自動車業界の経験者が教える、他では聞けない「クルマの基礎知識」
できれば車の税金を安くしたいと思っている人は多いと思います。
しかし、税金は必ず支払わないといけないものだからと諦めている人もいるのではないでしょうか?
実は、車の税金をどれくらい支払わなければいけないかは、最初の車選びで大きく変わってきます。
そのため、税金を安くしたいのであれば、どのような車を選ぶのかが、非常に重要です。
そこで今回は、元ディーラー営業マンである筆者が、税金を安くするためのマル秘テクニックをお伝えします。
車に関わる税金の種類
車を所有することで支払わなければいけない税金は、次の3つです。
・自動車税 ・自動車重量税
・自動車取得税
自動車税
自動車税とは、4月1日の時点での車の所有者に課せられる税金です。 自動車税は排気量の大きさによって税額が決められています。
ただし、軽自動車は排気量に関係なく一律で10,800円(2015年4月以降に登録された車の場合)と決まっています。
自動車重量税
自動車重量税は、車の重量によって税額が定められています。
車の購入時や車検時に、車検有効期間分の税金をまとめて納付します。
自動車取得税
自動車取得税とは、自動車を取得する際にのみ課せられる税金です。
車の購入金額によって税額が変わってきます。
車の税金について、もっと詳しく知りたいという人はこちらの記事がオススメです。
税金を安くするための車選びのポイントは「排気量」
車の税金で、最も大きなウェイトを占めているのが「自動車税」です。
そのため、自動車税が安い車を選ぶことで、税金を節約することができます。
自動車税は排気量の大きくなるにつれて税額が高くなっていくので、排気量の少ない車を選ぶことが大事です。
例えば、排気量が2.0リットルを超えるような車は45,000円の自動車税がかかりますが、1.5リットル以下の低排気量の車であれば、自動車税は34,500円で済むので、1万円以上も節約することができます。
さらに軽自動車は一律で10,800円となっているので、2.0リットル超の車と比べて3万円以上の節約です。
排気量の少ない車は、比較的車両重量が軽い車が多いので、自動車重量税も安くなりやすいというメリットもあります。
ただし、排気量の少ない車を選ぶといっても、1.5リットルの排気量よりも1.2リットルの排気量の車を選べば税金が安くなるのかといういうと、そうではありません。
自動車税は、0.5リットルごとに税額が設定されているので、1.5リットルと1.2リットルの排気量では税額は変わらないからです。
税金を安くできるエコカー減税
税金を安くするために、もう1つの重要なポイントが、エコカー減税の対象車種を選ぶことです。
エコカー減税とは、優れた環境性能の車は税金を優遇するという制度です。
エコカー減税の対象となっている車は、「自動車税」「自動車重量税」「自動車取得税」のそれぞれで減税または免除措置を受けることができるので、税金を安くすることができます。
エコカー減税は、国土交通省によって定められている燃費基準を、どれくらい上回っているかで、減税率が変わってきます。
そのため、エコカー減税の対象となる車でも、車種によって税金のかかる金額が大きく違ってきます。
電気自動車やプラグインハイブリッド車などの次世代自動車は、ガソリン車に比べて減税率が優遇されているのでおすすめです。
減税率が高い車は、それだけ燃費性能にも優れているので、より維持費がかかりにくくなります。
2017年度からエコカー減税の内容が変わった?
ただし、注意が必要なことが、2017年度から適用基準が見直されたことです。
今回の変更で、エコカー減税の対象になるかどうかや、どれぐらい減税されるかが大きく変わり、実質的にエコカー減税は縮小されています。
これまでと同じ感覚で、エコカー減税が適用されることが当たり前だと思っていると、車選びに失敗してしまうかもしれません。
以前よりもエコカー減税の基準が厳しくなっているので、もしかするとエコカー減税の対象となっていない車種であったり、対象であってもあまり減税されない車種かもしれません。
また、同じ車種でも、グレードによって適用されるエコカー減税が異なるケースもあるので、注意が必要です。
車選びでは、車両本体価格やオプションの費用ばかりに目が向きがちですが、税金を安くしたいと思うのであれば、自分が検討している車が、どのようなエコカー減税の対象になっているのかをしっかりチェックしておきましょう。
エコカー減税の2017年度からの変更点については、こちらの記事で分かりやすく解説されているので、気になる人は一度目を通してみてください。
車は月初めに登録した方がお得って本当?
税金を節約できる裏技が、車の新車登録を月初めにすることです。
購入時に支払わなければいけない自動車税は、新車登録を行った翌月から3月までの月割り計算で算出されます。
そのため、月末よりも月初めに登録した方がお得です。
例えば、4月30日に登録するのと5月1日に登録するのでは、登録日で言えば1日の違いですが、購入時にかかる自動車税は1ヶ月分違ってきます。
特にミニバンやSUVといった排気量が大きくなりやすい車を選ぶ場合は、トータルの自動車税が高くなるので、たった1ヶ月分でも数千円の節約になります。
ただし、注意が必要な点が、特別低金利やオプションサービスといったキャンペーンは、期間中に車を登録しないとキャンペーン内容が適用されないケースがあることです。
税金を節約するために登録日を遅らせてしまうと、キャンペーン期間から外れてしまう場合は、月末登録になったとしてもキャンペーンを適用させた方がお得になるケースがほとんどです。
また、ディーラー側からすると、今月のノルマを達成できるかどうかの瀬戸際の場合、どうしても月末登録にさせて欲しいというケースもあります。
そういった場合は、あまり月初めの登録にこだわらない方が値引き交渉がしやすくなることもあるので、いつ登録した方が、トータルでお得になるのか見極めるようにしましょう。
ディーラーオプションの後付けで自動車取得税を節約できる?
実は、オプションを後付けにするだけで、自動車取得税を節約することができます。
自動車取得税は車の取得価格によって税額が変わってくるのですが、この取得価格には車両本体価格だけでなく、購入時に選んだオプション費用も含まれているからです。
ただし、全てのオプション費用が含まれるわけではなく、車の付加物と認められるオプションにのみ税金がかかります。
車の付加物と認められるオプションとは、ネジなどで車に固定する必要のある装備のことです。 そのため、製造過程で取り付けられるメーカーオプションは基本的に自動車取得税に含まれます。
ディーラーオプションでも、カーナビやETCといった装備は車の付加物とみなされます。
メーカーオプションは後付けすることができないので仕様がないですが、付加物と認められるディーラーオプションは購入時に付けずに後で付けることで、自動車取得税が節約することができます。
ヘッドライトをLEDに変更したり、エアロパーツを取り付けるなど、高額なディーラーオプションを選択したい場合は、ディーラーオプションだけ別会計にできないかディーラーに相談してみてください。
会計を別にすれば、納車までにオプションを取り付けたとしても、オプション分の自動車取得税を取られることはありません。
ただし、ディーラーによってはそのような対応をしていない可能性もあるので、まずはディーラーの営業マンに相談してみてください。
税金は工夫次第で節約できる!
新しい車を選ぶときに、車両本体価格や燃費ばかりを気にしがちですが、税金の安い車を選ぶことでトータルの購入代金や維持費を節約することが可能です。
ちょっとしたことでも税金が変わってくることがあるので、少しでもお得に車を購入したいと思っている人は、今回の記事を参考にしながら税金の節約にチャレンジしてみてください。
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