自動車業界の経験者が教える、他では聞けない「クルマの基礎知識」
誰もが知っている高級外車といえばメルセデス・ベンツ、BMW、ポルシェなどが挙げられます。
一目見て、名前を聞くだけで「あぁ、高級車だなぁ。」と判断できるものばかりです。
そんな高級外車は、いったいいつまで高級外車として存在していられるのでしょうか?
今回は、元プロ査定士として高級外車の裏側をコッソリあなたにお伝えしていきたいと思います。
一度は乗ってみたい高級外車にも、意外な一面を見つけられるかもしれませんよ。
1.高級外車のメリットって何?
あなたは今、高速道路を走行中です。 前にはBMWがゆっくり流していて、後ろからはベンツが猛スピードで追い上げてきます。
ふと横を見ると、ポルシェがあなたと同じようなスピードで並走していて逃げ場がありません。
この状況を想像してみて、あなたはどんな気持ちになりましたか?
私なら「勘弁してくれ…。」といった気持ちになります。
高級外車に囲まれて、もし操作ミスによって事故でも起こそうものなら、その損害賠償額への恐怖感しかありません。
これが、高級外車に乗るメリットなのです。
周りの運転手が嫌がるという不思議なメリットなのですが、わざわざ近づいて来ようとしないということは、必然的に事故に遭いづらいという結果をもたらしてくれるのです。
運転技術の過信から、自ら事故を起こすことは誰にでもありますが、周囲が勝手に離れてくれるというのは大きなメリットです。
特に、運転が苦手な方やお年寄りには運転しやすい状況を作り出してくれるのでオススメです。
また、お子様が小さい場合にも有効な事故防止策といえるでしょう。
絶対的な存在感のある高級外車というのは、一種のお守りだといっても良いかもしれません。
2.高級外車のオススメな乗り方って?
高級外車のオーナーになる。
1つのステータスではあります。
しかし、自動車業界に従事してきた経験からするとあまりオススメできないということだけはお伝え致します。
なぜなら、高級外車といえどもただの自動車であり、次から次へと新たなモデルが排出されていくからです。
あなたが乗りたい高級外車が、既に廃盤のモデルなのであれば購入してオーナーとなる以外に手はないでしょう。
しかし、ニューモデルに乗りたいという場合は話が別です。
あなたはカーリースという方法を知っていますか。
ローンを支払う感覚で毎月の支払いを、もしくは年払いで一年間の使用料を支払うことであなたのお手元に高級外車が届くシステムです。
自動車ディーラー自体が率先してカーリースをしているところもありますが、メインで行っているのはリース会社です。
新車をリースする会社と、中古車をリースする会社がありますが、やはり価格差は大きいです。
とにかく新しいものに乗っていたいというわけではないのであれば、中古車リースが良いでしょう。
国産車でもカーリースは存在しますが、正直オススメ致しません。
国産車の場合、新車売却時の値動きが大きくなく残価設定に余裕があるのです。
そもそもの新車価額が低く設定されている傾向があるのもありますが、国産車の信頼性という裏付けがあると考えても間違っていません。
では、なぜ高級外車はカーリースを私がオススメするのでしょうか。
それについて見ていきましょう。
3.高級外車は価額が落ちづらい?
高級外車の販売価額は、平気で1,000万円クラスの値がつきます。
メルセデス・ベンツ S 600 longの場合、メーカー希望小売価格が2,331万円という戸建てクラスの価格がついています。
カーリースには3年 5年という期間が設定されていますが、仮に5年後のS 600 longの下取り価額のおよその金額は1/10程度になってしまいます。
これはおよその数字なので、必ずこうなるというわけではありませんが、私がこれまで多くの高級外車を査定してきた経験上、高級外車の値下がり幅はものすごく大きいです。
売却時の自動車の状態やニーズによっても価額変動するため、参考程度に数字を出しましたが5年間の使用に伴う経年劣化などを考えますと、1/10は妥当な数字だと思っています。
高級外車だからといって、売却時の価額も高級だというわけではないのです。
あなたにカーリースをオススメする最大の理由がこの値下がり率の大きさです。
国産車であれば、正直ここまで悲惨な下がり方はしません。
逆にいうと、自動車査定士というのがどれだけ外車に対してシビアになっているのかという現実が分かる値下がりの仕方だと私は感じています。
正直不安なのです。 高級外車といえども、トラブルの多い外車であることに違いありません。
ちょっとしたトラブルであっても、部品交換するだけに数万円が確実にかかってくることや、部品取り寄せに数ヶ月かかってしまうことだってザラにあります。
すんなり手元を離れていってくれる自動車であれば在庫負担というデメリットは少ないのですが、いざ細かな部分を見ていくとやはり多少の手入れが必要になってしまうのが外車というものなのです。
買い入れた後に、どれだけの手間がかかってくるのかを判断しながら査定をしなければならないのも、自動車査定士の仕事なのです。
いつまでも乗り続けたい自動車であれば、私は声を大にして購入をオススメ致します。
しかし、乗り換えながら高級外車を楽しんでいきたいといわれるのであれば、高級外車であるからこそ私はカーリースをオススメ致します。
4.まとめ 高級外車もただの自動車 乗り方は良く考えよう
高級外車に乗りたいというのは、成功の象徴ともいえる自己顕示欲の1つであったり、ただただその自動車が好きだという満足感を満たす方法だったりと人それぞれです。
しかし、どこまで行っても自動車という1つのアイテムでしか無いということを知っておいてください。
運転している間は確かに特別感があるのですが、いざ売却しようという時にはそのネームバリューなどは大きく作用するものではないのです。
あなたがもし高級外車に乗りたいと考えているのであれば、まずは手に入れるという形の在り方を色々と考えてみてください。
購入なのかリースなのか。
どちらがあなたに合っているのかを考えてみて欲しいと思います。
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