最近ではLEDヘッドライトが搭載された車が多くなってきました。
「LEDヘッドライト」と聞くと、なんとなく最新装備で、LEDヘッドライトかどうかを車の購入時の判断ポイントにしている方も多いのではないでしょうか。
筆者の愛車もLEDヘッドライトを搭載していますが、LEDヘッドライトとはどんなものか使用感も踏まえて解説したいと思います。
LEDヘッドライトのメリットとは
LEDヘッドライトとは、その名前の通りヘッドライトの光源がLEDのものです。
ヘッドライトはこれまで、「フィラメント球」⇢「HID」⇢「LED」と言う変遷をたどってきました。
では、LEDヘッドライトのメリットとはどんなところにあるのでしょうか。
(※この記事では、ヘッドライトバルブ交換式のLEDライトではなく、メーカー出荷時からLEDヘッドライトを搭載しているものを対象としています)
LEDヘッドライトは球切れがない
LEDヘッドライトの寿命は長く、数年どころか10年以上の耐久性があると言われています。
一度購入したら車を廃車にするまでほぼヘッドライトが切れる事はないということになります。
一瞬で明るくなる
HIDのヘッドライトは明るいのですがライトのスイッチをONにしてから明るさが安定するまでに数十秒の時間がかかります。
しかし、LEDヘッドライトならライトのスイッチをONにした瞬間から最大の明るさを得ることができます。
省電力である
LEDヘッドライトは省電力だと言われていたHIDよりもさらに省電力を実現しています。
昨今では車にはさまざまな電装部品やコンピューターが搭載されているため、より電力消費が少ないLEDヘッドライトを積極的に使うという一面もあるようです。
配向特性を細かく変更できる
Audiなどが上級車に採用している「マトリクスヘッドライト」はたくさんのLED発光素子からなり、それらのON/OFFを細かく調整することによって、対向車や歩行者に配慮した光の配光を調整してくれます。
(※この機能はLEDヘッドライトを搭載した車全てについているものではありません)
LEDヘッドライトのデメリットとは
では、LEDヘッドライトのデメリットとはどのようなところにあるのでしょうか。
良い事ずくめに見えるLEDヘッドライトに弱点はあるのでしょうか。
あまり明るくない?
LEDヘッドライトはHIDのヘッドライトと比べて格段明るいというわけでもありません。
また、LEDの特性上光の波長が短く青っぽい光になりやすいために、雨の日の視認性はHIDやハロゲンと比べると劣ると感じる事があります(個人的な感想です)
パッシングができない?
これは私の車(ゴルフ)だけかもしれませんが、ヘッドライトを上向きにするとユニット自体が上に動くような感じで、ゆっくり上向きになります。
ハロゲンやHIDランプのヘッドライトのように瞬時に切り替わらないように感じています。
特にパッシングをしたいときにゆっくりライトが動くので個人的には「これはパッシングになっていない」と感じます。
ヘッドライトユニットが壊れると費用が高い
LEDヘッドランプユニットはハロゲンやHIDヘッドライト違い、バルブに相当するLED発光素子がヘッドライトユニットに固定され、交換できないものがあります。
その場合はヘッドランプユニットごとの交換になりますし、できたとしてもLEDの発光部分自体が高価なことが多いので、壊れると修理費用が高く付くことが多いようです。
雪に弱いLEDヘッドライト
LEDヘッドライトが発する光は、青色に近い波長の短い光です。それに比べるとハロゲンやHIDヘッドライトは、波長の長い赤や黄色に近い色です。
光の波長が長くなると光線自体に熱を持つので発光と同時に発熱します。
そのため、熱でヘッドライトについた雪を溶かすことができるのです。
しかし、LEDの光は波長が短いため、発光しますが熱を持つことがあまりありません。
また、ユニット自体の消費電力も少ないために更に熱が少なく、ハロゲンやHIDヘッドライトでは雪が自然に溶けるのに対して、LEDヘッドライトでは雪が溶けないと言われています。
結局LEDヘッドライトは良いのか悪いのか
筆者の感想では、LEDヘッドライトについては、配光特性をかなり細かく変更できるAudiやレクサスの上位車種のようなものであれば、価値があるかと思います。
しかし、そうでなく普通のヘッドライトとしてLEDを使うにあたってはメリットとデメリットがあるように感じます。
LEDは消費電力が少なく、電力消費の多い現在の車にとって省電力というメリットがありますが、普段あまり感じることはできないでしょう。
もし、これから買おうとしている車がLEDヘッドライトが標準装備なら良いのですが、あえてオプションでLEDヘッドライトをつけるのであれば、別のオプションを選択した方が良い場合もあると筆者は考えます。
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