーツカーは利益率の高い商品

スーパースポーツカーは、とても高価で一般庶民が購入できる価格ではありません。
そして、価格の分だけ大きなエンジンや、アルミやカーボンなどをふんだんに使った軽量化されたシャーシ、豪華な室内など、目の肥えた顧客を満足させる要素が盛りだくさんです。

もちろん、このようなスーパースポーツカーは、じっくり時間をかけて開発され、製造する場面においても高価なパーツを手作業で汲み上げるなど、十分コストがかけられています。

しかし、そのような要因があってもスーパースポーツカーを各メーカがこぞって作るのは、この特別スーパースポーツカーは1台あたりの利益が高いと言う理由があります。

スーパースポーツカーの販売で稼ぎ、量産車の技術開発をしているメーカーもあると言います。

■スーパースポーツカーは、あえて高く売る

スーパースポーツカーと呼ばれる車は、売れる売れないにかかわらず、あえて高い値段を付けている部分もあります。
つまり、量産車のように沢山売れると逆に困るのです。

それはなぜか?スーパースポーツカーはもちろん、その性能で売っている部分もあるのですが、それ以上に、その価格の大半はその車やメーカー自体の「ブランド価値」を価値としているからです。

そのために、市場に中古車がたくさん流通して、中古車市場でのその車の値段=価値が下がることは避けたいのです。
もしスーパースポーツカーの中古車市場での価格が下がると、そのブランドに見合わない人たちが車を購入できるようになり、ブランドの価値が下がってしまうということになるわけです。

ですので、フェラーリなどのスーパースポーツカーのメーカーはあえてクルマ生産台数を抑えて、その車が欲しくても買うことができないぐらいの台数しか市場に流通させないなど、量産車とは全く逆の販売戦略を取っているのです。

■限定車という戦略

スーパースポーツカーのメーカーは、よく「限定車」を販売します。
世界に100台、少ない時には数台といった限定のスーパースポーツカーは、販売時の金額よりも、中古車としてオークションにかけられたときの落札価格が数倍、数十倍になるというケースすらあります。

つまり、欲しいという人すべてその製品(自動車)を購入することができるのが量産車であり、その製品を買いたくて、お金を持っていたとしても買うことができず、さらに価値が上がっていくのがスーパースポーツカーというわけです。

ちなみに、日産GT-Rは1千万オーバーのスポーツカーで、GT-Rよりも何倍も値段の高いスーパースポーツカーよりも加速性能やサーキットでの性能は高いのですが、ブランドとして欧州でスーパースポーツカーに太刀打ちできないのはGT-Rが「量産車」だからだといわれています。

GT-Rは、フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレンといったスーパースポーツカーメーカーと比べると簡単に運転することができて、簡単に高いパフォーマンスを発揮します。
しかし、逆にそれがGT-Rがスーパースポーツカーと呼ばれないゆえんであったりするわけです。

■スーパースポーツカーの販売戦略を逆手に取ってオーナーになる裏技?

さて、ここまではスーパースポーツカーの値段が高いという話をしてきました。
そして、メーカーはブランド価値を守るために中古車市場でクルマの価格が下がることを嫌っていることも説明しました。

しかし、そのメーカーの販売戦略を逆手に取って、少ない資金でスーパースポーツカーのオーナーになれる方法があるのです。

それは、最近では一般的となった「残価設定ローン」を使うのです。
このローンの利点は、ローンの最終回の支払いに、その車の買い取り額相当の金額の設定することによって月々の支払い額を下げることができるのが特徴です。

そして実は、フェラーリやランボルギーニといったメーカーも、この「残価設定ローン」を扱っているのです。 しかも、ランボルギーニの3年ローンの残価設定は65%、フェラーリに至っては最高75%の残価設定となっているのです。(フェラーリの75%の残価設定の適用には条件があるそうです)

このような高い残価設定率は、メーカーが販売した車を自社で買い取ることによって中古車市場に流通させることにより、不当に低い金額で中古車市場で販売されてブランド価値が下がるのを防いでいるのです。

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