あなたの家族は大丈夫?高齢ドライバーの免許返納問題 | カーライフマガジン

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近年ニュースで取り上げられることの多い、高齢者ドライバーの自動車事故。

社会全体の高齢化にともない、加齢による運転能力低下が原因とみられる自動車事故が増えています。

そんな近年において、高齢ドライバーの免許返納が話題となることも少なくありません。

「高齢者は運転免許証を返納するべきではないか」とする声が高まっており、一つの社会問題となっているのです。

ただ、いきなり「免許証を返納しろ」といわれて困るのは、高齢者ドライバー自身にほかなりません。

生活に車が欠かせない高齢者も多く、「歳をとったら免許証を返納するべき」と単純にいえないのが現実です。

はたして高齢になったドライバーは、運転免許証をなるべく早く返納するべきなのでしょうか。

本文を一読して、その是非を判断してみてください。

■現実に起こっている高齢者ドライバーの自動車事故

高齢者ドライバーの免許返納の是非を問うために、まず現実に起こっている自動車事故に目を向けてみましょう。

一般的な自動車事故の多くは交差点で発生していますが、高齢者ドライバーの関わる事故も例に漏れません。

たとえば2014年6月に北海道で起こった事故も、交差点内で発生しています。

このとき車を運転していたのは、当時75歳だった女性ドライバー。

この女性が運転するRV車が交差点を右折しようとしたところ、前方から直進してきた乗用車と衝突しました。

衝突の弾みで、乗用車は近くを通行していた自転車を巻き込みながら電柱に激突。

乗車のドライバーと同乗者、および自転車に乗っていた高校生が死亡する大事故となってしまいました。

この事故の発生時、女性ドライバーは直進してくる対向車に気付いていなかったようです。

多くの高齢者ドライバーは、若いころと比べて運転時の判断能力が低下しています。

上記の北海道で起こった事故は、判断能力低下が招く危険性を示す一例といえるでしょう。

●交差点以外でも事故は多発している

高齢者ドライバーが自動車事故を起こす場所は、交差点内だけではありません。

たとえば2014年4月には、68歳の夫が運転する車が駐車場内で妻をひいて死亡させる事故が発生しています。

このとき夫は、妻の誘導に従って車をバックさせていました。

しかしアクセルとブレーキを踏み間違えてしまい、結果的に妻をひいてしまったのです。

このようなアクセルとブレーキの踏み間違えによる事故は、場所を問わず多数発生しています。

郵便局やコンビニエンスストアに車が突っ込むケースも多く、死傷者が出ることも少なくありません。

このほかに高齢者ドライバーが起こしやすいのは、カーブでの単独事故や信号の見落としなどによる事故です。

また、思い違いや混乱による事故が多いのも、高齢者ドライバーの特徴といえます。

2016年2月に、80代のドライバーが起こした事故をご存知でしょうか。

このドライバーはときおり逆走を行いつつ、高速道路内を2時間もの間行ったり来たりしていました。

その結果、接触事故や追突事故が発生。

多くのドライバーを巻き込む事件に発展しました。

このドライバーは、どこを走っているのか自分でわからなくなっていたそうです。

以上のような事故は、どんな高齢者ドライバーにとっても人事ではありません。

次節では、こうした事故が起こる背景にあるものに迫ってみましょう。

■高齢者が起こす自動車事故の背景にあるもの

警察庁の運転免許統計によると、2015年末時点での全国の運転免許保有者数は約8,215万人となっています。

そのうち高齢者ドライバーが占める割合は、実に20%以上。

65歳以上の運転免許保有者数は、約1,710万人に上っています。

こうして数字にしてみると、高齢者ドライバーの数の多さがよくわかりますね。

しかし、数多くいる高齢者ドライバーたちは、全員運転に適した健康状態をキープしているのでしょうか。

残念ながら、そうではないようです。

じつは、高齢者ドライバーの30万人から75万人程度に、認知症の疑いがあると考えられているのです。

「認知症の人ってそんなに多いの?」と思うかもしれませんね。

その疑問に対する答えはイエス。

ドライバーに限らず、認知症を患う高齢者はかなりの数に上っているのが現実です。

なんと65歳以上の4人に1人が、認知症あるいはその前段階である軽度認知障害の症状があるとされているのです。

また軽度認知障害の方の10%?15%が、1年の間に認知症に移行するとされています。

今後も認知症を患う方が増加する可能性は、かなり高いといえるでしょう。

こうした現状を踏まえると、高齢者ドライバーに認知症を患っている方が多いと考えるのは自然です。

もちろん、高齢者ドライバーの関与する自動車事故が、認知症以外の原因で起きるケースも少なからずあります。

先の女性ドライバーの事故の話で触れた判断能力の低下や、動体視力の低下なども事故の原因としてあげられるでしょう。

とはいえ、高齢者ドライバーが起こす自動車事故の背景にあるものとして、認知症は無視できません。

このことがわかったうえで、私たちはどんなアクションを起こせばよいのでしょうか。

●周囲が認知症をいち早く察知する

身近な高齢者ドライバーの事故を防ぐには、いち早く認知症の症状に気付いてあげることが肝要です。

たとえば使い慣れた自動車を何度もぶつけたり、自宅近所で道を間違えたりといった行動が見られたら、認知症を疑ってみてください。

駐車や車庫入れが下手になった、といった基本的な運転技術に関する傾向も要チェックです。

どんな方でも、なかなか自らの認知症には気付けないもの。

身近な高齢者ドライバーに重大事故を起こさせないためにも、認知症の症状はいち早く察知するように努めましょう。

■運転免許証の返納を促そう

身内に高齢者ドライバーがいて、その人に認知症などの症状が出ている場合、家族はどんな行動をとればよいのでしょうか。

できればドライバー本人が危険に気付いて、率先して免許証を返納してほしいところですね。

ところが、返納するどころか「死ぬまで車の運転はやめない!」と言い張るドライバーも少なくありません。

そんな高齢者ドライバーに対しては、ご家族が積極的に免許証の返納を促すべきです。

家族からの説得に応じない場合は、知人やヘルパーさんなどに話をしてもらうのもよいでしょう。

頑固な方も、普段お世話になっている人の助言には耳を貸すものです。

なるべくドライバー本人が納得する形で、運転免許証の返納へと導いてください。

●ときには強硬手段に出ることも必要

どれだけ周囲が説得しても、車の運転を止めようとしない高齢者ドライバーもいることでしょう。

そんな方に対しては、強硬手段に出る必要があります。

たとえば、車のカギを隠してしまうのも一つの手。

強制的に車に乗れない状況を作れば、家族の真剣な気持ちに気付いてもらえるかもしれません。

もし家族の気持ちに理解を示してくれるようであれば、車の売却を打診するのもよいでしょう。

肝心のマイカーがなくなれば、自ずと運転への未練も断ち切れるはずです。

以上の手段は、ちょっと強引なやり方かもしれませんね。

しかし、ご家族が大事故を起こしてからでは、取り返しがつかなくなってしまいます。

家族の安全を守るためには、ときに心を鬼にすることも必要なのではないでしょうか。

■まとめ

以上、高齢者ドライバーの起こす事故や、その背景にあるものをご紹介してきました。

みなさんは、本文を読んでどんな感想を持たれたでしょうか。

記事の結論としては、高齢者ドライバーに免許証を返納することをおすすめしています。

もちろん、この結論に異を唱える方も大勢おられるでしょう。

「車がなくなったら買い物難民になってしまう」といった声も聞こえてきそうですね。

たしかに、車がないと生活が成り立たなくなる方も大勢いるはずです。

この点を踏まえると、免許証返納だけにスポットを当てて問題の解決を見出だそうとするのは無理があるかもしれません。

とはいえ、高齢者ドライバーの事故が重大な問題となっていることも事実。

交通社会全体を視野に入れつつ問題解決に取り組む姿勢が、私たちに求められているのではないでしょうか。

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