自動車のパーツ交換というととても敷居が高いイメージを持たれている人が多いのですが、意外と簡単に変えられて、自動車の性能アップにつながるパーツというのがあります。
そのうちの1つが、インテークエアフィルターです。
エンジン内に取り込む空気を清浄化するのが、インテークエアフィルターの役目です。
•メーカーが出している純正品
•サードパーティー製の社外品
大きく分けると、この2種類があります。
社外品の中には吸気量が増やせるものもあり、装着することで自動車の性能に影響が出ます。
インテークエアフィルターを社外品へ変更することでどのような効果が出てくるのか。
メリットとデメリットを理解した上でカスタムに臨みましょう。
1.インテークエアフィルターの役目は何?
エンジンを動かすには、燃料を燃やすための空気を取り込む必要があります。
インテークエアフィルターは、この空気を清浄化する役目を担います。
人間の目には見えませんが、空気中にはさまざまなホコリが漂っています。
ホコリだらけの空気をエンジン内に入れると、当然シリンダー内部ではカーボンの発生が促されることとなってしまいます。
空気中だけの問題であれば大きな問題にはなりませんが、仮に小石でも吸入してしまった場合、吸気系統からエンジンが破壊されてしまいます。
そのため、エンジンの状態を保つためあらかじめ空気からホコリなどを取り除く必要があります。
フィルターできちんと異物を除去し、シリンダーへの吸入気を常に清浄なものにすることで、自動車がストレスなく走行することができるのです。
インテークエアフィルターは消耗品であり、いつまでも交換しないと吸気力が低下してしまいます。
その結果として、以下のような事態を招いてしまいます。
•空気不足によるエンジンパワー低下
•アイドリングが安定しなくなる
エンジンルーム内でもインテークエアフィルターは目を惹くカスタムです。
力強い走行感はここの清潔度にも影響されるため、ポイントを押さえておきましょう。
2.社外品インテークエアフィルターのメリットは?
インテークエアフィルターを純正品から社外品に変更するメリットは、2つ考えられます。
•高回転域をパワーアップできる可能性があること
•カスタマイズに大きなコストがかからないこと
なぜこのようなメリットが生まれるのでしょうか。
❏高回転域パワーアップの可能性あり
エンジンを高回転域まで回して、気持ち良く走ることが好きだというドライバーは非常に多いです。
ただ、インテークエアフィルターの性能が低いと、吹け上がりはイマイチになります。
インテークエアフィルターを高性能の社外品に交換すると、吸気量が増え燃焼効率が高くなります。
吸気量が増えることで、高回転域のパワーアップにつながるのです。
エンジンは回転が速くなるほど、時間当たりの吸気と排気の回数が増えます。
このため、高回転域ではより多くの空気をエンジン内に取り込む必要が出てくるのです。
純正パーツよりも吸気抵抗が低く設計されている社外パーツをチョイスすることで、高回転域でエンジンが要求する吸気量をスムーズに取り入れられるようになるのです。
社外製のインテークエアフィルターは、大きく分けて2種類があります。
•メーカー純正と同じ形をしているタイプ(純正品置き換えタイプ)
•吸気量を増やすためにキノコのような形をしているタイプ(解放タイプ)
吸気量を増やして高回転域を延ばすことを目的とするのであれば、フィルターの役目を有しながらも極限まで吸気抵抗を減らすことができる解放タイプがオススメです。
❏コストがかからない
性能向上のためにパーツ交換をすると、カスタムポイントによっては数万円単位での導入コストが必要になってきます。
エンジン本体のチューニングだと、数十万円が必要になることも珍しくありません。
インテークエアフィルターを導入する際、大きなコストを必要としないことでカスタムの入門として手をつけるドライバーが多く存在します。
安いものだと数百円、高くても数千円程度の導入コストです。
少ないコストでエンジンの高回転域が延び、モアパワーに応えてくれるのです。
他のパーツの交換と比較して、コストパフォーマンスは抜群です。
ただ、解放タイプのインテークエアフィルターは純正品置き換えタイプより若干高めの価格設定です。
性能アップが期待できる分、その効果に見合った導入コストということです。
3.インテークエアフィルター変更にはデメリットも
では、社外品のインテークエアフィルターのデメリットは何でしょうか。
•低速トルクが低下すること
•ゴミが入りやすくなること
主なものはこの2つです。
なぜこのようなデメリットが生じるのでしょうか。
❏低速トルクが低下する
エンジンを高回転まで回し切るためには、多くの空気を取り入れることが必要となります。
ところが、低速トルクはエンジンルーム内の燃料濃度が濃いほど出やすくなります。
つまり、吸気量が絞れている方が良いということです。
今の自動車は燃料を電子制御しているため、燃料噴射量は安定しています。
吸気量を増やすことは、エンジンルーム内の燃料濃度が下がってしまうということなので、インテークエアフィルターを変えた結果、低速トルクはダウンしてします。
エンジンをフル回転させて高速域でのハイパフォーマンス重視であれば、このデメリットはさほど気になるものではありません。
トルク不足を補うほどのモアパワーを求めるドライバーが多いからです。
問題なのは、街乗りを中心に自動車を使う一般的な自動車の使い方をするドライバーです。
街中での運転は、高回転域を使うことなどほとんどありません。
そもそも、日本国内では高回転域を使うシーンなどほとんどありえません。
一般的な自動車の使い方では、低速トルクを活用する事ばかりです。
インテークエアフィルター変更によって削られてしまう部分なので、パワーを求めるわけではない一般車両には無用の長物です。
高回転域でのハイパワーを求める場合には気持ちの良い自動車
一般的な使い方をする場合には使いにくい自動車
インテークエアフィルターを換えると、このようなチューニング結果になりがちです。
ピーキーな自動車に乗りたい人ならともかく、一般的なユーザー向きではありません。
4.エンジンにゴミが入りやすくなる
インテークエアフィルターを設置していても、ホコリが全て取り去れるわけではありません。
少ないとはいえ空気中の汚れは残ってしまいますし、それにより発生しやすくなるカーボンがエンジンオイルを汚していきます。
キノコタイプのインテークエアフィルターは、純正品置き換えタイプより吸気量が大幅に増えます。
そのため、エンジンに入るゴミの増加にもつながってしまうというわけです。
フィルターを通しているため、エンジンの故障につながるような大きなゴミは入りません。
しかし、純正品の装着時と比較すると、エンジンが汚れやすくなることは間違いありません。
結果として、エンジンオイルの頻繁な交換が必要になってしますのです。
だからといって、エンジンオイルが汚いまま放置すると確実にパワーダウンにつながります。
これでは、何のためにインテークエアフィルターを交換したのか分かりません。
インテークエアフィルターを変える際、そのカスタム自体のコストパフォーマンスは高めです。
しかし、以降エンジンオイルを頻繁に替える分のコストも計算に入れる必要があります。
他のパーツに比べると、少ない導入コストで性能アップを図ることができますが、それに付随して融通が利かなくなる部分も出てくることをしっかりと見つめる必要が出てきます。
カスタムする以上仕方がない部分です。
まとめ インテークエアフィルターの持つ特性を理解してカスタムを楽しもう
インテークエアフィルターを変えることで、このような影響が出ます。
•吸気量が上がりやすくなり、高回転域が延びる •代償として低速トルクが下がり扱いづらくなる
•吸気量の増加でカーボン発生を助長する