元プロ査定士の教える【一般大衆車】の賢い売り方 | カーライフマガジン

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自動車業界の経験者が教える、他では聞けない「クルマの基礎知識」

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自動車査定士にとって、一番多い仕事がこの一般大衆車の査定業務です。 どのタイプの自動車であっても、一般大衆車はどれも同じようなポイントを自動車査定士は見て判断を下しています。 多くの自動車販売業者のメインとなる商品がこの一般大衆車になるのですが、ユーザーはその自動車を賢く売却することで上手に乗り換えをすることができるのです。

では、どうしたら賢く自動車を売却できるのか、それを元プロ査定士があなたにこっそりとお伝えいたします。

1.一般大衆車は自動車査定のオーソドックス

どんな自動車査定士であっても、資格取得の際に一番勉強するのがこの一般大衆車の査定です。 そのため、自動車査定士ごとに違う査定価額を打ち出すことって実は少ないのです。 それでも、最終的に提示される査定価額には差が出てくることがほとんどです。

それはなぜなのでしょう?

査定価額に差が出るはずがないにも関わらず、実際に自動車査定をすると生まれる差額。 これは、各自動車販売店による企業努力とでも言いましょうか、利ザヤを減らしている場合と、現時点であなたの自動車と同じ車種を探している顧客がいる場合があります。 現代では、たまたま同じ車種を探している顧客がやってくるなんていうことはありません。

日本中でたくさんの人が自動車を探していて、それもインターネット経由のほうが多いので、探されていない自動車を見つけるほうが難しいでしょう。

つまりは、自動車販売店としても在庫が欲しい状況なのです。
しかし、あまり流通がスムーズではない車種は置いておくのはリスクになってしまいますので、同じ仕入れるなら人気車種をと思うのが実情です。

2.一般大衆車の査定ポイント

一般大衆車の査定ポイントというのは、世の中に出回っているすべての自動車の査定ポイントの基本となるものとなります。
そして、その査定ポイントは少し細やかなものになります。

・外装の状態 ・内装の状態 ・タイヤのコンディション ・走行距離 ・ペットの同乗の有無 ・タバコ臭 ・リアシートの汚れ具合

・エンジンの状態

その他にも見る部分はありますが、メインとなる査定ポイントはこれらのポイントになります。 外装の状態は、主に【キズの有無 塗装状態 ボディ下側の擦りキズの度合い】です。

キズはあって当然です。ヘコミは度合いによってマイナス査定の度合いが変わりますので、できるだけ早い段階で直しておきましょう。

内装の状態は、できるだけ綺麗なものが好まれますが、使用に伴う汚れや損傷は必ずあります。 その最たる部分が、ドアの内側下部の靴キズです。 どんなに気をつけていても、この部分のプラスティックは靴のぶつかるキズでひどく損傷します。

ひどい場合には、線キズだけではなくプラスティック自体が彫り込まれてしまうので、その際は大きなマイナス査定となってしまいます。

タイヤのコンディションは、6mm以上あることを原則としています。 いわゆるスリップサイン以上のタイヤ溝があることが大切で、それ以下になってしまうとマイナス査定です。

逆に、新品に近い状態のタイヤであれば、プラス査定対象にもなるので売却時期には気をつけましょう。

走行距離は、多くの方が勘違いしているのですが、年式相応でなければ多くても少なくてもマイナス査定対象になってしまいます。
年間走行距離にして、12,000〜20,000キロを目処に考えておきましょう。

ペットの同乗は確実なマイナス査定ポイントです。
臭い・唾液・キズ・体毛など、室内空間の衛生面でもかなりのマイナスです。

タバコ臭に関しても同様です。
シートの焦げ跡や室内に残るタバコ臭はマイナス査定になってしまいます。

また、リヤシートに関しても気をつけなければなりません。 多くの一般大衆車のリヤシートには、子供を乗せることが一般的です。 リヤシートでの飲食の際に、食べこぼしや飲み物をこぼすことは日常的です。 時には嘔吐などのハプニングもあります。 このような汚れを放っておくことで、臭いよりもカビや劣化を進める原因となってしまうのです。 そして、それ以上にチャイルドシートの取り付け後が問題になります。 しっかりと取り付けることで、子供の安全を確保できるチャイルドシートなのですが、そのせいでシートのウレタンに取り付け形状が残ってしまうようになります。 そして、これがポイントなのですが、チャイルドシートを取り付ける際にシートベルトをキズ付けてしまうことが多くあります。

シートベルトの損傷は大きなマイナス査定要素になります。

エンジン状態は、オイル交換の頻度によって変わってきます。 車検ごとのオイル交換だけでは、自動車本来のコンディションを保つには実際は少なすぎます。 特に、車検時に通常交換される鉱物油では、エンジン内部に残っている汚れたオイルの影響を受けやすいため、高頻度でのオイル交換をすることが必要になります。

自動車好きの方は、化学合成オイルなどを選択してエンジンのケアを考えますが、コレも頻度が大切になります。

鉱物油と化学合成油の違いは、オイルラインへのスラッジ(汚れ)の蓄積の差です。 人間で言えば、コレステロールのが血管に付着しやすいかどうかです。

鉱物油は付着しやすいものなので、できるだけ汚れの少ないスパンで交換すべきものです。

化学合成油であってもこれは同じですが、鉱物油ほどオイルラインにスラッジが付着しやすくないので、オイル交換のスパンが長くなるということです。

3.一般大衆車をワンランクアップさせる

上記したことを気を付けることが最も手っ取り早いワンランクアップさせる方法です。 しかし、それだけではありません。 一般大衆車はゴム部品でコスト削減しています。その部分を純正部品よりも良いものと交換しておくことで、自動車は普段の乗り味すら向上するのです。 よくある部品で言えばステアリングブーツやサスペンションブッシュです。 多くの自動車は2年程度で破けます。部品単価で数百円です。 これを同程度単価であっても、社外のしっかりとした部品に交換することで、自動車自身の寿命が伸びるのと同時に、劣化を遅らせていくことも出来ます。

通常のワンランクアップ要素とは違う地味な部分ですが、確実にランクアップします。

4.まとめ

一般大衆車に限らず、自動車査定というのはマイナスポイントを探していく減点法になります。 ココでその事実を知ったあなたは、そのことを頭の片隅に置いておきながら自動車と付き合っていくことで、自動車査定での減点法をクリアしていくことができるはずです。 1円でも高く自動車を売却するためには、普段から賢く自動車と付き合うことが必要です。

それさえできれば、あなたは賢く自動車を売却することができます。

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