日常メンテナンスの基礎講座!タイヤの空気圧をコントロールしてエンジンの負担を減らそう | カーライフマガジン

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自動車業界の経験者が教える、他では聞けない「クルマの基礎知識」

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自動車のタイヤの空気圧は何キロ入れていますか?

そう聞かれて「はい、〇〇キロです」と即答できるでしょうか

ガソリンスタンドなどで気軽にサービスチェックを受けられるため、普段全く気にしていないという人もいます。

しかし、間違った空気圧で自動車を運転していると、場合によってはエンジンに負担が掛けてしまうということをご存知でしょうか?

1t(1000kg)前後もある車重を僅かな面積で支えているという重要な役割を持つ4本のタイヤ。

そのタイヤの空気圧が正常でなければ、乗り心地だけでなく車両やエンジンにも影響を与えてしまう事はあまり知られていません。

今回は、タイヤの空気圧がどのような影響を与えるのかをわかりやすく説明していきたいと思います。

1.タイヤの空気圧の変化が車両やエンジンに及ぼす影響

季節や道路の状況でタイヤの空気圧は常に変化しています。

乗ってすぐに分かる程大きな変化がある訳ではありませんが、直近の空気圧をチェックしたのがいつなのか分からないなら要注意です。

適正な空気圧でなかった場合、どのような影響があるのか、まずは以下の事例を見てみましょう。

•空気圧が低い

空気圧が低過ぎると、タイヤの接地面積が増える為転がり抵抗が増えます。

抵抗が増えるとアクセルを普段より余計に踏み込んでしまう事で、燃費に大きな影響を与えてしまいます

また、高速道路を走る際に空気圧が少なすぎると、タイヤの歪みが大きくなりスタンディングウェーブ現象を引き起こす原因となり大変危険です。

スタンディングウェーブ現象とは、タイヤが波状に変形(歪み)して熱を持ち、最終的にバーストしてしまう現象です。

タイヤの歪みはそれほど見えなくても、異常な振動を発生させてしまう恐れがあります。

その結果、エンジンや車体に負担を掛けてしまう事になってしまうのです。

•空気圧が高い

空気圧が高過ぎると、タイヤの持つ緩衝能力が低下します。

路面のうねりやギャップを吸収しきれなくなるのが原因

走行中、ゴツゴツとした乗り心地になるだけでなく、車両全体に振動を伝えてしまい自動車への負担が大きくなります。

タイヤの接地面積が少ないので、燃費は良くなるかもしれません。

ですが、空気圧が高過ぎる事でタイヤが緊張状態になり、以下のデメリットが出てきます。

 •ブレーキの効きが悪くなる  •カーブでグリップ性能が落ちる

 •衝撃傷を受けやすくなることで最悪破裂の恐れがある

2.振動がエンジンに与える影響

空気圧が高過ぎても低過ぎても振動が発生する原因となる事は説明した通り。

この振動がエンジンにとってどのような影響を与えるのでしょうか?

自動車のなかで最も振動を発生させる機関はエンジン

このエンジン内部のパーツが、スムーズに回転運動を行う事で燃費や出力そして乗り心地を最大限に発揮する事ができます。

車両を開発する際は、このエンジンの振動を最小限に抑えるよう様々な工夫を施しています。

そこに想定以上の振動が加わってしまえばそれぞれが悪い方向に共鳴してしまう事に。

その結果、回転抵抗が増える事で燃費が悪くなったり、音が大きくなったり…

エンジンの寿命自体を短くなる事に繋がってしまうのです。

エンジンオイルをチェックした際「マメに交換しているのに汚れるのが早いな」と感じることがあります。

その原因はタイヤの空気圧のせいかもしれません。

3.振動による車体のストレス

振動はエンジンだけでなく車両そのものにも影響を与える最も厄介なものだといえます。

一体どんな所に影響があるのでしょうか?

【ネジの緩み】

車は数万点にも上る膨大なパーツで構成されています。

そのほとんどが大小様々なネジで固定され、そのネジの最大の敵が振動です。

なぜなら、振動はネジの締め付けに対して大きな影響を与えてしまうからです。

もちろん、あらゆる技術を使って緩み防止を図っています。

しかし、思わぬ振動が原因でネジが緩み、パーツが落下した等の事例をかなり頻繁に耳にするというのが実情です。

【金属疲労】

「それなら全てのネジを思い切り締めておけば良いのでは?」と思ったら大間違い。

全てのパーツをガチガチに締め込んでしまうと、今度は振動や衝撃を受け止めたり逃がす事ができなくなってしまうのです。

そのストレスが集積された結果、ボディが金属疲労を起こすことで破損という結果をもたらしてしまいます。

弱い部分から曲がってしまったり、最悪はポキッと折れてしまうのです。

自動車は振動と常に向き合わなくてはならない為、全てのパーツのバランスが計算されています。

そして、全てのネジ締め付けトルク(締める力)は正確に管理されています。

それでもトラブルは起きてしまいます。

車検の際に検査官がハンマーで色々な場所を叩いてチェックしているのはこういう理由があるからなんです。

このように非常に厄介な振動に対して、様々な場所に柔らかいゴム素材を使って対策が施されています。

そのひとつがタイヤというわけなんです。

4.ドライバーや積載物にもストレスを与える“振動”という恐怖

大袈裟な見出しですが、実は昔から振動が人体に与える影響について、専門機関で研究が繰り返されています

様々な研究があるなかで振動はどのような影響があるものなのでしょうか?

例をあげてみます。

 •道路の段差や継ぎ目などを通過した際の不快感。
 •振動の大きさと継続時間は人体に影響を及ぼす可能性がある。

このように、普段何気ない運転中の【自動車が与える振動】について、専門機関では日々研究が行われています。

そして、振動は人体に影響を及ぼす代表なのが、振動による腰痛。

人体では、主にストレスや身体に与える影響ですが、振動が与えるものはそれだけではありません。

精密機械の運搬では、自動車が与える振動で故障しないように厳しい基準が設けられています。

もちろんタイヤが全てではないのですが、万が一タイヤの空気圧が規定量でない場合はその影響はあると言えるでしょう。

5.メーカー指定の空気圧を守れば快適なのか

一般的な乗用車はおおよそ4~5人乗り

最近人気のミニバンの中には8人乗りという車種もあります。

ここで一度考えてほしいのは、あなたがマイカーをどのような使い方をしているのか?という事です。

平均的な大人の体重を仮に60kgだとするとあなた一人で運転するときは60kgの負荷。

定員が8人の場合では、総重量が大きく変化します。

60kg×8人=480kg

上記でわかるように、タイヤへの負荷が大きく変わってしまうという事です。

これにキャンプなどで大量に荷物を積んだ場合はさらに負担が大きくなります。

その他、長距離を走る場合もあります。

自動車は様々な使い方が出来るという非常に便利な一面も持っています。

それだけに利用条件も多様、つまりタイヤに掛かる負荷も条件によって様々だという事を理解しておくべきです。

あくまでもメーカー指定の空気圧は平均値。

各々の使用条件によって変化する為、専門店などで適切なアドバイスを受ける事をお勧めします。

まとめ タイヤの空気圧は自動車の寿命に関わる大事なメンテナンス項目

タイヤは常時適正な空気圧を保てているわけではありません。

空気圧に関する詳細は、日本自動車タイヤ協会(JATMA)が空気圧毎の適正負荷能力という規格を発表しています。

走行毎にその時の条件に合わせてマメに設定する事で、無用なトラブルを最小限に抑えられるということです。

自動車という「走る鉄の塊」は、便利な反面、時に信じられないような事故を起こしてしまうことも事実です。

有名なキャッチコピーで「タイヤは命を載せて走っている」というものがありますが、振動だけでなく運転操作に大きな影響を及ぼすのが、タイヤの空気圧です。

給油のついでに、たったの5分間だけで良いのです。

自分でできなければスタッフなどに頼めばいつでもやってくれます。

あなたと大切な家族の笑顔を守るために、空気圧をチェックを日常メンテナンスに組み込むことをオススメします。

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