【みちびき】カーナビ技術はこんなに進化していた!GPSはもう古い!?【VICS Wide】 | カーライフマガジン

最近の車は、輸入車をはじめとして国産車でも最初から車にメーカー製のカーナビが標準装備されていることが多くなってきました。

しかし、まだまだ後付けのカーナビを取り付けることができる車も多くあります。

日本の市販カーナビはさまざまなメーカーから特色のあるモデルがたくさん販売されていて選ぶのも大変です。

今回はそんなカーナビの注目の新技術について見ていきたいと思います。

■最近の流行は2DINかポータブル

以前のカーナビには2DINの大画面タイプ、モニターが1DINサイズで収納できるタイプ、後付けモニターと本体が分離したタイプ、外付けモニターに本体が一体化したポータブルタイプなどさまざまな種類のカーナビが存在していました。

しかし、現在では2DINの大画面タイプとポータブルタイプ以外は、ほとんど市場から姿を消しています。

また、以前は記録媒体にハードディスクやDVDが使われていましたが、より速度が早くて信頼性の高いSSDや、安価で扱いの簡単なSDカードなどが使われるようになってきました。

■大画面化が主流

2DINモデルの大画面化はアルパインが発表したBIG-Xというモデルを皮切りに、それまで7インチや8インチが限度だった2DINタイプのモニターサイズをなんと、現在では11インチの超大画面サイズまで拡大し、選べるようになっています。

実際どうやって11インチのような大きなモニターを車に収めることができるかというと、アルパインが独自に車種専用の取り付けキットを準備することによって実現しています。
車内のパネルを交換して、純正同然の取り付け状態を実現できるアルパインのBIG-Xは対象車種をミニバンとしたこともあり、ヒットとなりました。

そして、それに続くようにパイオニアも10インチサイズモニターを車種別取り付けキットを設定して対抗しています。

パナソニックは、アルパインやパイオニアとは少し違い、汎用の2DIN取り付けでモニターだけをアームを使って浮かせて、フローティング構造とすることにより車種にこだわらずに9インチの大画面モニターを設置できるモデルであるストラーダF1Xを用意しています。

また、このストラーダF1Xはハイレゾ音源の再生やブルーレイディスクの再生にも対応してます。

■VICS Wide対応

道路の渋滞情報はVICSによってカーナビに届けられていますが、2015年にVICS Wideという新サービスが提供開始されています。
このVICS Wideに対応したカーナビの場合、次のようなメリットを得ることができるのです。

道路、交差点ごとの通過時間

目的地に対してルートが複数ある場合、今までのVICSでは渋滞していない道路を選択するのが精一杯でした。
しかし、VICS Wideであれば道路の通過時間を考慮してルート計算を行うことができるので、少し渋滞がある道と渋滞の全くない道でも、通過時間が早いのであれば渋滞のある方をあえて選択するということもあるのです。

同様に交差点の直進、右折、左折の状況によって渋滞具合が異なる場合にも交差点のそれぞれの通過時間をVICS Wideが提供してくれるので、カーナビはさらに詳細なルート計算を行うことができるというわけなのです。

プローブ情報の利用

これらの道路や交差点の通過時間の予測に関しては、タクシーなどの走行データを収集して渋滞情報として活用するプローブ情報を利用しているのもVICS Wideの特徴です。

これまでのVICSでは、道路に設置された車両検知器によって渋滞しているか車が流れているか判断していたため、渋滞情報を提供できる道路が限られていました。

しかし、実際に走っている車の情報であるプローブ情報を利用すれば、幅広い道路に対して渋滞状況や通過時間の情報を提供することができるのです。

警戒情報の提供

また、気象情報である津波の警報に加えて、火山の噴火情報や高潮、大雪などの情報をVICS Wideが提供してくれるようになりました。
車に乗車中に災害が発生しても即座に避難行動をとることができるようになっています。

また、最近増えているゲリラ豪雨などの集中降雨情報もVICS Wideで提供されますので、冠水路に入ってしまって立ち往生するというようなトラブルを避けることができるのです。

■準天頂衛星「みちびき」対応

GPS(Global Positioning System)は、これまでアメリカの衛星から発せられる電波を受信して自車の位置を測定していました。
GPSによって正確な位置情報を取得するためには4機の衛星からの電波を受信する必要があります。

しかし、GPSはアメリカの衛星ですので、常に日本の上空にいるとは限りません
そのためにGPSでは時間や場所によって位置情報をうまく取得できなくなることがしばしばありました。

それを補完するためにカーナビではルートマッチングや、車速情報の取得やGセンサーを搭載するなどして対応きました。

しかし、つねに日本上空に衛星があれば解決できます。

人工衛星「みちびき」は、ほぼつねに日本の上空に存在する“準天頂衛星”とよばれるもので、現在3基が打ち上げられています。

この衛星の電波を受信すると自車位置の精度がこれまでの数メーターの誤差から数センチの誤差となり、非常に精度の高い位置情報の取得が実現するのです。

ですので、精度にこだわってカーナビを選ぶのであれば、「みちびき」に対応しているかどうかを確認することが重要でしょう。

■カーナビの操作レスポンスの向上

一昔前のカーナビは、地図の拡大縮小やスクロールはお世辞にも早いとは言い難いものでした。
それは、自動車の過酷な環境で安定して動作するためにはハイスペックな機器を使用できないという制限のためでした。

しかし、最近のカーナビは処理速度が向上し、スマートフォン並みとは言えないまでも、それなりのスピードで地図の拡大縮小やスクロールに対応しています。
スマートフォン並みのフリックやビンチ操作で地図を操作することが可能なものもあります。

ナビゲーションを選ぶときには、地図操作にストレスがないかよく確認しましょう。

■カーナビ選びもマイカー選びの一部、自分に合ったものを選ぼう

昔よりも販売されている機種が少なくなったとはいえ、まだまだサードパーティのカーナビにはさまざまな機種があり、選ぶ楽しみもあります。

もし、カーナビを選ぶことができる車を買ったのであれば、カーナビ選びもこだわって自分にぴったりの性能のものを選ぶ楽しみを味わってください。

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