PHEV(プラグインハイブリッド)のメリット・デメリット!流行りに乗って買っても大丈夫? | カーライフマガジン

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自動車業界の経験者が教える、他では聞けない「クルマの基礎知識」

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最近、ヨーロッパのメーカーはEV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド)に力を入れて開発を行なっており、日本で主流のハイブリッドはあまり採用されなくなりました。

ハイブリッドとPHEVやEVについてはこちらの過去記事で説明しているのでそちらを参照していただくとして、今回は欧州のPHEVが日本の社会に受け入れられるかを考えてみたいと思います。

■PHEVとは?「はじめEVそのあとハイブリッド」

PHEVの仕組みを簡単におさらいしましょう。

PHEVの特徴は2つあります。

ひとつはEVモードと言われることが多いのですが、モーターだけである程度の距離を走行できることです。
EVモードで走行できる距離はメーカーや車種によって異なりますがおおよそ30kmから50kmの比較的短い距離を電気とモーターで走ることができます。

もう一つは、EVのようにバッテリーを電源から充電できるということです。 プリウスなどのハイブリッド車はガソリン給油口はありますが、電源から充電するための充電器のソケットは備えていません。

PHEVは、給油口と充電用のソケットを両方備えていて、駐車中に充電プラグをつないでバッテリーを充電することができます。(プラグインハイブリッドの「プラグイン」の由来)

PHEVはハイブリッド車でもあるので、バッテリーがなくなればエンジンを始動してエンジンだけで走行したり、バッテリーを充電しながら走行したりすることが可能です。

PHEVの特徴はある程度大きいバッテリーを搭載して、短距離を電気とモーターだけで走行できるハイブリッド車ということになります。

■PHEVの最適な使われ方とは

PHEVの特徴から考えられる、PHEVの最適な使われ方はこうです。

車を使わない夜間などにはコンセントなどから車のバッテリーを充電を行います。
そして、買い物や子供の送り迎えといった近所の走行に関しては充電した電気を使ってEV走行をおこなうことによって排出ガスをゼロにします。

そして、週末や休暇の長距離旅行では、ハイブリッド車としてエンジンで走行したり、モーターをエンジンの補助にしたりして燃費を向上させることができます。

特に都心部に住んでいるユーザーの場合、休みの日に近場のショッピングセンターに行ったとしても、往復では50kmも走らないということが多いことが予測できます。

つまり、旅行にでも行かない限り、毎日充電していれば、ほぼ全くガソリンを使わずに済むのです。

■日本の環境でPHEVを使いこなせる?

では、日本の社会環境でPHEVのメリットを最大限生かすことができるのでしょうか。
日本の住宅事情に沿って状況別に考えてみましょう。

マンション住まいの場合

マンション住まいの場合にはマンションの駐車場に充電設備を設置できるかがポイントでしょう。
マンションの場合、平置きの駐車場と機械式の駐車場の場合がありますが、機械式駐車場では充電設備を設置することはいまのところ不可能そうです。

また、平置きの駐車場だったとしても、共用スペースである駐車場に後から充電設備を自分のスペースに設置することは電気メーターの設置も含めて難しいでしょう。

マンション等、集合住宅にお住いの方が電気自動車を選ぶことについては、以下の記事も参考にしてみてください。

戸建で敷地内に駐車場がある場合

戸建で敷地内に駐車場がある場合には、わりと簡単に充電設備を設置することが可能です。
多少の電気工事が必要となりますが、自動車メーカーやディーラーが充電設備の設備工事の補助をしてくれるキャンペーンなどを行なっている場合もあり、意外にハードルが低いと言えるでしょう。

また、100Vの普通のコンセントからでも充電できる車もありますので、屋外にコンセントがあれば工事不要で充電が可能になります。

戸建やマンションで近隣の駐車場を借りている場合

この場合も、マンションと同じ理由で充電設備を駐車場に設置することは難しいでしょう。
もし設置できたとしてもいたずらや、電気窃盗の心配もあります。

上記のように、まとめるとPHEVのメリットを生かすことができるのは、戸建で敷地内に駐車スペースがある場合という、都市部では限られた状況となってしまいます。

■充電できなくてもPHEVを選ぶ価値はある?

車を使わないときに、電源から電気を充電できなかったとしても、PHEVはハイブリッドでもあるので、エンジンを使ってバッテリーを充電することができます。

おそらく、ディーラーの営業マンも「充電設備が設置できなくてもエンジンで充電できるから大丈夫」だと言うことでしょう。

でも、本当にそうなのでしょうか。 現時点では、バッテリーは自動車の部品として高価なものです。

そしてPHEVはEV走行をするために、ハイブリッドと比べると容量の大きいバッテリーを搭載しているのです。

そのために、PHEVはハイブリッドと比べて高価になりますし、重量も増します。
ハイブリッド走行しかしないのであればPHEVの装備は過剰装備ということになりますね。

ですので、PHEVの特徴である「電源から充電できること」、「EV走行ができること」のメリットを受けられないのであれば、あえてPHEVを選ぶ必要はないと考えます。

もし筆者の駐車場に充電設備を設置できない事情があるのであれば、あえてPHEVを選択することはよっぽどのことがない限りありません。
選択するなら、通常のハイブリッドもしくはクリーンディーゼルを搭載した車の方が良いと考えるでしょう。

■PHEVは特定の状況ならメリットのある機構

このように、PHEVが流行っているからといって、充電設備が設置できない駐車場にPHEVを選択するのは、PHEVのメリットを享受できない点において非常にもったいないのです。

もちろん、それも考慮の上であえてPHEVにするというのであれば、それはそれで個人の自由だと思います。

なんとなく新しそう、珍しいといった理由でPHEVを選んで後悔しないよう気をつけましょう。

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