大型免許が必要な車はどれ?トラックに乗る前に知っておきたい予備知識 | カーライフマガジン

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自動車業界の経験者が教える、他では聞けない「クルマの基礎知識」

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トラックドライバーになるなら、ある程度の基礎知識が無いと、確信を持って安全運転はできません

普通自動車とは乗り心地も、運転の感覚も全く違う大型車自動車は、習うより慣れろ精神ではなく、事前の知識も実践同様に重要。

初めてトラックに乗る初心者ドライバーの為に、乗る前に知っておきたい予備知識を紹介します。

ここで知識を身につけて、安全で安心な業務を心がけて下さい。

1.トラックの運転資格

まず、トラック運転免許証を確認して下さい。

トラックが運転できるといっても、重量や免許証に記載されている条件によって制限されてしまいます。

ちなみに、普通自動車運転免許でもトラックの運転は可能ですが、既定の総重量内であれば【1t】から【1.5t】トラックまでと決まっています

それ以上の車輛を運転するならば、別の免許が必要です。

 ❏5t限定の【準中型免許】:2tまで
 ❏【准中型免許】以上:4tトラックから

このように、免許証によって運転できる重量の制限があります。

しかし、中には2tトラックでも準中型免許で運転できないものがあります。

准中型免許以上になると、中型や大型といった車輛を扱える様になりますが、車輛によって既定範囲が変わるのです。

こういった場合が起こり得るので、トラックに乗る前は必ず免許証を確認して下さい。

自分の持っている免許では扱えないトラックに乗っていた場合【刑事罰】が課せられる事もあり得ます。

「トラックの免許だから大丈夫!」と、いう自己判断ではなく、持っている免許で判断する様にして下さい。

2.トラックのサイズ

トラックと一口にいっても、大きさがそれぞれ違います。

大型車 中型車

小型車

大型車の運転には【大型免許】が必要です。

大型車に当てはまる条件は、車輌総重量が【11t以上】または、最大積載量が【6.5t】もしくは定員が【30人以上】となります。

最高速度は【90km/h】で【速度抑制装置】の取り付けが義務付けられています。

中型車は、大きさが様々な為、大型免許が必要なものもあります

基本的には【中型免許】で運転でき、当てはまるものは車輌総重量が【5t以上】または、最大積載量が【3t】、乗車定員が【11人以上】です。

【准中型免許】では、車両総重量が【3,500kg以上7,500kg未満】で最大積載量【2,000kg以上4,500kg】未満、乗車定員は【10人以下】の車輛となります。

平成19年の法令改正以前は、中型8t限定免許として普通自動車免許でも運転できました。

しかし、現在は【8t限定を解除】しないと規定を満たす車輌の運転が認められていません。

小型車は普通免許で運転できます。

小型といってもトラックですから、それなりの車体と車高があり、初めての場合は戸惑う人が多い車輛です。

サイズが違うだけで必要な免許も変わってくるので、乗ろうとしているトラックが、どの車輛に当てはまるのか要確認です。

3.駐車場やトンネルでは車高制限に気を付ける

普通乗用車を運転している時は、さほど気にならない車高。

一般的な自動車は、高さを気にする事なく、立体駐車場やトンネルに入る事ができます。

しかし、トラックを運転している時も同じ感覚で入ろうとすると、事故に繋がってしまいます。

「たぶん大丈夫だろう」と、運転している車の高さを把握していないと、上の部分が引っかかってしまう事があるのです。

車高制限に引っかかってしまっては、安全な運行とはいえません。

大渋滞を起こしてしまったり、思わぬ事故に繋がったりと、命の危険が伴います。

トラックに乗る時は、普通自動車の感覚を捨てて下さい。

4.トラックを安全に運転する為の予備知識

トラックを安全に運転する為には、普通自動車免許の知識だけでは不十分です。

気を付けなければならないのは、車高の高さの問題だけではありません

 •トラックと普通自動車の違い

トラックと普通自動車の違いはざっくり挙げても5つあります。

 ❏車体の大きさ  ❏視界の高さ  ❏後方確認のしづらさ  ❏死角

 ❏内輪差

トラックは普通乗用車と比べて車高が高く、車体も長い為、運転のしづらさを痛感します。

これは慣れていくしかないのですが、慣れるまでに事故をしてしまっては意味がありません

更には、トラックならではの死角や内輪差で、歩行者を巻き込んでしまう事のないように、気を付けなければなりません。

習うより慣れろではなく、知識を持った上で業務に臨んで下さい。

自動車との違いを踏まえながら、トラックを安全に運転する為のポイントを紹介します。

•追突防止の為のポイント

 
トラックは車高が高く見下ろす為【車間距離】が長く見えてしまいます。

その為、思ったよりも車間距離が取れておらず、追突事故になるケースも多く見られています。

4tほどのトラックの場合、車高は【約2m】に対して、自動車は1.2mです。

感覚的には普通自動車の【1.5~2倍】の高さです。

更には、昼間よりも夜の方が【動体視力】が低下する傾向にあります。

これによって、スピードを出せば出すほど動体視力が低下してしまうのです。

「全然スピードが出ていない」と、ついアクセルを踏んでしまい、思った以上のスピードを出していたという事に繋がります。

トラックはそれなりに重さがある為、ブレーキを踏んでも普通自動車のようには止まれません。

また、人間はスピードが出る程【視野が狭くなる】ようにできている為、高速道路では特に注意が必要です。

これらの原因から、トラック運転は追突事故を招きやすくなっているのです。

身体の感覚ではなく【スピードメーター】をしっかり確認して、いつもより車間距離を広めに取る事がポイント。

慣れてくれば「見晴らしが良くて運転しやすい」と、車高の高さも怖く感じなくなります。

メリットだと思えるようになるまでは、車高の高さに浸る事なく、細心の注意を払って下さい。

•内輪差とオーバーバングに注意!

トラックには【オーバーハング】という、後輪からはみ出た部分が存在します。

この部分を配慮せずにハンドルを切ってしまうと、事故を招きかねません。

 ❏カーブ
 ❏車線変更

この2つの運転では特に注意が必要です。

曲がる時にオーバーハングの角をぶつけてしまったり、車線変更で隣の車線にお尻部分がはみ出てしまいます。

スピードを出している高速道路なら尚更危険です。

右に運転席があるトラックの場合、左側の死角が大きくなります。

左側は【バックミラー】と【アンダーミラー】に映る範囲でしか確認できません。

安全に後退するならば、一度トラックから降りて自分の目で確認するのが一番です。

こういった事を面倒くさがらず、誘導して貰う場合も【過信せずに確認】する事が先決。

トラックは基本的に【ルームミラー】が無い為、最初は戸惑います。

サイドミラーがカバーしてくれる為、別段問題はありませんが、最初はソワソワしてしまいます。

どこが見えていないのか、ミラーで見えない範囲を把握しておいて下さい。

そして、トラックの内輪差は【脱輪】も怖いですが、歩行者を巻き込む事故が重大です。

後部が、通常よりも長い事をしっかり頭に入れて置いて【左折】する時は【巻き込み確認】を行って下さい。

また、狭い道路での左折は、車体が円を描く様に大きく膨らんで【センターライン】をはみ出してしまう事があります。
これは【道路交通法違反】になってしまう為、左に寄って左折する事を意識して下さい。

5.トラックの積荷には制限がある!

普通自動車と違って、沢山荷物を積めるのがトラックの良い所です。

しかし、積めるだけ積めば良いというものではありません

トラックにはそれぞれ【載積制限】が決まっています。

過積載は【法律違反】にあたります。

更に、過積載の状態で運転していると、事故のリスクが高まり危険です。

 ❏カーブでバランスを崩してしまう  ❏ブレーキが利きにくくなる  ❏ぶつかった時の衝撃が増大する

 ❏下り坂でスピードが出すぎる

カーブでバランスを崩すのはある程度想像が付きますが、ブレーキが利きにくくなるのはかなり致命的。

ブレーキを踏んでからの停止距離が長くなる為、横断歩道にはみ出してしまう事にもなりかねません。

急ブレーキをかける際にも、車体が揺れて大変危険です。

また、追突事故などで前方車にぶつかった際の衝撃が大きくなってしまいます。

過積載のせいで、スピードが出すぎてしまい。勢い余って【玉突き事故】を起こしてしまう恐れもあります。

•トラックの最大載積量をチェック!

過積載にならない為には【最大積載量】を知っておく必要があります。

大型トラックの場合、車両総重量は【20t】です。

キャブやシャーシの重さと、乗員定員が決まれば【車両総重量ー(車両重量+乗車員等の重量)】で最大積載量を求められます

よく「4tトラック」などと呼んだりしますが、これは積載量を現した数字ではありません

ここでの数字は標準の積載量を示しているだけな為、クレーンなどの部品が付くと話は変わってきます

過積載にならないように、重量を計算してバランスの良い車体で走行して下さい。

載積量はトラックの種類で変わる

❏平ボディ ❏バンボディ ❏ウィングボディ ❏ユニック(クレーン)

❏テールゲートリフター

【平ボディ】は、その名の通り荷台がフラットなトラックです。

広い荷台が貨物の積み降ろしにストレスを感じない嬉しい万能型。

しかし、荷物を保護する壁や屋根がない為、シートで覆うなどして保護しなければなりません。

雨風が強い時などは少々大変です。

バンボディは箱型なので【箱車】とも呼ばれています。

こちらはきちんと囲われている為、雨風から荷物を守る事ができますが、リフトでの積み降ろしはできない仕様です。

【ウィングボディ】は、カーゴのデメリットである1つしかない積み込み口を大幅に広げた箱車になります。

後方1つ口のカーゴに対し、両サイドを羽のように開くことでキャビンギリギリまでの積み込みが容易になります。

効率的に荷物を扱いたい時にはかなり重宝します。

ただ、ボディの開閉動作に必要な【油圧装置】や【電動モーター】が搭載されている関係から、バンボディよりも車両重量は重めです。

【ユニック】はあらゆる建設現場などで大活躍しています。

荷台に数段の伸縮ができるクレーンを搭載したトラックで、ブームと呼ばれるクレーンの首の部分とワイヤーの耐荷重量を計算して、とても効率良く作業を進められるトラックです。

【テールゲートリフター】は、荷物を上げ下げする事ができるので、荷物の搬入などがスムーズにできます。

この為、小売店やコンサート会場などでも、機材や荷物を運ぶ際に大活躍しています。

6.基本的なトラック用語

トラックを運転する上で、基本となる用語を覚えておいて下さい。

❏エアサスペンション(エアサス)

【エアサス】と略して呼ばれている、エアサスペンション。

主に中型や大型トラックに装着されており、トラックの【振動を軽減】する機能があります。

【リーフサスペンション】という【板バネ】とも呼ばれる箇所が振動を抑制する為、荷物へのダメージも防止できます。

❏オートマチックトランスミッション(AT)

MTが主流だった時代を経て、最近のトラックにはATも設定されています。

これによって、運転動作がシンプルになり【燃費の向上】に繋がっているという例もあるのです。

また、MTに比べて操作が簡単な為、ドライバーの疲労軽減となり、事故の防止にも役立っています。

❏デジタルタコグラフ(デジタコ)

仕事でトラックに乗るなら【デジタコ】のお世話になるはずです。

デジタコは、事業用の車両総重量【8t以上】のトラックには装着が義務付けられています。

これは、時間、距離、速度を記録して、運転者がどのような運転を行っているのかを記録する装置です。

詳細な運行データを記録してくれる為、ビジネスの向上を目指す事はできますが、ドライバーからすれば監視機能です。

「少し休憩したいな」と、いう時にも、迂闊にのんびりできないのが残念な所。

しかし、オンとオフの切り替えも大事です。

休憩も立派な業務の1つと割り切って、自由になる事も任務と思って下さい。

7.参考になるトラックドライバーあるある

トラックドライバーあるあるも紹介しておきます。

現場で活躍しているトラック野郎達の実体験を、ぜひとも実践に活かして下さい。

•携帯トイレは必需品!

意外とトイレを我慢しながら運転しているドライバーが多いです。

長距離ドライバーになればなるほど、指定時間に届けなければならないという時間の制限も出てきます。

この為、頻繁に休憩ができなかったり、高速道路だと休憩所が20km先にしかないケースもあり得ます。

トラックドライバーだけに限らず、トイレ問題はドライバーには死活問題。

トラックに乗る事が仕事になれば重要です。

そこで、トラックドライバー達は携帯用トイレを車内に常備しています。

いざとなった時のお守りとして、携帯トイレは必須です。

•眠気対策は無い!

眠気防止のドリンクなどが出回っていますが、実際の所、眠気対策はありません。

眠気は生理現象でもありますから、勝とうとする方が無謀です。

たまに【居眠り運転】の事故がニュースになっていますが、ムリは禁物。

ドライバー達は眠気が来たら素直に休憩して【仮眠】を取っています。

眠気が来たら、頑張らずに安全な所に停車して眠りについて下さい。

•トラックドライバー達のスマホチャットがある!

無線の時代は【隠語】を使って情報交換をするなど、切磋琢磨していました。

しかし、片手運転が違反となった今、無線も無くなり、ドライバー達は孤立します。

そんな中、現在ではスマホのグループチャットで喋っている人が多い傾向にあります。

深夜になればなる程、自動車の数も減って心細くなります。

そんな時、ドライバー同士繋がって喋る事で、眠気防止にもなり、情報交換もできます。

中には、夜通し喋り続けている人もいるのです。

1人で運転している為一見孤独に見えますが、いつも繋がっていられるツールがあるのは、良い環境だといえます。

まとめ トラックの運転は予備知識があれば怖くない!

「何事もやってみなければ分からない!」と、高を括りがちですが、公道を走る限り無謀な事は絶対に避けなければなりません

トラックは普通自動車よりも大きく、事故の際にはあなた自身も周囲の被害も尋常ではありません。

そんな大きなものを動かすのですから、しっかりとした知識を持ったうえで技術を磨いて下さい。

常に安全を意識した運転を心がけてください。

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