日本を代表するスポーツカー、ニッサン・GT-R。
日本国内でも走っているのは見かけると目が釘付けになるほどパワフルなルックス、海外でのアダ名は”ゴジラ”だそうです。
GT-Rの速さと凄さは、日本国内でしか販売していなかった”スカイラインGT-R”の時代から海外でも注目されていました。
どうして、海外で”ゴジラ”というアダ名がついたのか。
現在のGT-Rが2007年に発表されて10年弱、いまだに色あせないGT-Rの魅力について見ていきます。
■レースと共にあったスカイランGT-Rの歴史
スカイラインGT-Rはレースカーの技術、またはレースに勝つために作られた車です。そのベース車両は「スカイライン」であることが絶対条件でした。
◯GT-RのRは「レーシング」のR。スカイラインGT-R初代
スカイラインGT-Rの初代は、1968年(昭和43年)の東京モーターショーで「スカイラインGT レーシング仕様」として発表され、それがそのまま市販されたものです。
4ドアのスカイラインに、プロトタイプレースカーの直列6気筒DOHCエンジンをそのまま登載し、おとなしい外観に対してどう猛なエンジンを搭載したGT-Rは、「羊の皮を被った狼」というキャッチコピーが流行させました。
その後、2ドアクーペボディが導入され、GT-Rもクーペにスイッチし、それ以降GT-R=クーペという構図が定着しました。
◯排ガス規制に泣いた2代目
2台目GT-RはケンとメリーのスカイラインのCMで一世を風靡(ふうび)した「ケンメリスカイライン」がベースとなったGT-Rです。
このスカイラインGT-Rは1973年に発売されましたが、同年の排ガス規制に適合しないことから、たった197台しか生産されませんでした。
その後、1989年にR32型GT-RでGT-Rが復活するまで16年の間、GT-Rは生産されることはありませんでした。
◯レースに勝つために生まれた第2世代3代目 R32 GT-R
2代目が販売終了後から16年後の1989年8月、スカイラインGT-Rは復活を果たします。
GT-Rは80年代後半に日産が掲げていた901運動(1990年代までに技術で世界一を目指す)の集大成として発表されました。
GT-Rはトルク配分を電子制御で行う4WDシステム(ATTESA E-TS)や、後輪操舵システムの(Super HICAS)と共に、当時のツーリングカー選手権のレギュレーションに合わせた直列6気筒2.6リッターツインターボエンジン(RB26DETT)が搭載され、2世代目のスカイラインの共通したエンジンとなります。
そして、GT-Rは当時のレースシーンを圧巻して行くのです。
◯初めてニュルでタイムアタックを行った4代目 R33 GT-R
R32GT-Rに続くR33型はベースとなるスカイラインが大型化して3ナンバーサイズになりました。
R33GT-Rからニュルブルクリンクのタイムを性能の指標に使用するようになり「マイナス21秒ロマン」(R32GT-Rよりニュルブルクリンクのタイムが21秒早かったため)というキャッチコピーで売り出されました。
◯2世代目の集大成5代目R34 GT-R
R34GT-RはR33で批判を受けた大きすぎたボディサイズを最適なサイズに戻し、歴代のスカイラインGT-Rの中で最強のスペックを誇りました。
しかし、2代目同様に平成12年(2000年)の排ガス規制に適合しないため2002年に販売終了し「スカイラインGT-R」の幕は降りました。
■スカイラインGT-Rからニッサン・GT-Rへ
“ゴジラ”と呼ばれるニッサン・GT-R(R35)は2007年に日本で発表・販売されました。
R35GT-Rは、それまでの成立条件であった、スカイラインとのシャーシ共用の必要がなくなりました。
そして、それまで国内専売だったのに対して全世界で販売される車となりました。
その結果、エンジンはV6 3.8リッターとなり、販売当初480馬力で驚くべきエンジンと言われたエンジンも年々改良され、出力も最新モデルでは550馬力の大出力となります。
最高速度は300km/h以上、デビュー時にニュルブルクリンクを7分29秒という当時の市販車最速を記録し、名実ともにスーパースポーツカーとなりました。
ニッサンGT-Rは、エンジンだけではなく、変速機を後輪に設置して重量配分を適正化するトランスアクスル構造や、日本で初めてデュアルクラッチトランスミッションを採用、さらに、日本で初めてパンクしないランフラットタイヤを採用するなど、最先端技術を惜しみなく使って設計されました。
■なぜゴジラと呼ばれるのか
ニッサン・GT-Rが”ゴジラ”と呼ばれるようになったのはいくつか理由があります。
1つ目は他のスーパースポーツと比べて重量が重いことです。
ニッサンは必要だからこの重さにした。
と、主張しますがやはりスーパースポーツの中では重量級です。
2つ目には、ニッサンGT-Rのエクステリアデザインです。
他のスーパースポーツとは異なった無骨なデザインは、良い意味でも悪い意味でも目立ちます。
そして、最後に、これが一番重要ポイントは、価格に対する速さ(パフォーマンス)がとてもよいことです。
動画サイトには、世界のスーパースポーツカーを相手に、加速競争をする動画が多数アップされています。
動画では、ニッサン・GT-Rは価格が倍以上するフェラーリやポルシェ、AudiR8などに大差を付けて勝利する様子が収められています。
■ニッサン・GT-Rのパフォーマンスを維持するために
では、ポルシェやフェラーリを蹴ちらす、ニッサン・GT-Rを維持するにはどれほどの費用がかかるのでしょうか。
+販売整備は、特別なサービスセンターで
ニッサン・GT-Rは、一般のニッサンディーラーでは購入できず、ニッサンハイパフォーマンスセンターでしか購入できません。
それは、スーパースポーツカーであるニッサンGT-Rの性能を維持するためには専用の設備と高い技術を持つ整備士が必要だからです。
また、GT-R専用の部品を指定された整備工場以外で交換したり、純正保守部品以外を取り付けると、保証が失効するなど、かなり厳しい制限があります。
◯ニッサン・GT-Rの部品は高い?
説明したとおり、ニッサン・GT-Rはタイヤなどの消耗品を含めて、指定部品を使う必要があります。
ニッサン・GT-Rが発売された当初はタイヤ4本で100万円などと噂されていましたが、当初の価格はタイヤ1本10万円(タイヤ交換は4本同時交換が前提なので40万)でした。
現在では、販売開始から10年近くが経過し、ある程度部品代も安くなり、1本あたり8万円程度で購入できます。
また、気になる車検ですが故障箇所がなければ15万円程度で済みます。
このように、ニッサン・GT-Rの維持費は、その凄まじい速さと比べると、それほど高くないのでは?とすら思います。
■値段を考えるとお買い得な”ゴジラ”!?気になったら、買っちゃえニッサン!
ニッサン・GT-Rはその値段に対して速さは抜群のコストパフォーマンスです。
なにしろ、2千万?3千万もするスーパースポーツカーをぶっちぎる性能を1千万円台で提供してしまうのですから。
速い車が大好きな人にとってこれ以上の魅力はありません。
ニッサン・GT-Rの新車は高すぎて、手が出ないという人には、中古車の流通がたくさんあるので、中古車で購入を検討されるのも良いでしょう。
”ゴジラ”、ニッサン・GT-Rが気になったら「買っちゃえ、ニッサン!」ではないでしょうか。