ダンロップタイヤとボディタイプ別自動車マッチング|元プロメカニックのおすすめは? | カーライフマガジン

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自動車業界の経験者が教える、他では聞けない「クルマの基礎知識」

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タイヤブランドとして世界に認められているダンロップ
日本発祥の国産タイヤメーカーだと勘違いされている方も多いですが、実は元はイギリスのタイヤメーカーなのです。

元来国産タイヤメーカーだと勘違いするのも当然、1985年に当時ダンロップを買収していたBTR社が住友ゴム工業へとタイヤ部門を全て売却しているので、その頃からダンロップのタイヤは日本企業のものとなっているのです。

そして、ダンロップの技術はアメリカのタイヤメーカーグッドイヤーとも繋がりがあります。

住友ゴム工業とグッドイヤーが一時期提携を結んでおり、当時は事実上アメリカ資本のタイヤメーカーでした。

現在ではその提携も解消されて、住友ゴム工業のブランドとして名を馳せていますが、紆余曲折を経て現在に至るタイヤメーカーなのです。

1.エコタイヤのマッチング

ダンロップが展開するエコタイヤといえばENASEVEです。
現在展開されているENASEVEの中には、100%石油外天然資源によって作られている地球に優しいタイヤが存在しています。

ENASEVE 100

100%石油外天然素材で作られているタイヤ、それがこのENASEVE 100です。

セダン・ミニバンでの使用が推奨されていて、ロングライフと低燃費の特性を併せ持つタイヤになります。

ダンロップのエコタイヤの中ではミドルクラスであり、最高ランクの転がり抵抗の低さを持っているわけではなく、しっかりと走りやすさを考えられているタイヤです。

ウェットコンディションでのグリップ性能も良く、オールマイティーな扱いやすいエコタイヤといえるでしょう。

若干静粛性に欠けますが、一般使用時に気になるほどのノイズが発生するようなタイヤではありません。

欲をいえばコーナリング時の踏ん張りがもう少し欲しいといったところでしょうか。
また、195/65 R15 91Hのサイズ展開のみという点で、この先のサイズ展開に期待したいところです。

EC203

ENASEVE 100と同様ミドルクラスのエコタイヤで、SUV以外のボディータイプが推奨とされている優等生です。

少し硬めの特性上、ウェットコンディションでの中高速走行時の車線変更に若干の不安がありますが、扱いづらさは感じません。

タイヤ全体の発熱を抑える技術が盛り込まれているため、ロングライフで安定した走行性能を維持していけるタイヤです。

均等にタイヤがたわむように設計されているので、空気圧を高くして高速道路に向かうと性能低下につながってしまうので注意しましょう。

NEXT II

ENASAVEを選択する際に、性能面・コスト面において一番オススメしやすいのがNEXT IIです。
セダン・ミニバンに推奨されていますが、サイズさえ合えばどのボディータイプにもおすすめできるタイヤです。

ウェットコンディションでのグリップ性能に富んでいて、ロングライフ性能も抜群に良いです。

ただ、やはり中高速走行時の安定性は若干劣ります。 燃費性能向上を考え転がり抵抗を抑えるために、ドライコンディションでのグリップ性能が抑制されているからです。

そのため、ガンガンにアクセルを踏みながらスポーツ走行に近い運転がしたいあなたには、踏ん張りの効かない非力なタイヤという印象を残すでしょう。

逆に、燃費走行と車内の快適性を求めるあなたにはとても良いタイヤとなります。
コンフォートな使い方であれば充分に満足感を得られるタイヤです。

気にするほどではありませんが、若干の突き上げ感があるのを私は感じました。

PREMIUM

正直なところ、私はこのPREMIUMをオススメしません
ENASAVEのフラッグシップモデルなのですが、固い上に滑るタイヤという印象が強く残っています。

SUVを除いたボディータイプに対応しているのですが、仮にこのタイヤをオススメするとしたら、私ならコンパクトカーもしくは軽自動車に対してだけでしょう。

ウェットコンディションでミニバンにPREMIUMを装着して走行したことがありますが、40km/hでの緩やかなコーナーで横滑りしてしまいました。

車重が比較的少ない、車高の低い、ホイールベースが短い自動車であれば問題なく使用することができますが、正反対の特性の自動車には間違いなく私はオススメしないでしょう。

RV504

ENASAVEシリーズの中で、唯一専用タイヤとしてラインナップされているRV504。
ミニバン専用として、ミニバンの特性に合わせた設計を成されています。

ミニバンというのは、基本的に車重が重くタイヤ1本にかかる負担が大きくなります。 そのため、走行中の接地面温度は速度に比例して高くなり、結果的にロングライフ性能が劣ってしまうのです。

さらに、車高の高さからふらつきやすく、タイヤは偏摩耗しやすいというのがミニバンのウィークポイントです。

このRV504は、このウィークポイントを的確に改善している画期的なタイヤです。

推奨はミニバン・コンパクトカー・軽自動車なのですが、素直にミニバン専用と考えた方が特性を生かしきれるでしょう。

多少のタイヤの固さはあるものの、車重に上手くマッチしていて突き上げ感を感じません。

さらに、沈み込みすぎないサイドウォールのおかげで推進力を逃さず接地面へと伝えることができ、適度なグリップ力が軽い走行感をあなたへ与えてくれます。

転がり抵抗がより少ない状態へとランクアップされてしまうと、ミニバンの特性上横風のあおりを受けた場合滑り出してしまいそうなので、現状が最適でしょう。

タイヤの内外で肩部の広さが違うのもミニバンには嬉しいことで、コーナリング中の安定性が格段に変わります。

タイヤ外側の肩部が広く設定されていて、コーナリング中のふらつきを抑制しつつしっかりとした踏ん張りを見せてくれます。

しかし、それよりもタイヤ内側の粘りが素晴らしく、車重の慣性力によりアンダーステアになりがちなミニバンのコーナリングをスムーズに進められます。

この際に、より強い負荷がかかり偏摩耗しやすいのですが、摩耗しづらいよう接地面の温度を抑制することで対策を練られています。

ミニバンのエコタイヤはRV504で決まりです。

2.コンフォート・SUVタイヤのマッチング

ダンロップに限らず、現代のスタンダードはエコタイヤです。
特にダンロップは、コンフォートラインを極端に減らしエコタイヤに力を注いでいる状態です。

そんなダンロップのコンフォートタイヤでオススメのタイヤについてご紹介しましょう。

LE MANS V

このタイヤもSUVを除くボディータイプのサイズラインナップが用意されています。
便利と快適と扱いやすさを兼ね揃えた最優秀選手といっても良いでしょう。

まず、エコタイヤの括りには入っていないにも関わらず、EC203と同レベルでの燃費性能を誇ります。
正確には若干劣りはしますが、燃費性能以上にトータルバランスの取れたそのポテンシャルの方が大切です。

あなたの自動車をハイヤー並みの乗り心地に進化させることができます。
グリップ性能はドライ・ウェットコンディションともに充分な性能を発揮してくれますし、何よりその静粛性に目を見張ります。

SHINOBIテクノロジーと称するダンロップ独自の制振性により、路面からの衝撃を抑制しハンドルの振れを制限できます。
また、サイレントコアと呼ばれる特殊吸音スポンジにより、信じられないほどの静粛性をステージを選ばずに発揮してくれます。
この2つの効果により、運転するあなたにもですが、同乗者にとってかなりストレスのないドライブが可能です。

タイヤの内外の非対称トレッドパターンにより、摩耗しやすいタイヤ外側の肩部の偏摩耗に対し耐久性を持たせています。
これによりロングライフ性能を飛躍的にアップすることができます。

また、このタイヤにはフクロウの生体技術を取り入れています。 フクロウの羽根は、空気を整流して音もなく飛行することができるということが知られています。

その整流機能を縦溝に施すことにより、これまでにないほどにパターンノイズを削減できました。

最高の運転性能をあなたに知っていただきたいですね。

VEURO VE 303

LE MANS Vよりも静かなプレミアムコンフォートの極み。
VEURO VE 303は、あなたに極上の時間をプレゼントしてくれます。

何よりも特徴的なのが、サイドウォールの安定性です。
フワフワとした乗り心地ではなく、しっかりと芯のある乗り心地を実感できる理由は、文字通りサイドウォールにストリップエイペックスと呼ばれる芯を設置しているからです。

基本的にはLE MANS Vと大きく変わらないのですが、静粛性は目を見張るものがあります。

GRAND TREK PT3

SUV専用のオンロードタイヤです。

見るからに車重があるSUVですが、例外なく偏摩耗が激しいボディータイプになります。
その偏摩耗対策として、PT3は接地面の分圧にとても優れたタイヤとなっています。

直進時もコーナリング時も、本来であればタイヤのたわみにより肩部へと強い負荷がかかってしまいます。
しかし、PT3はどちらの場合も接地面の圧力を分散することによって負荷を軽減すると同時に、圧力が分散されたことにより接地面全体のグリップ性能に偏りが起こりづらいのが特徴です。

このおかげで、常に安定した走行性能を確保できるのです。

発熱を抑える素材を使用しているのは最近の流行ですが、PT3も例に外れず低発熱素材によって作られています。

これは、耐摩耗性を向上させるのに必要不可欠な要素です。

乗り心地も凄く柔らかく、静粛性にも富んでいる優等生です。

車重の重いSUVのタイヤ事情の強い味方となってくれます。

GRAND TREK AT3

ただでさえSUVのタイヤは単価が高い代物です。
それだけでなく、保管場所にも困るサイズが厄介で、スタッドレスタイヤを別に用意するのは意外と難しい場合があります。

そんな悩みのタネを一挙に引き受けてくれるのがこのGRAND TREK AT3です。

このタイヤの特徴はオールラウンドです。
オンロードでもオフロードでも雪上でも、様々なロードコンディションに左右されることなく走行性能を発揮してくれる便利なタイヤです。

オールラウンドで使えるというメリットを与えるために、燃費性能を犠牲にしていることをお伝えしなければなりません。

燃費性能を向上させたければ、トレッドパターンは縦溝をメインに横溝は極力少なくすれば良いのですが、それではロードコンディションに大いに左右されてしまいます。

そのため、通常のラジアルタイヤよりもスタッドレスタイヤに近い構造になっています。
しかし、スタッドレスタイヤとして作ってしまった場合、犠牲となる燃費性能が大きすぎることとブロック化したトレッド面がパターンノイズの塊となってしまうという問題を抱えてしまうのです。

そこで、肩部はブロック化させることでロードコンディションを問わない走破性を持たせ、中央部はオンロードでの走行性能を確保できるようにストレートタイプの設計となっているのです。

さらに、接地面の変形を抑制するために下地のバンドの順番を変えていて、高速走行時の安定性を向上させています。

街乗りばかりではないあなたには最高のチョイスとなるでしょう。

GRAND TREK MT2

このタイヤは正に遊びの王道といえるでしょう。
ブロックタイヤらしさを大々的に全面に押し出しているGRAND TREK MT2です。

ブロックタイヤで勘違いされがちなのですが、雪上コントロール性は基本的に良くありません
接地面を見ると分かるのですが、溝が大きく取られているだけのスリックタイヤなのです。
PT2に比べれば、雪上コントロールはまだしやすいといえますが、スイスイ軽快に走行できるレベルではありません。

細かな筋目が入っているわけでもなく、グリップ力を高められるように設計されているタイヤではないのです。

MT2のメインステージはオフロードです。
特にマッドステージには絶大な威力を発揮します。

MT2には2つのラインナップが用意されているのがありがたい特徴です。
オンロードでも扱いやすいワイドタイプ、マッドステージを思い切り楽しむためのナロータイプです。

ハッキリいって一般向けのタイヤではありません。

乗り心地・静粛性ともにかなり悪いです。 しかし、そんなものはこのタイヤに求めてはいません。

とにかくどんなところでも自動車で走り抜けたいと考えられるクレイジーな人種であるからこそ選びたいタイヤなのですから。

どんな時でも自動車はパートナーだというあなたにはピッタリのタイヤです。

3.スポーツタイヤのマッチング

誰よりも速く、誰よりも軽快に、自分のイメージを走りに乗せる。
それを実現したいあなたのためのダンロップが誇るスポーツタイヤ。

それがDIREZZAです。

DZ102

セダン・スポーツ・コンパクトカーに推奨されているスポーツタイヤです。
レーシーな超高速走行ではなく、あくまでもスポーティーな走りを楽しみたいというあなたのためのタイヤです。

極端なグリップ力があるわけではなく、ロングライフ性能もしっかりと考えられた長く楽しめるタイヤとなっています。

通常スポーツタイヤというと、グリップ力の高さからベタベタという独特なパターンノイズが発生するのですが、DZ102は中央部分のトレッドパターンを狭くすることで余分な空気を押し込めない工夫をしてあります。

意外にコンフォートにも使えるタイヤですが、コスト面で手を出しづらい上にスポーツタイヤとしても割り切れない半端者です。

わざわざ好んでチョイスしたいタイヤとまではいえませんが、ホイールサイズの問題をカバーできているスポーツタイヤがこれしかないので使おうかなという感じです。

ハッキリいって、私はこのDZ102をオススメはしません。
同じような乗り味を楽しみたいと考えた場合、私ならLE MAS Vを選ぶでしょう。

Z III

これぞレースタイヤといえるハイグリップスポーツタイヤです。
スポーツカーのためだけに作られたZ IIIは、潔いほどにスポーツ走行を楽しむことができます。

この手のタイヤは、表面温度が低い内のグリップ性能があまり見込めないのですが、初期グリップからしっかりとしたグリップ性能を発揮してくれるのが嬉しいポイントです。

もちろんブレーキ性能も良く、たとえウェットコンディションであっても安心して走行できる性能を持っています。
とはいうものの、ほぼスリックタイヤなのでアクセルの踏み過ぎには注意が必要です。

接地面積の多さは安定性の証です。
タイヤ中央部は、確実の路面を捉えられるように広く設計されています。

肩部の傾斜が強く、踏ん張るよりも自然なグリップによってスムーズなコーナリングを可能としているところも高評価です。

無理をしない設計はコントロールのしやすさが表れています。
シビアなスポーツタイヤはそれはそれで面白いのですが、安心して運転することができるZ IIIは、今スポーツカーに履かせたいタイヤです。

4.まとめ 私がイチオシのダンロップタイヤ

今回ご紹介する中で、何度か引き合いに出していたタイヤがあります。

そう、LE MANS Vです。
このタイヤ以外にイチオシしたいタイヤなどありません。

なぜなら、本当に走りやすさが心地良いからなのです。

基本的に同じならVEURO VE 303でもと思うかもしれませんが、ハッキリいってこれは好みです。

私は運転することが好きなので、自分にどれだけフィードバックをしてくれるのかでタイヤを選びます。
LE MANS Vは、正に運転手にフィードバックをしてくれるタイヤでした。

一方VEURO VE 303は、フィードバックすることすらなく静粛性を確保してくれるタイヤでした。
後部座席に座っているだけであればこちらを選んだでしょうが、私は運転がしたいです。

それならばスポーツタイヤの方がといいたいかもしれませんが、一般道を走行するのにスポーツタイヤは無用です。

LE MANS V

ダンロップタイヤはこれで決まりです。

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