結論から言えば、1年の中で他の時期に比べて買取額が高くなるタイミングというのはあります。
たとえば、多くのディーラーにとって決算の近い2~3月頃は、買取額が比較的高くなる時期としてよく知られています。
ディーラーとしては、税金対策のために今期中の経費として処理したいからというのが理由です。
また、新生活に備えて4月手前に購入者が増える時期だからというのもありますね。
逆に、4月に入ってしまうと需要も落ち着くので買取価格は下がってしまう傾向にあります。
次に、夏のボーナス後も買取価格が上がりやすいと言われています。
ボーナスが支給されると財布に余裕ができ、新たに車を手に入れたいという人が増えます。それに備えて、中古車ディーラーは在庫を確保しておきたいから、通常より多少高い価格で買い取ることが多いんですね。
値上がりのタイミング
決算やボーナスのタイミングで買取額が上がるのは、あくまで一般な話。
一口に車といってもいろいろあり、車種によって値上がりのタイミングというのも違います。
たとえば、オープンカーだったら春~夏の暖かい時期に高くなり、逆に寒い時期には買取額が下がるというのはわかりやすいですね。
他には、さきほど新生活に備えて4月手前は購入者が増えると述べましたが、この時期とりわけ需要が高くなるのが軽自動車やコンパクトカー。
高校を卒業し、免許をとった若者がまず手に入れる車としてお手頃ですからね。大学進学や就職で車が必要になるからという人も多いです。
人や荷物がたくさんをたくさん載せられるワゴン車や、アウトドアで活躍するオフロード車の場合は、キャンプやスキーの季節である夏・冬の手前に需要が高くなって値上がりする傾向がありますね。
逆に、季節の移り変わりに関係なくこのところ年間を通して需要が高いのがハイブリッド車。
ハイブリッド車=燃費が良いというイメージがすっかり定着し、ハイブリッド車ならなんでも!という人までいるくらいです。
あと、これはどんな車種についても言えることですが、モデルチェンジが行われると、いま乗っている車は旧型扱いになって買取額が下がります。
だいたいどの車も4~6年でモデルチェンジすることが多いですから、いまのモデルが発売からどのくらい経過しているか把握しておき、モデルチェンジの公式発表などの情報には注意しておきましょう。
また、同型のライバル車のモデルチェンジにも気をつけたほうがいいですね。
ライバル車の新型モデルに乗り換える人が増えることで市場に旧型の中古車が増えるため、供給が増えて買取額が下がるのです。
自分の車の情報だけをキャッチすればいいわけではないんですね。
車検は通す?
車検が近い車を売りたいなと思った時に迷うのが、車検を通してから売った場合と、それとも車検を通さずに売った場合でどちらが結果的に得になるのかという点ですね。
仮に車検を通したとしても、買取業者が査定額に車検代以上の額を盛り込んでくれなくては結局は損ですから。
結論から言えば、車検代以上に査定額がアップすることはありません。
なぜなら、私たち一般ユーザーは通常の価格で車検を受けるのに対し、一般的に買取業者は自社や関係先の整備工場で相場よりも安く車検を通せるので、彼らからすれば私たちがわざわざ車検を通しておいたところで、かかった額以上を買取額に含めて提示する理由がないんです。
ですから、車検を通してから売る必要はないと言えます。
高くなる時期まで待ったほうがいい?
以上のように、車の買取額には時期や車種によって変動があるわけです。
じゃあ高くなるタイミングまで待つのがいいのかというと、必ずしもそうではありません。
待っている間にも、あなたの車の価値は着実に下がっていくからです。
走行距離はどんどん増えていきますし、時間が経てば年式も古くなる。
「3月に売るのを狙って待っていたけど、半年前の9月に売っておいたほうが高く売れたはずだった!」
そんなことは珍しい話ではないんです。
だから車を売ろうかなと思い立ったが吉日、まずは見積もりだけでもやってみて、いまだったらどのくらいで売れるのかを把握しておくといいですね。