燃費チューニンググッズ批評 ~元プロメカニックの視点から~ | カーライフマガジン

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自動車業界の経験者が教える、他では聞けない「クルマの基礎知識」

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電気自動車、ハイブリッド自動車、水素燃料自動車と、世の中は空前の省燃費自動車ブームの波が押し寄せ続けています。
しかし、そんな中でも確実に燃料消費はあなたの家計を圧迫しているはずです。

1mでも長く距離を稼ぎたい、1ccでも少なく燃料消費を抑えたい、それがあなたの正直な気持ちではないでしょうか。

今回は、あなたがきっと気になってはいてもいまいち信憑性がないと感じているであろうアイテムについての情報です

まずは【エコタイヤ】について、次に【フェライトコア】について、最後は【ガソリン添加剤】について、それぞれの特徴と信憑性について、プロメカニックとしての見地から考えてみたいと思います。

1.エコタイヤは本当に燃費アップにつながるのか?

あなたもエコタイヤという単語を一度は耳にしたことがあると思います。 しかし、いったいどのような効果によってエコタイヤが省燃費に貢献しているかという部分は理解しきれていないかと思います。

むしろ、実際に省燃費につながるのか疑っているのではありませんか?

結果からいえば、エコタイヤは省燃費につながると断言できます。

タイヤに求められる性能の第一課題はグリップ力です。
とても高価でハイスペックなものになるほど、柔らかくグリップ力の強い走破性に優れたものになっています。

しかし、その反面寿命が短く、グリップ力が強すぎることで走行抵抗となってしまう一面もあるのです。
このグリップ力に負けないようにアクセルを踏み込むことで、スポーツタイプの自動車などはポテンシャルの全てを路面に伝えるように走行しています。

省燃費とは真逆の性質です。

エコタイヤは、性質の違うゴムを組み合わせることでグリップ力の強さを部分ごとに変えることでタイヤの寿命を延ばしています。

具体的には、接地面にはやや固めの性質を持つゴムを配し、若干グリップ力を犠牲にしながらも走行抵抗を減らすことができるため走行可能距離を延ばすことができます。
さらに、コーナリング中に横滑りしないように肩部のゴムは柔らか目のグリップ力の強い性質を持つものを配されています。

製造段階でタイヤ自身の重心にも気をつけているため、偏った転がり方をしないのも特徴的です。
良くいえばフラットな走行性能をあなたに与えてくれるのがエコタイヤです。

逆に、面白味のないタイヤであるとも捉えられますが、エコタイヤを率先して取り入れる車種の多くはファミリーカータイプの自動車なので、スパイシーな乗り味はあまり必要ないかと思われます。

また、衝撃吸収性や制震性にも優れているため、車内のストレスを緩和することもできるのです。

エコタイヤが省燃費走行につながるのは、【走行抵抗の少なさ】【転がりやすさ】のおかげです。

そして、忘れてはならないのが重さです。
「エコタイヤは軽い」ということを知っておいてください。

バネ下重量という言葉をご存知でしょうか。
足元が軽ければ動きやすいという原理ですが、自動車の場合サスペンションより下に設置されるパーツが軽ければ運動性能がアップするという特性があるのです。

そのため、エコタイヤは性能を維持できる範囲で軽量化されているのです。

エコタイヤの省燃費につながる信憑性は、元プロメカニックとして私がここで保証させていただきます。

2.フェライトコアは本当に役に立つのか?

まずはフェライトコアについてご説明致します。

フェライトコアとは、簡単にいってしまえば磁気フィルターです。
それも、電気的なノイズを吸収し熱に変換することでノイズを除去するというアイテムになります。

ノイズが発生したまま状態ですと、フューエルパイプや電気の通路には磁場が入り乱れた状態で発生してしまいます。
目に見えるものではありませんが、この磁場は電気や燃料の流れを妨げる障害となってしまうのです。

その障害を取り除くことができるアイテムが、このフェライトコアです。

では、フェライトコアが実際に燃費向上につながるアイテムなのかという疑問です。
たとえ発生してしまった磁場を除去することができたからといって、それが燃費につながるものでないのであれば、燃費アップアイテムとして紹介されているのは間違いです。

専門的に考えますと、磁場がなくなることで燃料の流れが良くなり規則正しい圧送を行えるようになります。
電気の流れも同様に、フェライトコアの間を通過する際に電子を整流されるため、高効率での送電が可能となります。

しかし、正直なところこれだけで絶対的な燃費アップにつながるとはいえません

燃料の圧送については、デリバリーパイプ内の燃料圧力をプレッシャーレギュレーターという制御弁で常に調圧しています。
そのため、フェライトコアによって燃料噴射量が変化したりという事実は一切ありません。

あえて擁護するのであれば、燃料が帯びている電子を整流することで落ち着いた燃料を圧送することができるといったところでしょう。

電気の流れによる燃費アップついても、完全にフェライトコアの恩恵を得られているとはいえません。
スパークプラグの発生する火花は、整流された電気だからといって強いものになるわけではありません。

電圧と電流の強さによってはより威力のある火花を飛ばすことはできますが、設定値以上の火花が飛べばスパークプラグは壊れてしまいます。

つまり、フェライトコアが燃費アップへのカギという事実はないのです。

しかし、意味を持たないアイテムだといっているわけではありません。
フェライトコアは、自動車にとって確実な情報をフィードバックするためになくてはならないアイテムだからです。

電気の流れの中で磁場が発生してしまうとご説明致しましたが、この磁場によって各センサーからの情報が100%正確な状態でコンピューターへとフィードバックすることができないのです。

たとえ1%未満での誤差だったとしても、確実な情報を基に自動車を走行させられないのであれば燃費への影響は確実にあります。

この観点からいうのであれば、フェライトコアは燃費アップに関係するといえなくもありませんが、アップではなく正常値を維持することにつながるアイテムだと私は判断しています。

3.ガソリン添加剤はどれだけの効果を発揮してくれるのか?

とてもオカルト的なアイテムの1つでもあるガソリン添加剤ですが、冒頭から断言致します。

ハッキリ言って効果はあります。

絶大なものとまではいえませんが、ガソリン添加剤を投入することで燃費アップは確実に体感することができます。

ガソリン添加剤の狙いは【燃焼促進・洗浄・潤滑】なのですが、選ぶアイテムを間違えなければこの3要素をしっかりと満たしてくれます。

ただし、1つ限定条件がありまして「既に数万kmの走行をしている自動車」である必要があります。

新車でこれから走りだそうとしている自動車に投入したとしても、正直効果は微々たるものです。
燃料自体を燃えやすくしてくれるという意味では効果を発揮してくれますが、元々綺麗な状態のため一番効果を体感できる洗浄というポイントを満たしてくれません。

自動車の燃焼サイクルで必ず発生するのがカーボンです。
厄介なことに、このカーボンはエンジン内部全体に焼き付いて少しずつエンジンの動きを妨げていくのです。

これを添加剤の成分で剥がし、燃焼促進効果で燃やし尽くし排出するのです。

カーボンが剥がれた部分というのはエンジンオイルが回っていないため、そのままの状態で燃焼サイクルを繰り返すと最悪の場合焼き付きを起こしてしまいますが、ガソリン添加剤に潤滑効果があるため円滑な燃焼サイクルを得ることができます。

ガソリン添加剤は、それ自身だけでも充分な効果を発揮してくれはするのですが、より強大な効果を望まれる場合は、同時にエンジンオイル全量交換することをオススメ致します。

エンジンオイルだけを交換するのではなく、オイルフィルターも同時に交換することでエンジン内部の清浄性を上げ、ガソリン添加剤の洗浄効果を遺憾なく発揮させることができるのです。

4.まとめ.信じることから始まる燃費チューンアイテムの真理

ほとんどの燃費アップチューンは、ユーザーが自己満足のために手を付けているものと思われがちです。
しかし、中身をしっかりと理解していくと決して無駄なものばかりというわけではありません。

確かに、誇大広告されている部分もあります。
アイテム投入をした結果、わかりやすく数字的に結果が得られないものも多く存在するのは否めません。

ですが、失敗を恐れていては成功を手に入れることができないのも事実です。
商品レビューに頼った安心感では、いざ使用した際に思った通りの効果を得られないと、腹立たしくもなりそのアイテムの製造メーカーすらも信用できないという悪い風が吹いてしまいます。

燃費アップチューンアイテムは、あなたが実際に試してみて初めて効果が分かるものです。
失敗を恐れずに、あなたが興味を惹かれたアイテムは是非手にとって確かめてみて欲しいです。

もしかすると、周りの評価の悪いアイテムでもあなたの愛車にはピッタリとマッチングするアイテムがあるかもしれません。     ■チューンナップやメンテのことをもっと知りたい方はこちら!■  

     

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