クルマを購入するときに、売却のことを考えて自動車を選ぶ人はあまりいないと思いますが(もちろんそういう方もいらっしゃいます)、どうせなら、高く売れる車であれば、乗り換えるときに嬉しい物です。
一般的にリセールバリューが高い車種があることはよく知られていますが、車種でなくもう少し大きなくくりでメーカーごとのリセールバリューに傾向はあるのでしょうか。
■このメーカーの車なら安心・トヨタ
トヨタは日本を代表する自動車メーカーです。
トヨタの乗用車は耐久性が高いという評判があり、人気があるため、売却価格の相場は高めとなっています。
トヨタの自動車のなかには、ランドクルーザーやハイエースなど、日本国内外で人気の車種もありますし、ハイブリッド車のプリウスやアクアなども人気です。
全体的に見てトヨタの車であれば売却時も高値を期待できます。
トヨタ車は万人に受け入れられる車を作って来たため、マーケティング主導、走らせても楽しくない車と揶揄されたこともありました。
しかし、モリゾーこと豊田章男社長になってからは、走りの質感なども考慮するようになってきましたので、今後もっと人気が高くなるかもしれません。
よく「スポーツカーはリセールバリューが低い」といわれますが、スバルと共同開発のトヨタ86(ハチロク)もかなり高く売却できます。
今後は、セリカから派生した往年のスポーツカー「スープラ」もBMWとの共同開発で数年でリリースされると言われてますので楽しみです。
■軽自動車ならダイハツで決まり
ダイハツは、軽自動車の人気が高く、中古車としても高値で売れるため、リセールバリューが良いメーカーといえます。
ただし、ダイハツで人気があるのは軽自動車に限ります。
ダイハツの普通車を買うのであれば、トヨタ車にしておいた方が無難です。
最近ダイハツのブーンがフルモデルチェンジされ、評判が良いようですが今後トヨタの子会社となり普通車の人気も高まるのではないでしょうか。
■どこにもない技術とエンジンの気持ちよさが人気・ホンダ
ホンダは、独自のセンタータンクレイアウトを採用したオデッセイやフィットの人気が高いメーカーです。
最近ではステップワゴンで他の国産メーカーに先駆けてダウンサイジングターボを導入するなど他のメーカーと異なる技術を採用する傾向があり、その点でも人気があります。
また、ホンダのエンジンは昔から高回転型NAエンジンの代表格として有名でした。
可変バルブタイミング&可変リフト量機構を備えたVTECエンジンの技術は、現在のホンダ車のエンジンにも引き継がれていますね。
ホンダは日産やトヨタほどの車種展開がありませんが、根強いファンがあり当たりといえる人気車種が多いので、全体としてリセールバリューが高いといって良いでしょう。
見出し:ハイブリッドで出遅れたがコンパクトカーは人気・日産
日産はトヨタに次いでラインナップが充実しているメーカーです。
日産の売れ筋であるBセグメントコンパクトカーカテゴリーのティーダ、マーチ、キューブ、ノート、ジュークなどの売れ筋の車は売却時も高値が期待できるでしょう。
反面、ハイブリッドでは出遅れた感があり、ハイブリッドのラインナップという面ではあまり期待ができません。
日産の人気車はBセグメントのコンパクトカーの他にミニバンのセレナ、エルグランドなどが人気です。
国産でほぼ唯一と言っても良いスーパースポーツのニッサン・GT-Rや、スポーツカーのフェアレディZも、高値で売却が期待できる車種です。
■CX-5以降の車が激変で人気、ミニバンはイマイチ・マツダ
マツダは、CX-5で初のフルSKYACTIVEを採用して以降ヨーロッパ車を彷彿とさせる操縦安定性や乗り心地で人気が出てきました。
CX-5以降のマツダ車は、車種によっては高値で売却できる物もありますが、全てのマツダ車がそうではないと言うことに注意が必要です。
SKYACTIVE以前のマツダは人気が無く、常に大幅な値引きによって車を販売していたため、必然的に中古車価格も下がり、売却価格の相場も下がるという負のスパイラル状態でした。
CX-5移行のマツダ車は、値引きを抑えて販売しているため以前ほどの買い取り価格の下落はないようです。
また、マツダが廃止する事を決定しているミニバンカテゴリーのプレマシーやビアンテは一世代前の車ですし、今から購入するべきではないでしょう。
マツダと言えば、ロータリーエンジンが代名詞でしたが、RX-7とRX-8が廃止されて以後、しばらくロータリーエンジンの市販車は販売されていません。
2015年の東京モーターショーで発表された「Mazda RX-VISION」の市販化が楽しみです。
■コアなファンに支えられるが、一般受けは今ひとつ・スバル
スバルは、4輪駆動+水平対向エンジンという組み合わせで独自のポジションを築いているメーカーです。
アイサイトというステレオカメラを用いた衝突被害軽減ブレーキを安価でオプション設定し、「ぶつからないクルマ?」というキャッチコピーでプロモーションを行い、衝突被害低減ブレーキの普及に一役買いました。
このような独自技術で特徴のあるスバルの自動車のリセールバリューはというと、一般受けしにくいスポーティー路線のクルマが多く、環境重視の車が少ないこともあり、一般的なユーザーの評判は今ひとつ良くないようです。
コアなファンは存在しますが、一般受けが悪いため全体的な売却価格の相場は低めとなってしまうようです。
例外として、スバルWRX STI、BRZなどの走り重視の車の買取額は高めとなります。
見出し:度重なる不祥事で、中古も新車も大ダメージ・三菱
三菱は、リコール隠しのマイナスイメージが払拭できないまま、軽自動車の燃費測定不正問題が発覚し、普通車・軽自動車共に買い取り価格は低いと思うべきでしょう。
それでも、SUVブームで大活躍したパジェロや、WRCラリーで活躍したランサーエボリューションに限っていえば、高値を付ける可能性はあります。
■販売方法が原因で、買い取り価格低迷・スズキ
VWとやっと縁が切れたかと思ったら、三菱の燃費測定問題にも巻き込まれてしまったスズキです。
スズキと言えば、ジムニーというクロカン4駆がありますね。
ジムニーに関して言えばリセールバリューはかなり高いというデータがあります。
それ以外で言うと、ワゴンRやスイフトなどの軽自動車とコンパクトカーありますが、リセールバリューが高い車種はあまりないと言えます。
その理由の一つには、スズキディーラーの販売台数による報奨金を目当てにした、新車を登録だけして中古市場に流すという売り方が横行していることも無関係ではないはずです。
新車同様の自動車が新車価格より安価で中古車として市場に流れると、それは新車の値段を下げてしまうのと同じ行為といえるためです。
■輸入車買うならリセールバリューは考えない方が気が楽かも
輸入車でいうと、一部のメーカー以外はリセールバリューの高いメーカーは少ない状況です。
ドイツ御三家と言われているメルセデス、BMW、アウディですら新車販売価格に対して売却額は高いとはいえません。
輸入車でそれなりのリセールバリューを持っているメーカーはポルシェと、BMWのブランドのMINIだけです。
輸入高級車は、リセールバリューを考えるとオススメしにくいカテゴリーになってしまいます。
逆に言うと、輸入車の新車価格が高すぎて市場の価値観とマッチしないともいえるかもしれません。
■リセールバリューが全てではないが、知っておいて損はないかも
メーカーというカテゴリーだけでリセールバリューを語るのは本当は難しいのですが、ある程度の傾向は見えるのではないかと思います。
クルマを買うときに、リセールバリューだけを考えて選ぶのはつまらないですが、次の買い換えのことを考えて、このような情報も頭の片隅に入れておいて頂ければ、楽しいカーライフを送ることができるのではないかと思います。