前編では、残価設定プランがなぜ悪いイメージが持たれているのか、その理由について解説しました。
そして、多く人が残価設定プランについて正しく理解せずに勝手に損するものだと思い込んでいる傾向があることを指摘して終わりました。
後編では、前編で紹介したデメリットを踏まえながら残価設定プランの本当のメリットをお伝えしたいと思います。
■特別低金利を使えばデメリットがメリットに!
残価設定プランの一番のデメリットでもある利息ですが、実は必ずしもデメリットにはなりません。
なぜかというと、残価設定プランの場合、車種によっては特別低金利のキャンペーンをしていることがあるからです。
例えば日産であれば、セレナやエクストレイルといった人気車種を始め多くの車種で1.9%または2.9%の低金利キャンペーンを行っています。
ホンダでもフィット、ヴェゼル、ステップワゴンといった人気車種で1.9%特別低金利のキャンペーンを行っています。
ディーラーローンの金利はメーカーによって異なりますが、残価設定プランのこういったキャンペーンを使えば、残価を含めても通常のディーラーローンよりも総支払額が安くすむケースが多いです。
特別低金利のキャンペーンが行われていない車種でも残価設定プランの金利は通常のディーラーローンの金利よりも低く設定されている場合が多いです(※ただしホンダでは通常のディーラーローンも残価設定プランも同じ3.5%)
残価設定プランの仕組み上、利息が多くなりやすいのは事実ですが、多くの人が思っているほど残価設定プランは通常のディーラーローンに比べて利息を多くとろうとしている訳ではありません。
場合によっては利息を抑えられるプランでもあるわけです。
■残価設定プランの隠れたメリット!返却時の免責保証
また残価設定プランのデメリットとして車を返却したとしても追加で負担金がかかる場合があります。
実はここにも隠された残価設定プランのメリットが存在しています。
車の返却時に一番負担金が発生しやすいのは内外装の損傷による減点だと思います。
しかし、残価設定プランでは一定額の減点までは追加の負担金が免責される場合があります。
例えば日産では車種によって免責額が異なりますが、セレナの場合は10万円の免責保証がついています。
これは10万円までの修理費用は追加料金を払わなくて良いということです。
ただし、減点が免責額を超えた場合は、超過分の減点を追加で精算する必要があります。
セレナだと13万円分の減点があった場合、3万円の追加料金を支払うことになります。
どんなに丁寧に車を扱っていたとしても少なからず減点は発生してしまうものです。
この免責保証はある意味、通常の査定額に免責分の額をプラスで買い取ってくれるのと同じことです。
残価設定プランの分かりやすいメリットは月々の支払いが安くなることですが、その他にもこのような残価設定プランならではの特典が実は存在しています。
■残価設定プランは利用者のカーライフよって損得が変わる!
前編で紹介したように残価設定プランでは残価を保証するために様々な制限が設けられていますが、実はそこまで難しい条件ではありません。
特別、車好きという訳でない人であれば、購入時からオプションを付け足すことなく乗り続ける人も多いと思いますし、走行距離も年間で1万km程度であれば、追加料金が発生することもありません。
内外装の損傷も免責保証が付いていれば、ちょっとした傷も安心ですし、免責分を超えたとしても車内で喫煙をしたり事故で大きな損傷があるといった場合を除けば数万円の追料金ですむ場合も多いです。
このように残価設定プランの制限は決して少なくない人が達成できる内容です。
そういった人が特別低金利のようなキャンペーンを上手く利用すれば、通常のディーラーローンで購入するよりもお得に購入できるプランだと言えます。
しかし、中には残価設定プランが合わない人もいます。車を自分でカスタマイズしたり、頻繁に長距離ドライブをするような人には向いていません。
また以前に有責の事故を複数回経験している人や任意保険を加入していない人も要注意です。
このような人が残価設定プランを利用した場合は追加料金が発生しやすかったり、返却が認められずに車を買い取らなければいけなくなるケースが多いので、残価設定プランを利用したことで損する可能性もあります。
■残価設定プランを正しく理解して、お得に利用しよう!
残価設定プランを検討する上で一番大事なことが、自分のカーライフが残価設定プランにあっているかどうかを見極めることです。
そのためには残価設定プランの内容についてしっかりと理解しておく必要があります。
残価設定プランはメーカーによって内容も変わってきますし、車種によってキャンペーンを行っているかも違ってきます。 そのため、自分が欲しい車種は残価設定プランだとどのような内容になるのか、しっかりと下調べをするようにしましょう。
その上で、自分のカーライフを残価設定プランに当てはめてみて、問題がなければとても魅力的なプランだと言えます。