とうとう軽自動車にもハイブリッドシステムが導入されました。
その名もマイルドハイブリッド!!
ん?
マイルド?
あまり効果がなさそうなネーミングだとは思いませんか?
(大丈夫なのかな…)
と、とにかくマイルドハイブリッドシステムとは何かについて紐解いていきましょう!
もしかすると、心配する必要もないくらいパワフルなハイブリッドシステムなのかもしれませんよ?
1.マイルドハイブリッドシステムの概要
スズキ社が満を持して発表した軽自動車におけるハイブリッドシステム。
それが、「マイルドハイブリッドシステム」。
これは、ブレーキ時のエネルギーを発電のために使い、加速時にエンジンを電気的にアシストするという仕組みです。
でも、これだけを見れば、通常のハイブリッドシステムと何ら変わりはないような気もしますよね。
通常のハイブリッドシステムでも、エンジンのアシストは、小型とはいえモーターがしっかりと受け持ちますし、静粛性も高まるので何も問題ないように感じます。
一体どこがマイルドなのでしょう?
2.マイルドハイブリッドシステムのマイルドポイント
マイルドハイブリッドシステムは、モーターアシスト時間が最大30秒間だというポイントはマイルド評価するに値するのかと思います。
これは、緩やかな下り坂などでも発電のみにエンジンパワーを使えないということになります。
しかし、最もマイルド評価すべきポイントは、モーターサイズとバッテリー容量の小ささというところではないでしょうか。
現在のハイブリッドシステムは、短時間であっても電気自動車状態が可能です。
しかし、マイルドハイブリッドシステムの場合、エンジン回転数を上げる必要がないというだけで基本的には常にガソリンを消費しながら走行するシステムなのです。
確かに燃費アップにはつながるのかもしれませんが、そこまで大きな恩恵があるわけではないハイブリッドシステムだといえるでしょう。
では、なぜそんなシステムを世の中に送り出したのでしょうか?
仮にも社をあげて発表した画期的なハイブリッドシステムだったはずですよね。
効果が薄い状態での発表、それはデータ収集のためといえば間違いないでしょう。
新機構というのは、たくさんのデータをさらに煮詰めていくことで完成形を作り出していかなければならないのです。
いくらテストコースで走り込みを煮詰めたとしても、実際に日常的なストップアンドゴーの繰り返しや勾配の差などを踏まえていかなければ、より快適なシステムへと進化していくことができないのです。
一般販売できるレベルにまでは到達した。
だからユーザーに運転してもらってデータを集めてさらに煮詰める。
通常のハイブリッドシステムを組み込むにはサイズ的問題がある軽自動車ですので、これからどんどん進化させるためにはデータが必要なのです。
今後は電気走行が可能になるのか、燃料消費を極限まで0に近づけるガソリン車となるのか、はたまた進化をやめこのまま突き進むのか、マイルドハイブリッドシステム自体を廃退させるのか。
それはまだまだ分からないというのが正直なところです。
だからこそ楽しみなハイブリッドシステムなのかもしれません。
3.マイルドハイブリッドシステムの乗り心地
今回はたまたまスズキ ワゴンR FZグレードを運転する機会があったので、ちょっとだけ試乗インプレッションです。
当たり前ですが、外観的にハイブリッド車だという大きな違いはハイブリッドエンブレムが付いているだけでありません。
エンジンスタートも、従来通りのクランキング音が聞こえます。
では、早速走り出そうとブレーキから足を離した時に、その違いがわかります。
それは、「動き出しの軽さ」。
さすがはモーターアシストです。
エンジン回転の沈み込みでワンテンポ遅れて動き出していた従来とは違い、スッと自然に前に出ます。
これは信号待ちからの立ち上がりにも期待できます。
しばらく走行していて信号待ちに差し掛かった途端アイドリングストップ。
これは最近の標準ですね。
ここで気付きました。
これ、EV表示されてる‼︎
そうです。
マイルドハイブリッドシステムは電気自動車状態がないと上で説明したにも関わらず、電気自動車走行が可能なのです‼︎
クリープ走行の約10秒間ではありますが、電気走行が可能でした。
アクセルを踏み込むとエンジンが始動しますが、この10秒間は燃費に大きな影響を及ぼしそうです。
抵抗値100%からのスタートはガソリン消費がとても大きいですが、多少なりとも動き出してからのガソリン消費の方が負担が小さいのは明らかです。
メーター内で充電状態の確認ができましたが、正直忙しいと感じました。
充電効率が良いのか、それともバッテリーが小さいだけなのか、やたら消費と充電が繰り返されていることが気になりました。
その他気になるポイントもなく、通常の軽自動車だなぁという印象です。
モータートルクのおかげで燃費率が良かったということもあり、今回の試乗時の燃費は約27km/Lでした。
エンジン回転数が低く抑えられてはいましたが、これはカーボンが溜まりやすそうだなというの印象です。
早めのオイル交換が必須ですね。
燃費率を考えても、まだ時期尚早ですかね?と思います。
モーターサイズは現状のまま、バッテリーサイズが増えて電気走行時間がもう少し伸びてくれれば良いなと感じました。
4.まとめ 今後の軽自動車ハイブリッドシステムの進化に期待
今回はあくまでも短時間での試乗で、ハッキリしたところまで突っ込んだ内容は探れませんでした。
しかし、その中で感じたのはまだガソリン車で事足りてしまうのかなということでした。
ボディーサイズに制限があるので、より効率の良いバッテリーが搭載されれば特に不満は抱かない軽自動車になりそうです。
高速道路での非力さをモーターがアシストするには、モーターサイズを大きくする必要もあるでしょう。
まだまだ煮詰める部分が多いマイルドハイブリッドシステムですが、今後どのような進化をしていくのか楽しみです。