自動車業界の経験者が教える、他では聞けない「クルマの基礎知識」
ファミリー層が自動車に求めるものは、決して1つではありません。
かつてのドライバーは、家族を持つと必然的にミニバンを購入していたものでした。
しかし、近年は使い勝手やデザイン性、走行性能などを重視する世帯が増え始めています。
家族で乗るならミニバンというイメージが崩れつつある今、どのような自動車を選ぶのが一番賢い選択となるのでしょうか。
•乗車人数が多い自動車 •走り心地や乗り心地にこだわった自動車
•デザイン性や個性が感じられる自動車
乗車定員を考慮しなくてはならないファミリーユーザーにとって、現代の自動車事情はとても悩ましいものです。
そのような状況下で、どのような自動車選びができるのか考えてみましょう。
1.乗車人数で決めるなら【バン・ワゴン】
乗車人数で自動車を選ぶのであれば
バン
もしくは
10人乗りワゴン
以上、2種類のボディタイプが選ばれやすいです。
これらのボディタイプは、普通免許で運転することができます。
また、数あるバン・ワゴンの中でも
•トヨタ ハイエース
•日産 キャラバン
バンと10人乗りワゴンの2パターンを持つ自動車はこの2車種のみとなっています。
ハイエースとキャラバンには、【ワゴン】と【バン】の2種類がありますが、乗車人数がより多いのはワゴンになります。
例えばハイエースバンは9人乗りまで選択可能ですが、ワゴンなら最大10人まで乗車可能です。
❏ハイエースバン
ハイエースバンで9人乗りを選択できるグレードは
DX/DX“GLパッケージ”
以上の2種類となっています。
❏ハイエースワゴン
乗車定員10人で、普通免許での運転が可能です。
グレードは3種類あります。
•グランドキャビン •GL
•DX
それぞれ違いがあり、選択肢も広がります。
トヨタのハイエースワゴンGLは、雪道や悪路に対応する4WDも選択可能となっています。
❏キャラバンワゴン
日産のキャラバンワゴンも、乗車定員10人の大型ワゴンです。
2WDのみのラインナップですが、こちらも普通免許で運転できる中で、最も乗車人数の多い自動車になります。
10人乗りワゴンの良さは、何といってもその価格にあります。
乗車定員は最大でありながら、グレードによっては250万円前後という手頃な価格となります。
キャラバンワゴン:DX 2,586,600円
ハイエースワゴン:GL 3,048,840円
250万円~300万円台という手頃な価格で、10人乗りの大型車が購入できるのは魅力的です。
ハイエース・キャラバン共に、乗車人数は6人程度で、荷物の積載スペースを広く確保したミニバンも用意されています。
家族単位のみでの使用であれば、必ずしもフルサイズを選択する必要はありません。
乗車人数よりも、使い勝手や最大積載量を重視したい場合は、バンタイプのラインナップも候補に入れると尚良いです。
乗車人数や荷物の積載量については、他の追従を許さないのがバンの特徴です。
価格も手頃であるために、大人数での移動が多い大家族や、本格アウトドアを楽しむ方には最適であるといえます。
デメリットとしては、デザイン性が高いとはいえず、どこまでも箱であり、ビジュアル面での満足感を満たせない点が挙げられます。
商用車と見間違えられることもあるため、機能性重視のモデルとなります。
2.SUVなら8人乗りの【ランドクルーザー】
冒頭でもお話しした通り、結婚して子供が産まれたら、当然のようにミニバンを購入するユーザーも多いものです。
しかし、ミニバンに物足りなさや個性のなさを感じてしまう方には
8人乗りのランドクル―ザー
を提案します。
ランドクルーザーはSUVでありながら、乗車定員は8人とミニバンに匹敵しています。
更に、悪路にもアウトドアレジャーにも強く、使い勝手の幅も広がります。
ミニバンのようにふわふわと風に煽られる感覚もないため、走行性能を重視するユーザーにもストレスを感じさせることはありません。
ただし、ランドクルーザーには価格が高いという欠点があります。
足回りが頑丈で、耐久性に優れている自動車であるため、中古で手頃な価格帯になったランドクルーザーを狙うのも選択肢としては良いでしょう。
憧れのランドクルーザーが200万円台で手に入るケースも珍しくないため、ぜひ色々な中古車販売サイトをチェックしてみてください。
3.7人乗り3列シートのSUVなら【CX-8】
ここ数年の間に、7人乗りグレードを選択可能なSUVが次々と登場し始めました。
7人乗りといえばミニバン。
それが今までの常識でした。
しかし、見た目も性能も良いSUVで、7人もの乗車人数を確保できることは大きな強みです。
近年は、7人乗りSUVは珍しいものではなくなりました。
その中でも、マツダ CX-8は非常に優秀です。
マツダのCX-8は、魅力的な要素の詰まった自動車です。
•クリーンディーゼルエンジン搭載 •3列シート •7人乗り
•高級感のあるデザイン
乗車できる人数の多い自動車が欲しい、でも環境や燃費の良さも譲れない。
更に、外見の格好良さやデザイン性も重視したい。
そんなわがままを叶えてくれるのが、このマツダCX-8です。
3列目でも大人がしっかりと座れるスペースがあるため、同じ7人乗りSUVの中でも評価の高い車です。
大人数で乗車できる上に、高級感のあるデザインとクリーンなエンジン。
この3つを兼ね備えていることから、高級外車からの乗り換えを検討する人も増えています。
また、クリーンディーゼルエンジンだけではなく、通常のガソリンエンジンモデルもラインナップされています。
本体価格を抑えたい場合は、ガソリンモデルの25Sを選択しましょう。
25Sの価格は【2,894,400円】であるため、200万円台で、7人乗りの高質感SUVが手に入ります。
4.ファミリーカーの定番ミニバンのイチオシは?
多人数乗車といえば、やはり定番はミニバンです。
ミニバンであれば、7~8人乗りは常識です。
その上、スライドドアなどの快適装備も充実しており、小さなお子さんがいる場合は尚更便利な自動車です。
ただ、箱形のデザインや風に煽られるフワフワした走行感覚などがあり、自動車好きのユーザーにとっては面白みに欠ける自動車ともいえます。
デザイン性や走行性能の評価はあまり高いとはいえませんが、使い勝手の良さや居住性の高さについては確かな評価を得ています。
大人数での乗車が頻繁にあるのであれば、8人乗りミニバンを選んでおけば失敗することはないでしょう。
大人数で乗車したい場合は、2列目のシートがベンチになっている自動車がオススメですが、2列目から3列目へのウォークスルーができないことが難点です。
スムーズに車内を移動したい場合は、ウォークスルー機能のある車種。
つまり、2列目がセパレートになっているタイプを選ぶことで問題は解決します。
そこでオススメしたい車種は【日産セレナ】です。
ファミリーカーとしては定番の車種ですが、8人乗りでありながら2列目から3列目へウォークスルーで移動できる構造になっているのはセレナだけです。
2列目から3列目のウォークスルーを探しても、他の車種では7人乗りに限られてしまうのです。
セレナなら、車内デザインをその都度変更しなくても、8人が乗車できるというわけです。
そのため、毎回多人数乗車するファミリーユーザーにも、たまに多人数乗車するレジャー目的のユーザーにも適しています。
家族が多い場合、大きければ大きいほど良いと思ってしまいがちですが、一概にそうとはいえません。
例えば、アルファードやヴェルファイアのようなサイズの大きなミニバンも、一定数の人気があります。
しかし、価格が高い上に、乗車人数は他の車種と変わらないのも事実です。
アルファードやヴェルファイアの売りはシートやインテリアなどの高級感であり、ファミリー層に向けてデザインされた自動車ではないためです。
子育て中は車内の汚れや痛みも激しいため、高級感を意識するメリットはあまりありません。
むしろ、いかに汚れないか、どれだけ耐久性の高い素材かという面の方が重要なのです。
車内での飲食の際にはこぼします。
雨の日でも濡れた靴でシートの上を駆け回ります。
ロングドライブでのおねしょも定番化します。
車に酔って車内で吐いてしまうことも頻発します。
その都度激しく掃除をしていれば、高級感の強いファブリックや本革シートの傷み具合は、直視するに耐えられないものになってしまいます。
あなたの状況に応じて幅広い選択肢が用意されているセレナは、大変オススメの車種です。
まとめ ファミリーは多人数乗車の頻度と利便性重視で車を選ぼう!
子育て世代のファミリーが自動車を選ぶ時は、以下の4点を重視してみましょう。
•どの程度の頻度で多人数乗車をするか •子供の年齢や車の用途 •アウトドアレジャーの有無
•手頃な価格
毎回、8人以上の多人数で乗車するようであれば、車内の座席配置を変更しなくても済む車種を選ぶべきでしょう。
ミニバンのセレナの8人乗りや、ハイエースワゴンなどがその代表格です。
しかし、毎回8人以上で自動車に乗る家庭は非常に稀です。
多人数乗車の頻度や、どんなときに大人数になるかを想定し、しっかりとシミュレーションしておきましょう。
また、アウトドアレジャーを積極的にする場合、多人数乗車が可能で、尚且つ荷物もある程度載せる事ができるワゴンやバンが最適。
自動車の購入において重要視する部分やライフスタイルを振り返ったり、予想を立てたりしながら検討していくことが大切です。
そして、子育て世代は価格も重要視するべきです。
さまざまなアクティビティに出かけることを考えると、藪の中や海辺など、自動車にダメージを与える環境に多く出向くことになることが予想できます。
購入価格が高くなるほど、本気で遊びに踏み込むことが難しくなってしまいます。
自動車を購入する場合は、自身の置かれた状況から総合的に判断し、、慎重な自動車選びをしていきましょう。
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