最近は、軽自動車やコンパクトカーなどの燃費重視でリーズナブルな車種がアイドリングストップ車となることが多くなっています。
ハイブリッド車やEVに比べ、製造コストが安いアイドリングストップ車には専用のバッテリーが必要です。
通常のバッテリーと違い、交換の際に必要な金額も割高なアイドリングストップ車は、いざバッテリーを交換しようとする際に躊躇してしまうものです。
アイドリングストップ車に使うと問題があるバッテリーはどのようなものなのでしょうか。
アイドリングストップ車用バッテリーのオススメ商品を紹介します。
1.アイドリングストップ車はバッテリーに負担がかかる
アイドリングストップは、信号待ちなどの停車時にエンジンが停止する自動車のシステムです。
停車の際、アイドリング中に消費されるガソリンの量を減らすことを狙ったものです。
1時間アイドリングストップをすることで、0.5~1Lのガソリン節約になるのです。
ただ、アイドリングストップ車にもデメリットはあります。
それは、バッテリーへの負担が大きいことです。
エンジンを始動させる際には、バッテリーの電気を使ってセルモーターを回します。
アイドリングストップ車はエンジンが停止するたびに、セルモーターによる起動を何回も行わなければなりません。
このため、どうしても標準車よりも電気の消費量が増えてしまいます。
加えて、アイドリングストップ中にはバッテリー充電用の発電機であるオルターネーターが作動していません。
このためオルターネーターの稼働時間が短く、バッテリーの残量は減りやすくなります。
アイドリングストップ車はエンジンを何度も起動させる上に、オルターネーターの稼働時間は短いという仕組みになっているのです。
こうした仕様上、バッテリーの消耗は他の自動車と比較すると早くなります。
そのため、アイドリングストップ車対応のバッテリーは、短時間で十分な充電ができる仕組みになっています。
充電を繰り返せばバッテリーへの負担も大きくなるので、耐久性が高いのも特徴です。
2.アイドリングストップ車に安物バッテリーを使うな
同じバッテリーでも価格には大きな開きがあります。
安いものだと2,000円台で入手することも可能です。
ところが、スペックを調べてみれば分かりますが、安物バッテリーはそもそもアイドリングストップ車に対応していません。
アイドリングストップ車に対応していないバッテリーは、高速充電に対応していないので、消耗しても元の状態に戻りにくいのです。
また、耐久性も高くないので、充電の繰り返しという負担に耐えられず、あっという間に劣化してしまいます。
バッテリーが消耗するとセルモーターを回すことができず、車が動かなくなってしまいます。
自動車を動かそうとしても動かなくなってしまった経験がある人も多いでしょう。
ただ、劣化したバッテリーを使い続けても、いきなりアイドリングストップから復帰できなくなるようなことはありません。
バッテリーの消耗を感知した時点で、アイドリングストップ機能が使えなくなるだけで、自動車を動かすこと自体は可能です。
しかし、アイドリングストップが機能しないのでは困ります。
アイドリングストップ車を購入した意味が無くなるからです。
結果として、アイドリングストップをちゃんと機能させるためにバッテリー交換を頻繁に行うことになります。
これでは、安いバッテリーを買っても、かえってコストが高くついてしまいます。
ハイオク仕様車にレギュラーガソリンを入れて走らせた場合、燃費悪化でかえってコストがかかるのと同じです。
3.おすすめのアイドリングストップ車用バッテリーは?
アイドリングストップ車は対応バッテリーを使用するのが必須条件です。
バッテリーにかかる金額は、一見すると割高に感じます。
それでも、対応バッテリーを使うことで結果的に割安になるのは、無駄な買い替えをすることがなくなるためです。
各社のアイドリングストップ車用バッテリーとしては、以下のようなものがあります。
•GSユアサ・エコRレボリューションシリーズ
エコRレボリューションシリーズはバッテリーメーカーとしては国内最大手となるGSユアサの商品。
アイドリングストップ車も標準車も使うことができると明記されています。
極板を薄くして枚数を増やし、電解液にリチウムを配合することで、クイックチャージ性能をアップさせています。
実売価格については、軽乗用車に使われることが多いサイズのM-42で、最安7,500円前後となっており割と平均的なレベルです。
•日立化成・タフロングプレミアムシリーズ
タフロングプレミアムシリーズもアイドリングストップ車、標準車の両方で使えます。
一定の時間内に充電できる充電受入性能が、従来の商品と比較して1.8倍。
クイックチャージ性能に重点を置いていることが分かります。
実売価格は、M-42が最安で7,800円前後。
GSユアサと比較するとやや高めになっています。
•パナソニック・カオスシリーズ
カオスシリーズはパナソニックの最上位モデルで、こちらもアイドリングストップ車と標準車の両方に対応しています。
青いバッテリーといえばほぼこのカオスだと考えて間違いありません。
他社の商品は18ヶ月の保証となっているのに対し、カオスシリーズは2年間と保証期間が長くなっています。
しかも、他社は走行㎞数の上限が3万キロとなっているのに対し、カオスシリーズには上限設定がありません。
そのため、2年間ならどのぐらいの距離を走っても保証期間となります。
実売価格については、M-55(M-42に相当)で最安7,400円前後。エコRレボリューションシリーズと比較して、コストパフォーマンスはやや高めです。
•ボッシュ・ハイテックプレミアムシリーズ
ハイテックプレミアムシリーズはドイツの自動車部品メーカー・ボッシュの商品で、ドイツ製ならではの信頼性と実用性がセールスポイントとなっています。
こちらもボッシュの従来製品と比較して充電受入性能が1.75倍になっており、クイックチャージ性能は高くなっています。
実売価格はM-42で最安8,000前後。今回紹介する商品の中では最も高価ですが、それでもディーラーで購入することを考えればリーズナブルです。
•アトラス・BXスタートストップシリーズ
BXスタートストップシリーズは韓国メーカーの商品です。
注目すべきはそのコストパフォーマンス。
M-42の実売価格は、最安で5,000円以下です。
アイドリングストップ車用のバッテリーでコストパフォーマンスを最優先するのなら、有力な選択肢となり得ます。
まとめ アイドリングストップ車のバッテリー選びは慎重に
アイドリングストップ車の場合、バッテリーは安ければいいというものではありません。
アイドリングストップ車非対応の商品を使うと、最悪の場合、標準車の2割程度の寿命しか持たない可能性もあります。
アイドリングストップ車のメリットを生かすためには、多少高くても対応バッテリーを選ぶことが必要です。
あとは何を重視するかで、バッテリーを選ぶようにしましょう。
•コストパフォーマンス •耐久性
•メーカー保証