プロメカニック視点 ホンダ ハイブリッドミニバンの人気に注目 | カーライフマガジン

2018年上半期、ミニバン国内販売台数を見てみると、前年度に比べホンダのステップワゴンが144.5%という驚異的な伸び率を記録したことがわかります。

同じホンダ車でいえば、フリードはファミリー層の顧客からの評価が高いですし、オデッセイも安定した人気を博しており、販売成績は右肩上がりです。

この3車種の人気を高い位置で安定させている共通の要因がハイブリッドエンジンの投入です。

自動車離れが進む現代において、定番のトヨタ車ではなくあえてホンダのミニバンを選ぶ理由。

今回は特にハイブリッドミニバンにフォーカスを合わせて、ホンダ車の魅力についてお伝えしたいと思います。

ステップワゴンハイブリッド 進化を経て得た驚異の人気

驚異的な国内販売台数を叩き出したステップワゴンハイブリッドですが、ステップワゴンは既にガソリン車の時点で相当数のファンを獲得してました。

そこに待望のハイブリッドエンジン。

偶然の結果ではなく、計算し尽くされて得た結果といえます。

ミニバンは重心が高くなり、コーナーなどで嫌な感触だったりふらつきを感じるものも少なくありません。

「商用車ベース・重量物搬送」の観点から生まれているステップワゴンは、基本的に低床設定。

必然的に重心が低くなり、ミニバンにありがちな違和感が軽減されています。

そして、ステップワゴンは【わくわくゲート】という縦横どちらも開くリアゲートになっており、そこから3列目の乗降もできます。

ダイブダウンの細かな作りなど、圧倒的な機能美を発揮してくれます。

この機構は、ミニバンとしての特徴を生かした素晴らしい発想です。

3列目にアプローチするには、これまで2列目を移動させなければいけませんでした。

このシートの移動作業が意外と負担になるのです。

しかし、リアゲートから直接3列目にアプローチすることができることで、乗降時のストレスを一挙に解消してくれました。

次に、ハイブリッドになったことによるパワーの安定化

商用車ベースということもあり、元々トルクフルな走りを見せてくれていたステップワゴンですが、低速走行時のモーターパワーによるダイレクトな走行感はガソリンエンジンの比ではありません。

トータルパワーも、ミニバンではトップクラスの215psをマークしています。

従来のミニバンは、坂道などのアクセルを踏み込む際にエンジン音の唸りが気になるものなのですが、ステップワゴンハイブリッドはその唸りがほとんどありません。

また、EVとエンジンのつなぎ目が完全に消えていることも人気の理由の1つ。

加速がグーッと後からやってくることがありません。

自然に回転数が上がっていく、ストレスを感じさせないリニアな走りにつながっています。

もちろん、通常走行時の加速も静かなのにパワフルな走りを見せてくれます。

ミニバンだということを忘れさせるような走りをしてくれるのもステップワゴンハイブリッドを選びたくなる理由です。

大き過ぎないのが良い フリードハイブリッドのサイズ感

次に紹介するのがフリードハイブリッドです。

コンパクトなミニバンというコンセプトに作られている通り、全てにおいて「ちょうど良い」を実現しています。

全長だけでみても一般的なミニバンと比べて約50cmも短くなっており、運転する際の距離感がコンパクトカー並の扱いやすさを感じられます。

「50cmぐらいで何が変わる?」と思うかもしれませんが、駐車場やせまいカーブなどで車両後方で発生してしまう内輪差がかなり小さくなります。

もちろん0ではありませんが、不安要素を限りなく0に近付ける工夫がこの50cmなのです。

さらに、フリードがファミリー層に人気が高い理由が間口の広さです。

例えば、ベビーカーなどの大きな荷物は3列目を左右に跳ね上げれば簡単に乗せれるフラットな作りになっています。

開口部の高さは約110cmもあるので、高さのあるものでも立てておけるという特徴もあります。

横幅も広く、3列目でもゆったり座れるといったところもフリードの特徴。

今までのように「3列目は狭い」という問題も解消してくれています。

こうなると気になってくるのがやはりエンジンですが、フリードハイブリッドはコンパクトだけが取り柄なわけではありません。

ガソリンエンジンでは若干のパワー不足を感じていましたが、ハイブリッド化することにより太いトルクが体感できるようになりました。

コンパクトにはなったものの、車高は従来のミニバンと同じだけあるわけで、重量もミニバン然としているフリードです。

ハイブリッドエンジンのトルクの太さが、フリードにあったパワー不足による不満を一気に払拭してくれます。

それと同時に、燃費性能の向上にも一役買っているハイブリッドエンジン。

このフリードハイブリッド、高速走行時の燃費が約20km/L強。

丁寧な走りであればもっと燃費は良くなります。

全てにおいて納得する事ができるミニバン、それがフリードハイブリッドです。

オデッセイハイブリッド ラグジュアリーとドライバビリティに溢れた1台

オデッセイは、ホンダが誇るラグジュアリーなミニバン。

私自身も、現在オデッセイハイブリッドを選んでいる1人です。

まず何よりも高級感があり、上品なデザインです。

徹底した低床設計による低車高、ミニバン特有の高重心を一切感じさせません。

LEDランプを標準装備していて、夜間視認性にも特化しています。

内装もシンプルなデザインが特徴的で、運転席も無駄を一切排除したスッキリしたデザインが私は気に入っています。

このオデッセイハイブリッドは、絶対的に後部座席に乗車することをオススメしたい自動車です。

なぜなら、最高級のソファをシートに採用したかのような至上の快適がそこにあるからです。

私自身はドライバーとして乗車するばかりですが、できる事なら私も後ろに座りたいと常日頃から感じています。

通常ピラーなどに固定されているシートベルトですが、7名乗車仕様を選択する事で標準装備される2列目プレミアムクレードルシートなら、シート自体にベルトが設置されるのです。

「たったこれだけのこと?」とお思いですか?

はい、これだけのことです。

しかし、シートベルトがシートに付いていることにより、3列目を収納し2列目を大幅にスライドすることが可能となり、最高の居住性を確保することができるのです。

ロングスライド機能や中折れ機能、リクライニング機能もついて、大きめのヘッドレストも完備されていて、3列目の乗り心地も申し分ありません。

運動性能で素晴らしいのがしっかりとした足周り。

何よりしなやかに路面に吸い付くような乗り心地が良いです。

これは、上位グレードであるアブソルート専用チューニングサスペンションのおかげであり、ミニバン特有の乗り心地問題を解決してくれました。

3列目に大人が乗ったり重たい荷物を運んでももちろんしっかりとした乗り心地で快適です。

エンジン性能は文句の付け所がありません。

オデッセイハイブリッドの燃費は26km/Lとミニバンの中では最高峰。

ガソリンを徹底して使わなくするため、EVドライブモードを発進時だけでなくあらゆる走行時にも採用する事で優れた燃費性能を実現しています。

力強い加速時などはガソリンを使いますが、圧倒的なEV航続時間がここまでの数字を叩き出してくれているのです。

ホンダのハイブリッドミニバンが人気な理由 安全性能の高さ

ホンダのミニバン全体にいえるのが安全性能が高いこと。

特にシート設定位置が絶妙で、運転しやすくカーブでも視界を遮ることがありません。

左右どちらに曲がる際にも視界がはっきりとしていて、事故防止に大きな貢献をしてくれています。

そして、ホンダはHonda SENSINGなどの先進安全性能に加え、衝突安全性能にも力を入れています。

独自の衝突安全ボディ G-CONにより、自車だけでなく相手に与える衝撃も最小限に抑える構造を取り入れています。

そして、安全面のみにどどまらず環境面にまで配慮した結果生み出されたオデッセイハイブリッド。

ホンダのこだわりが詰まったこの車、人気が出ないわけがありませんでした。

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