ひと昔前、自動車は若者にとって魅力的なステータスシンボルでした。
移動手段としてだけではなく、自動車を趣味として所有する人が多い時代です。
自動車で遊んでいた時代から数十年たった今、若者の自動車離れが進んでいます。
その理由は
•経済的理由
•趣味の多様化
などが挙げられます。
時代の変化と共に自動車メーカーは、スポーツカーよりもエコカーといった環境・燃費に配慮したコンパクトカーへと生産ラインを変えていったのです。
「車で遊ぶなんてカッコイイけどお金もかかりそうだし、カスタムとか詳しくもない。ましてやスポーツカーなんて買えないし…」
お金のかからない、手軽にできる自動車遊びはないのか?
もちろんあります!
維持するのも手頃なコンパクトカー遊びませんか?
ジムカーナならすぐに始められて、しかも経済的にも安心です。
1.手軽なモータースポーツ ジムカーナ
ジムカーナとは、ライセンス不要で誰でも手軽にできるモータースポーツです。
午前と午後で1日に2〜3回、1分程度の時間で誰が1番速くコースを走り抜けるかを競います。
コースはパイロンが置かれており、舗装された路面を走ります。
所有のマイカーで初心者でも十分楽しむことができる手軽なモータースポーツです。
基本的にロングコースではないことから、全コース内を高速で走り抜ける訳ではないので、さほど自動車の改造も必要ありません。
苦労する点といえば、コース発表が当日の朝だということです。
競技時間までにコースを覚えて、どのように走るかのシミュレーションをする時間、どのように攻略するか、それをピタリと擦り合わせていくことこそがジムカーナの醍醐味になります。
しかし、初級向け競技の場合は、走行前に実際のコースで練習があります。
もちろん車の排気量や改造具合によってクラスも分けられますので、そこまで不安になる必要もありません。
2.ジムカーナでコンパクトカーが選ばれる5つの理由
ジムカーナでスポーツカーではなく、あえてコンパクトカーが選ばれる理由をまとめました。
1.すでに所有しているマイカーですぐに始められる 2.燃費やチューン工賃が安いので維持費がかからない 3.小回りがきくのでターンに強い 4.優れた性能の車に最初から乗るよりも面白みがある
5.スポーツカーよりも感覚を掴めるのが早い
コンパクトカーでジムカーナをする最大のメリットは維持費が少ないということ。
サーキットで数回走行したら交換が必須なタイヤや、オイルなどのメンテナンスにかかる費用を格段に抑えられます。
エンジンのピークパワーを使わずに、1番トルクの太い回転域を上手く使うため、オイルへのダメージが少ないのがジムカーナの特徴です。
サーキットを全開走行する場合、1トライでエンジン全分解なんてザラです。
しかし、ジムカーナは多少のカスタムは施すものの、基本的にノーマル状態でも楽しむことができるのです。
そのため、2〜3ヶ月程度であればオイルメンテナンスを気にする必要はありません。
もちろん、メンテナンスをすること自体は良いことなので、してはいけないというわけではありません。
首都高ランナーのようなピーキーな使い方ではないということで、そこまで気にする必要がないというだけです。
タイヤのメンテナンスについても、高速域を使うわけではなく、メインの速度域は中低速。
つまり、タイヤ表面温度が常時保たれているわけではないので、摩耗速度は緩やかになりるのです。
通常使用の乗用車が5年ほどの寿命を保てるところ、ジムカーナをすることで2〜3年のタイヤ寿命に縮まります。
ハイスピードランナーであれば、公道ランナーで3ヶ月〜1年、サーキットランナーでは1日でタイヤが終わる感じです。
ドリフトのように常に滑らせる走らせ方ではなく、ジムカーナでは極力グリップを保ち、最小限のスリップを使いながら素早いコーナリングを駆使してタイムアタックをしていきます。
そのため、ムダにタイヤを消費することがないのです。
走行面でも、コンパクトカーをノーマルで走っていても十分に遊べます。
スポーツ走行に自信のない人ほど、ノーマルから始めることをオススメします。
なぜなら、走行に感覚が掴めてから必要なカスタムを施していく方が費用も時間もかからず効率的だからです。
では、国産のコンパクトカーではなく、外車やスポーツカーだとジムカーナには不利なのか?というと、そうではありません。
実際に2016年からの統計で競技上位を取っている自動車の中には、外車であるロータス・エキシージや、ホンダ・NSXなどの高級車も食い込んでいます。
こういった自動車は加速が良いことや直線でスピードがでるという点で有利に働きます。
しかし、優勝した時に使われた自動車やタイムを出している自動車は、9割は国産車であり、コンパクトカーなのです。
したがって、スポーツカーだから勝てるということではなく、自分が操縦しやすい自動車か、適切なカスタムが施されているかで結果に繋がってきます。
いずれにしても、頼るべきは自分自身ですので、最終的には自分の腕をどこまで磨けるかにかかっています。
また、コストの面からみてもタイヤ交換だけでコンパクトカーの数倍も出費する車種もあります。
維持費も気にせず手軽に楽しんで欲しいからこそコンパクトカーがオススメなのです。
3.スポーツ走行できるオススメコンパクトカー3選 番外3選
コンパクトカーでもスポーツ走行できるように、国産・外車問わず、メーカーがチューニングした自動車をホットハッチと呼びます。
MTがメインで生産されていますが、近年ではATも増加傾向にあります。
少しマニアックな話をすると、自動車には駆動方式が3つあります。
ジムカーナをする時の自動車の選び方として”駆動方式で選ぶ”というのも実走での楽しみ方の1つです。
•FR(フロントエンジン・リアドライブ) 自動車前方にエンジンがあり、後ろのタイヤを駆動させます。 •FF(フロントエンジン・フロントドライブ) 自動車前方にエンジンがあり、前のタイヤを駆動させます。 •4WD(四輪駆動)
FRとFFを組み合わせたような駆動方式で、前輪・後輪共に駆動します。
どの駆動方式が良いかは個人の好みになりますが、初心者へのオススメはFFです。
ジムカーナの醍醐味はターンをいかに早くするかです。
サイドブレーキを使って回りますのでFFの方が安定性があり、素早くターンできます。
もちろん、タイムにそれほどこだわらずに自分の走りを楽しみたい人はFR。
パワー走行して思いのままにターンしてもかなり楽しめます。
4WDも競技する上でのタイムこそ出せませんが、安定がありますので楽に走行できます。
タイヤが太いのでスピンしづらく、操縦性に優れています。
国産車で価格が安く、手に入りやすいが走りの実用性も兼ね備えたジムカーナにぴったりの自動車をご紹介します。
•スズキ 新型アルトワークス(FF)
新型アルトワークスはスポーツ重視で作られたホットハッチです。
1番のポイントは、人気さゆえに新型から5速トランスミッションを搭載した事。足周りやコンピューターも改良され、更にスポーツ走行に最適になっています。
•スズキ スイフトスポーツ(FF)
6速トランスミッションでターボエンジン搭載。
力もコンパクトカーの中ではフィットに次ぐパワーがあります。
力強く快適な加速走行が可能となっており、まさにスポーツ走行のための自動車です。
取り回しも良好で回頭性も抜群なので、ターンには大きな力を発揮します。
ここ数年の1600ccエンジン搭載自動車の中では優位な傾向にあります。
•ホンダ シビック(FF)
個人的にホンダは軽量で操縦しやすい自動車が多いので、ジムカーナにも最適なメーカーの1つです。
こちらも6速トランスミッション搭載でスポーツ走行を意識した作りです。
走り屋にファンが多いのも納得の走りで、ノーマルで走り込んでも大丈夫なくらいしっかりと練られて作られています。
なかでも人気の高いタイプRは国産車では最速のホットハッチです。
•番外:マツダ ロードスター(FR)
近年になってジムカーナにも頻繁に登場するようになった車種です。
ホットハッチの中でも軽量で馬力もあるので早いのはもちろんですが、バランスの取れた自動車です。
パーツごとに抜き出たスペックはないものの、純粋なスポーツカーです。
この自動車の能力を引き出せれば競技で優位に立つ事ができます。
•番外:トヨタ 86(FR)
車体がトヨタ車では最も低く、エンジンの位置も低いので高速走行でもブレません。
小回りもきくので安定した素早いターンができる自動車です。
コンパクトなFA20型エンジン搭載で低速から驚くべき加速力があり、走り出した瞬間から他車と差をつける事ができます。
•番外:三菱 ランサーエボリューション(4WD)
4WDでは曲がりづらいという欠点がありますが、特殊な電子制御により曲がる自動車です。
最大の強みは全てのタイヤにパワーが伝わるので加速もターボも申し分なく、直線でも勝負できる自動車です。
まとめ いつでも自動車で遊ぶ楽しさは変わらない!
とにかく手軽にモータースポーツができるジムカーナ。
特に最初はイメージしづらいところもあります。
そんな時は、サーキットへ行って人の走りを見ると、不安な部分が解消されて自信につながります。
サーキットによっては初心者への講習を行なっている所もありますので、うまく活用すると走行テクニックをすぐに上げられます。
是非、スポーツ走行で充実した自動車遊びをどうぞ。
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