もうずいぶん前のことになってしまいましたが、一時期、「エコカー減税」という言葉がテレビや新聞をしきりににぎわしていました。
エコカー減税の定義について、たとえば大手自動車メーカーのホンダの公式サイトでは下記のように説明されています。
プラグインハイブリッド自動車、電気自動車などの次世代自動車や国土交通省が定める排出ガスと燃費の基準値をクリアした環境性能にすぐれたクルマに対する、自動車税、自動車重量税、自動車取得税の優遇措置です。
引用:本田技研工業株式会社ホームページ
どうやら、
「環境に優しいクルマを買うと、税金が安くなるらしい」
ということは伝わってきますが、これだけではまだ具体的なことがよくわかりません。
・クリアしないといけない排出ガスや燃費の基準値とは?
・税金が優遇されるとどのくらいのお得なのか?
・いつまで適用されるのか?
気になるのはこういう点ですよね。
それぞれ順に見ていきましょう。
(情報は2015年2月現在のものです)
排出ガスや燃費の基準値
国土交通省は、地球温暖化対策として自動車からのCO2排出量を削減するために、自動車の燃費性能の改善を推進しています。
その施策のひとつとして、自動車省エネ法に基づく燃費基準というものを定め、目標年度までにその基準をクリアするよう各自動車メーカーに求めているのです。
たとえば「平成27年度燃費基準+20%達成車」というステッカーが貼られたクルマを見たことがあるかもしれませんが、これは2015(平成27)年度までに達成すべき燃費基準を20%以上、上回っているという認定を受けたクルマであることを意味します。
一定期間経過ごとに、さらに目標値を上げた燃費基準が発表されるため、開発する自動車メーカーには多大な努力が要求されます。
もっとも、このような認定を受けることでエコカー減税の対象となったクルマは、経済的にお得であるためユーザーの人気が集まりやすく、そのため各メーカーは燃費性能の向上に日々余念がありません。
どのくらい減税されるのか
ひとくちにエコカー減税対象車の認定を受けているといっても、上述の燃費基準をどのレベルで達成しているかによって減免額が変わります。
たとえば「平成27年度燃費基準+20%達成車」であれば、
自動車取得税 → 全額免除
自動車重量税 → 全額免除
自動車税 → 75%免除
となっています。
ところが「+20%」のない、ただの「平成27年度燃費基準達成車」だと、
自動車取得税 → 60%軽減
自動車重量税 → 60%軽減
自動車税 → 減税なし
となっています。
自動車に関する税金はそれぞれが何万円もかかるもの。
取得税は購入時のみの出費で済みますが、重量税は車検のタイミングごと、自動車税にいたっては毎年払わなければなりません。
トータルコストとしてかなりの額になりますが、エコカー減税の適用を受けることでこれらの免除または減額が可能になれば、負担が大幅に軽くなるというわけです。
いつまで適用されるのか
2015年2月現在実施されているエコカー減税は、当初は取得税が平成27年3月31日まで、重量税が平成27年4月30日までで終了する予定でした。
しかし、2015年1月には国土交通省より2016(平成28)年度までの見直し・延長が発表されており、2015年4月よりリニューアルスタートします。
ただし!喜んでばかりはいられません。
適用されるのが「平成32年度燃費基準」という従来よりもさらに厳しい燃費条件となるため、減税対象となる車種や減税額がずっと少なくなってしまうのです。
最近はメーカー各社の努力もあって、SUVやミニバンのような比較的大きな車でも一部の車種については、取得税や重量税は免除、自動車税も最高割合の減額を受けられるほど燃費性能の高いものが開発・発売されるようになっていました。
しかし、それらの多くの車種が、2015年4月以降はいままでのような大幅減免の対象ではなくなってしまいます。
このあたりのことはこちらのページでも解説していますが、いずれにせよ、エコカー減税の恩恵を受けたい方は早めの買い替えが吉といえるでしょう。
エコカー減税はいつまで?2015年は対象車が大激減!はこちら