利息について分かりやすく解説!残価設定プランと通常ローンの違いは? | カーライフマガジン

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自動車業界の経験者が教える、他では聞けない「クルマの基礎知識」

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残価設定プランを利用すると結局損してしまうのではないかと考えている人は多いのではないでしょうか?
そのようなイメージが持たれているのは、同じ金利で同期間のローンを組んだ場合、通常のローンよりも残価設定プランの方が利息を多くとられ、結果的に総支払額が高くなってしまうことが1番の理由だと思います。

なぜ残価設定プランは通常ローンよりも利息が多くとられるのか、その仕組みについて説明していきたいと思います。

■自動車ローンにおける利息の計算方法とは?

まずは通常のディーラーローンや残価設定プランも含めて、ローンを組んだときに利息がどのような計算で決まっているのか分かりやすく解説していきます。

毎月一定の利息を払っていると思っている人もいるかもしれませんが、実はそうではありません。 ローンを組んだ場合、月々の支払は同じですが、その中に含まれている利息は毎月違います。

なぜ月々によって利息が変わるのかというと、利息とは残っている借入残高に対して金利をかけたものになるからです。

毎月の利息は次のような計算で求められます。
・借入残高×月割の金利(年率×その月の日数/365日)=利息

例えば100万円のローンを金利5%で組んだ場合を考えてみましょう。

1か月を30日として計算した場合、最初の支払の利息は 100万×0.05×30/365=約4,109円です。 月々の支払いが3万円だった場合 3万円(月々の支払い)=4,109円(利息)+25,891円(返済)

つまり最初の支払の内訳は借入に対する返済が25,891円で利息が4,109円ということになります。

2か月目では返済額と利息が少し変わってきます。すでに100万円の借入に対して25,891円の返済をしているので借入残高は974,109円です。 2か月目の利息は 974,109×0.05×30/365=約4,003円です。

つまり2か月目は25,997円の返済と4,003円の利息を払っていることになります。

最初の支払いの内訳と比べてみると、利息が少し減って、返済額がその分増えていることが分かると思います。
このように毎月の支払いによって借入残高は減っていくので、その分利息は少しずつ減っていきます。

トータルの利息を減らしたい場合、早い段階で借入残高を減らすことが重要です。
月々の返済額が大きいほど借入残高は早く減っていくのでトータルの利息は少なくすみます。

逆に月々の返済額が少ないと、なかなか借入残高が減らないので月々の利息が多くなってしまいます。
同じ金額でローンを組んでも、5年で返済するのと10年で返済するのでは、トータルの利息が違ってくるのには、こういった仕組みがあったわけです。

■残価設定プランと通常ローンでは利息がどうして違う?

ここからは通常のディーラーローンと残価設定プランの違いに注目してみましょう。 残価設定プランの場合、プラン満期に予想される査定額を残価として車両代金から差し引いた額でローンを組みます。 例えば200万円の車の残価が50万円だった場合、150万円でローンを組むことになります。

そのため同じ200万円の車を通常ローンで組むよりも月々の支払いが安くなります。

ここで注意したいことは、残価設定プランは150万円を分割して支払っていきますが、ローンとしての借入額は残価を含めた金額ということです。 つまり残価の50万円を含めた200万円を最初に借り入れていることになります。

このように見ると200万円の車でローンを組んだ場合、通常のローンも残価設定プランも同じ200万円を借り入れているということです。

ここで先ほどの利息の計算式を思い出してみてください。 同じ借入額だった場合、速く返済していく方がトータルの利息は少なく済んだと思います。

それでは200万円の車を通常ローンで返済していく場合と残価設定プランで返済していく場合で比較してみましょう。

200万円の車を通常のディーラーローンで組んだ場合、月々の返済が例えば5万円だったとします。 一方で残価設定プランは200万円の車を、残価50万円を差し引いた150万円を毎月3万円の支払いで返済していくとします。 同じ借入額に対して、月々の返済が少ない方が当然借入残高の減りは遅くなっていきます。

その結果、同じ金利で同期間のローンを組んだ場合、残価設定プランは通常のローンよりも総額の利息を多く払うことになります。

例えば200万円の車を残価50万円の設定で5年間のローンを組むということは、イメージとしては200万円の車を7年の通常ローンを組んで、5年後に車を売って、そのお金で残った借入残高を一括で返済するのと一緒です。
通常のローンで月々の支払を減らすためには、支払の回数を増やす必要がありますが、その分利息を多く払うのと仕組みは同じです。

残価設定プランは「残価にも金利がかかっているから多く利息がとられる」という表現をよく使われますが、半分正解で半分不正解です。

残価設定プランの利息が多くなりやすいのは、単純に月々の支払いが少ないからです。
同じ借入額に対して、月々の返済が少ない人の方が利息が多くとられるのは決して不思議なことではないでしょう。

■残価設定プランで再ローンを組むのは損?

残価設定プランを利用した場合、プラン満期に車を返却するか、残価を支払ってその車に乗り続けるか選ぶことができます。
残価を支払う場合は一括で支払うか、再びローンを組み直すか選べます。

再ローンで残価を支払っていく場合、当然そこでも利息を払うことになります。 ここで気になることが、残価設定プランの場合、すでに残価に対しても利息を払っているということです。 そこから残価をローンで返済していくとなると、また利息を払っていくことになるわけで、残価に対して二重に金利がかかっているのではないか?と不安になるかもしれません。

それならば、最初から長期で通常のローンを組んでいた方がお得なのではないか?と多くの人が考えると思います。

実際は、金利が二重にかけられるということはありません。 さきほど残価設定プランは7年の通常ローンを組んで、5年後に借入残高を一括で返済するのと一緒だとお話しました。

利息の計算式に当てはめて考えると、5年の残価設定プランの後に、残価を再び2年のローンを組む場合と、最初から7年のローンを組むことと仕組み上は変わりません。

ただし、再ローンを組む場合は再び審査が必要で、残価設定プランのときと同じ金利で組めるとは限らないので、通常のローンと全く同じという訳ではありません。

だからといって、残価設定プランから再ローンを組むということは、特別損をするということはないですし、逆に長期で通常のローン組むよりも得をする場合もあります。

■通常ローンと残価設定プランは結局どっちがお得?

ここまでローンの利息について説明してきましたが、あなたが気になっていることは、結局どちらの方がお得に購入できるのか?ということだと思います。

結論から言うと、どちらがお得とは一概には言えません。
逆に言えば、残価設定プランは必ず損をするプランという訳ではないということです。

残価設定プランは仕組み上、利息が増えやすいのは確かですが、それは同じ金利で比べた場合です。 通常のディーラーローンよりも残価設定プランは金利が低く設定されていることが多く、車種よっては残価設定プラン独自の特別低金利キャンペーンをしていることもあります。

そういったキャンペーンを使えば、残価を含めた総支払額も通常のディーラーローンを利用するよりも安くすませることも可能です。

残価設定プランで再ローンを組んだ場合、金利がそれまでと異なる場合があるということをお話ししましたが、再ローンだと特別高い金利になるのかというと、そんなことはありません。 基本的には通常のディーラーローンと同じ金利になることが多いです。

そのため、長期で通常のディーラーローンを組んだ場合と比べても損をするということは少ないと思います。

ローンとしての仕組みは、実は通常のローンも残価設定プランもほとんど変わりません。
月々の返済額をどのように設定するかという違いです。

ただし、残価設定プランでは残価を保証するために、いくつか制限やルールが存在するので、合わない人が利用すると通常のディーラーローンよりも出費が多くなることもありえます。

通常のディーラーローンと残価設定プランでどちらがお得かは、購入者の乗り方や選ぶ車種などによって変わってくるので、どのようなプランを選ぶと1番お得になるのか、しっかりと調べた上で購入することをおすすめします。
残価設定プランに合った人が利用すれば、お得になることも多いので、ぜひ一度は検討してみてください。

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