車を買うなら決算期がお得?元ディーラー営業マンが教える決算期の交渉術 | カーライフマガジン

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自動車業界の経験者が教える、他では聞けない「クルマの基礎知識」

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車の購入は人生の中でも高価な買い物なので、少しでもお得に買いたいと思っている人は多いと思います。
実は同じ車でもタイミングが違うだけで、購入金額に差が出てくるのです。

そこで今回は、1年の中でお得に購入できる決算期について、よりお得に購入するための方法を解説していきます。

決算期は全体的に普段よりもお得に買える傾向にありますが、ちょっとしたコツでよりお得に購入できる可能性があります。

そんな決算期に使える交渉術を、元ディーラー営業マンである筆者が教えたいとお教えします。

■決算期はお得になるのはなぜ?決算期がお得になる仕組みとは?

よく「決算期はお得に買える」という言葉を聞きますが、その仕組みを理解していないと、せっかくのお得に買えるチャンスを逃してしまう可能性があります。
そうならないように、まずは決算期にお得に購入できる仕組みについて解説していきたいと思います。

多くの会社と同じように自動車メーカーも3月末日に決算を行います。 4月1日から始まり3月31日までを一つの周期として、その1年間の業績をまとめます。 会計年度のトータルの業績をまとめる3月の期末決算の他に、9月に行われる中間決算があります。

つまり自動車業界で言う決算期とは、基本的には2~3月と8~9月を指します。

メーカーは決算の内容を良くしようと、決算期には様々な施策を行います。
その結果、決算期には普段よりもお得に買えるケースが増えてきます。

決算期にお得に車が買える理由は大きく以下の2つです。
・決算期のみのキャンペーンをしていることがある
・決算期は普段よりも値引きされやすい

メーカーは1年を通して様々なキャンペーンを行っていますが、時期によってその内容や対象車種は異なってきます。
決算期は普段よりもお得なキャンペーンを行っている場合や、従来のキャンペーンでも対象車種が拡大されているケースがあります。

さらに、メーカーは販売台数を増やすために、決算期にはディーラーに対して特別な販売目標を設定しています。
ディーラーが販売目標を達成するとメーカーはディーラーに奨励金を出します。

基本的に値引き額の限度とは、店舗が最低限の利益を確保できるラインです。
たくさん値引きして販売台数が増えても、赤字ではディーラーとしては意味がないからです。

決算期に普段よりも値引きされやすいのは、メーカーからの奨励金をディーラーの利益に充てることで普段よりも値引きの限度額を下げることが可能だからです。

販売台数が増えれば増えるだけ、メーカーからの奨励金は増えるので、赤字ギリギリの価格で売ってでも、販売台数を増やす方がディーラーとしての利益につながる場合があります。

そのため普段はあまり値引きをしてくれないお店でも決算期にはたくさん値引きをしてくれることがあります。
特に会計年度の期末決算である3月は、販売台数を上げるためにメーカーもディーラーも必死になるので、よりお得に買える可能性は高いでしょう。

■決算期にお店に行けば必ずお得になるわけではない?

ここで注意したいポイントは決算期にお店に行くだけでは、お得に買えるとは限らないということです。
決算期にお得に買えるのは、販売台数を増やして決算の内容を良くするためです。

実は成約が決まっただけでは、決算の販売台数には含まれません。
決算に含まれる販売台数とは、陸運局で登録を済ませた車に限られるからです。

メーカーが行うキャンペーンも同じように、登録日によってキャンペーンを適応できるかどうかが変わってくる場合があります。
決算期にだけ行っている特別なキャンペーンは基本的に決算が行われるまでに登録された車に適応されることが一般的です。

ディーラーもメーカーから奨励金を受け取るには、決算までに登録した台数で評価されるので、決算までに登録できる見込みのない商談では、大きく値引きすることは避ける傾向にあります。

つまり、決算が行われる3月や9月にお店に向かっても、検討している車種が決算までに登録できなければ、お得なキャンペーンも適応されず、値引きもそこまでしてもらえない可能性があるということです。

■決算の仕組みを理解して、効果的に交渉をしよう!

決算期は販売台数を増やそうとメーカーやディーラーも必死なので、普段よりもお得に購入できる可能性が高いのは確かです。

しかし、決算期だからといって、どんなケースでもお得になるわけではありません。
「決算期だからもっと安くなるはず!」と根拠のない期待をして、無理な交渉を続けると逆効果のこともあります。

よりお得に購入したい場合は、決算期の仕組みを理解することで、効果的な交渉をする必要があります。

次項からは、ここまでの内容を踏まえつつ、決算期によりお得に購入するための具体的なスケジュールや実践的な交渉術を紹介していきたいと思います。

■決算期価格で購入するためのおすすめのスケジュールとは?

車を登録するためには、基本的には成約してから10日から2週間程度の期間が必要になります。
つまり、決算月である3月や9月の後半にお店に行っても、特別早く登録できるケースでない限り、決算価格で購入することは難しくなってきます。

決算価格でお得に購入するためには、少なくとも決算月の前月には一度お店に足を運んで、ある程度の話を進めておくと良いでしょう。

このときに、検討している車種がどの程度で登録できるのか、さりげなく営業マンから聞き出しておきましょう。 登録に必要な日数を逆算して、決算までには車を登録できるように商談を進めていきましょう。

おすすめは3回に分けてお店に足を運ぶプランです。

1回目:基本的な車の情報を集め、大まかな購入プランを検討する。(登録の目安も聞いておく)

2回目:購入プランを煮詰めていき、その段階で可能な限りの見積もりをもらう。

3回目:最後の交渉をして、満足いく提案があれば成約する。

例えば3月の決算に向けて商談を進めていく場合は、2月中に2回お店を訪ねて、3月の前半までに最後の来店で成約するというスケジュールです。

最初の来店から2回目までの訪問までは、できるだけ間を開けないようにしましょう。
そうすることで、営業マンに顔も覚えてもらいやすいですし、買う気があることをアピールできます。

ただし、2回目の商談で、納得のいく見積もりが出れば、その場で成約を決めてしまっても良いと思います。
もう一声という場合は、「もう少し検討します」と言って、一度見積もりを持って帰り、最後の交渉に臨みましょう。

■決算期に何度も粘る交渉は諸刃の剣?

あなたが向かったお店が販売目標に到達していない場合、決算ギリギリになればなるほど、より値引きをしてくれる可能性はあります。

ただし、これは諸刃の剣でもあることを理解しておいてください。
あまり成約を先延ばしにしてしまうと、登録が決算を過ぎてしまう可能性もあるからです。

さらに、決算期には成約までに時間のかかりそうな顧客よりも、すぐに成約してくれる可能性が高い顧客を優先して接客する傾向があります。
決算期には顧客の来店数も増えるので、販売台数を増やすためには、一人のお客様に時間をかけるよりも、たくさんのお客様と商談を進めようとするからです。

お得に買いたいからと、何度も値切り交渉をしていると、営業マンからも見切りをつけられて、それ以上交渉する余地がなくなってしまうこともあります。

そのため、多くても3回程度の来店で購入するかどうかを決めるつもりで商談を進めていきましょう。

■決算期に使える4つの交渉術を大紹介!

ここからは決算期に使うと有効な交渉術をいくつか紹介したいと思います。

最初の来店から買う意志があることをアピールする

初回の来店で購入を決める必要はありませんが、条件次第で購入する意志があることを見せておくことは大事です。

上でも解説しましたが、決算期では、購入の見込みのある顧客に目星をつけて接客している営業マンがほとんどです。

そのため、次回以降により良い提案を受けるためには、初回の来店で、営業マンの販売ターゲットの中に入っている必要があります。

最初の来店で営業マンの中で成約につながりそうな手ごたえがあれば、営業マンの方から「よりお得な提案ができると思うので、一度ご来店いただけませんか?」と連絡が入ってきます。

具体的な提案をする

最後の交渉に使えるテクニックとして、あなたから具体的な提案をする方法があります。

例えば提案された見積もり額が213万円だったら「端数を切って210万円にしてくれたら購入する」と具体的な着地点を決めてしまう方法です。

仮にこちらからの提案内容の実現が難しくても、何かしら別の代替え案を営業マンから提案してくれる可能性が高いです。

注意すべきポイントは、あまりにも現実的でない提案は逆効果となるということです。
決算期といえ、値引きできる額には限度があるので、値引きばかりにこだわるのも得策ではありません。

1日に2回に分けて来店する

上で紹介したスケジュールの2回目と3回目の来店を1日のうちにしてしまうというテクニックです。

最初の来店は、できるだけオープン直後に訪れることで、他のお客さんが少ないうちにしっかりと商談を進めていきましょう。

そして、午前中のうちに、可能な限りの見積もりを出してもらいます。
その見積もりが納得のいくものでなければ、その場で再び交渉するのではなく、一度お店を出てしまいましょう。

時間を見計らって、夕方ぐらいに再びお店を訪れて「どうしてもこの車が欲しいので、もう一声できないか」相談してみてください。

ここまですると購入の意志が高いことを察してくれるので、どうにかできないか営業マンも決定権のある上司に掛け合ってくれる可能性が高いです。

在庫車を狙う

ちょっとした裏技ですが、お店が既に在庫を確保している車を狙うという方法があります。

人気車種などは成約してから発注をかけていては決算までに登録が間に合わない可能性があるので、あらかじめお店で在庫車を確保しているケースがあります。

在庫車は発注をかけて、工場から出荷されるのを待つ手間が省かれるので、早ければ成約してから1週間以内に登録できることもあります。

もし決算までの日にちがあまり残っていない状態で、車の購入を検討し始めた場合は、こういった在庫車がないか探してみましょう。

在庫車は売れ残ってしまうと、お店側としても困ってしまうので、3月の半ばになっても残っている在庫車だと値引きしてでも成約につなげたいという場合が多いです。

在庫車の注意点は製造過程でしか加えることのできない特別なオプションなどは選ぶことができないことです。
それ以外は他の新車と一緒なので、在庫車で気に入ったものがあれば、普段よりも交渉しやすいと思うので、チャレンジしてみてください。

■決算期だからこそ中身の検討を忘れない!

決算期にはお得に購入できるかもしれないからと、値段ばかりに意識が向いてしまって、車の中身自体の検討が疎かになりがちです。
値引き額だけで車の購入を決めてしまうと、あとで後悔してしまうこともあります。

値引き目当てで最初から商談に挑むのではなく、まずはあなたに合った車かどうかをしっかりと検討してみてください。

その上で、どうしても購入に踏ん切りがつかないという場合は、今回の記事で紹介したような交渉術を試してみてください。
あなたが本当にその車が欲しいのだという熱意が伝われば、きっと営業マンも親身になって協力してくれると思います。

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