自動車業界の経験者が教える、他では聞けない「クルマの基礎知識」
まだまだ市民権が薄いPHV。
これまでホンダではPHVの一般販売はしておらずリース販売のみを行ってきました。
そんな中、2018年7月に突然新しいPHVを販売すると発表。
それがクラリティPHEVです。
1.セダン×PHV=新しいホンダ車
ホンダが掲げたのはPHEV。
ただのプラグインハイブリッドでない次世代のプラグインハイブリッドです。
中型セダンのクラリティにPHVを追加し、初の電動化に乗り出しました。
セダンといえば高級車の代名詞。
それと次世代自動車といわれているPHVを掛け合わせるとは、これはもはやPHVの新しい形というよりも、高級車の新しい形です。
初の一般販売となるクラリティPHEVの気になる性能はどれほどのものなのか。
2.クラリティPHEV
そもそも、国内で販売されているPHVは今まで2つでした。
➢トヨタのプリウスPHV
➢三菱自動車アウトランダーPHEV
PHEVは電気走行を中心としていますが、以下の3つのドライブモードを搭載しているという欲張り設定。
➢EVドライブ ➢ハイブリッドドライブ
➢エンジンドライブ
バッテリーの充電状態や走行の状況に応じて最適なモードで走行することができます。
また、車内はセダンの高級感を残しつつ、ゆったりとくつろげる5人乗り空間となっています。
3.ホンダPHVを選ぶメリットとデメリット
・ホンダPHVを選ぶメリット
❖PHEV装備
外出先でも充電しやすい急速充電機能が搭載されています。
普通充電はもちろんのこと、この2つが標準装備。
❏急速充電
❏外部給電ポート
国際標準規格CHAdeMOに対応しているので約30分で満充電量の80%の充電が可能です。
EVでは充電時間がネックでしたが、PHEVであればそのウィークポイントを解消することができます。
また、急速充電中にパワーモードをオンにするだけで今までよりさらに快適性が高まるのです。
➢エアコン ➢オーディオ
➢シートヒーター
この3つが平常使用できるので、電気が溜まるまで暑さや寒さに耐えなければならないということはありません。
❖地球にもお財布にも優しい!
長距離ドライブでない限り、PHEVは電気走行が中心なので、通勤利用やちょっとしたおでかけ程度であれば、エコなドライブを続けることができます。
また、PHEVは減税対象や補助金対象になっているので、地球だけでなくお財布にも優しいところも嬉しいポイントです。
PHVにおいては以下4つの減税や補助金が対象。
➢自動車重量税 ➢自動車税 ➢自動車取得税のエコカー減税
➢クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金
平成30年6月30日現在では補助金の額は、国内外のメーカー車種問わず20万円
但し、補助金申請の際は4年間乗ることが条件となっています。
❖驚きの走行距離!
電気だけで走るEVモード走行距離は114.6km
これはリース販売していたアコードPHVモデルの約3倍というから驚きです。
それだけではありません。
これまで、PHVの中では最長といわれていたトヨタプリウスPHVの68.2kmを軽く超えているのです。
こんなにも長時間の電気走行が実現できたのは、利益に走らなかったホンダの本気で自動車と向き合う姿勢のおかげです。
クラリティPHEVには、EV同等の大容量バッテリーと電動モーター1.5リッターのエンジンを搭載しています。
貯めた電気がなくなった場合、エンジンで電動モーターを強制的に動かして電気を作り、自動車を動かすという仕組み。
え、どうせエンジン動かすならそのままガソリンに切り替えて走れば早いじゃんって思いますよね?
しかしそのような変則機構を加えると、重量が加算されてしまい燃費に悪影響を及ぼしてしまうのです。
ホンダはいかに軽く、十分なパフォーマンスを発揮できるかという点に着目し、バッテリーやモーターの性能を向上させたことで、EVでの長距離走行を可能としました。
こんなにも電気走行が安定している今、どこまでも無限に走ることができそうな錯覚に陥りそうです。
しかし、結局は走りのクオリティがバッテリー残圧に依存してしまうというところが実際の姿。
そのため、電気走行の上限が分かるように、アクセルペダルを一定量踏み込んだ位置にスイッチを押すような反力が生じるようになっています。
運転中でも感覚的に知ることができる便利な機能です。
❖自動車とつながる先進機能
スマートフォンからHonda Remote Appのアプリを使えば、航続可能距離や高電圧バッテリー残量の情報を見ることができます。
また、タイマー充電設定や充電用リッドのオープン、エアコンのON・OFFの操作や出発時間に合わせたタイマー設定まで遠隔ですることが可能。
いつも持っているスマホでこれだけ操作できたらかなり手間が省けます。
❖広い駐車場でも困らない
Bluetoothなどの通信機能を使って、鍵のかけ忘れや半ドアも知らせてくれます。
この機能で一番身近で便利なのは、広い駐車場で自動車を見つけることができるカーファインダーです。
この機能のおかげで駐車場で自動車を探し回らずに済みます。
❖安全装備が充実!
Hondaといえば先進の安全運転支援システムHonda SENSINGです。
クラリティPHEVでは8つあるこの安全機能を標準装備しています。
➢衝突軽減ブレーキ<CMBS> ➢歩行者事故低減ステアリング ➢誤発進抑制機能 ➢路外逸脱抑制機能 ➢標識認識機能 ➢LKAS<車線維持支援システム> ➢先行車発進お知らせ機能
➢渋滞追従機能付ACC<アダプティブ・クルーズ・コントロール>
ミリ波レーダーと単眼カメラを融合した探知機能により、クオリティの高い予防安全性能を実現しています。
中でも、標識認識機能は特に知らない土地でのドライブに重宝するアイテム。
迷いながらの運転は、ついつい一方通行や進入禁止の標識を見落としがちです。
歩行者に対する安全装備もあり、乗る人とそうでないすべての人の立場に立って安全装備がされていることが良く分かります。
•ホンダPHEVを選ぶデメリット
❖価格が高い
クラリティPHEVは新車価格|588万円〜(税込)となっています。
これは普通車でもかなりの高級車クラス。
確かに、セダンなのでこの金額でも不思議ではありません。
ですが「大人数を乗せてこその自動車だ」と思っている移動手段型の人にとっては、ミニバンの方がお得に見えてしまうのも事実でしょう。
さらに、ボディカラーで以下のバリエーションを選ぶと更に43,200円追加になります。
➢プレミアムディープロッソ・パール ➢プラチナホワイト・パール
➢スーパープラチナ・メタリック
❖走行距離が少ないと損?
PHVのメリットとしてガソリン代を節約できるという面がありますが、この恩恵が充分に受けられるのは走行距離の多い場合です。
初期費用が高くても、ガソリン代が浮けばその分全体的な維持費は抑えられるからです。
しかし、走行距離が少ない場合「長期的に見ると普通車でもよかったのでは…?」という疑問が浮かぶのも事実。
また、日本充電サービスでのカードは急速充電+普通充電の基本利用金のみで4,200円かかることになります。
よって、クラリティPHEVを検討するのであれば、今のガソリン代が月に4,000円を越えているかどうか比べてみることをオススメします。
まとめ PHEVは長距離ユーザーの味方!
PHEVがもたらす影響は計り知れないほど大きなものの、その恩恵にあやかるためにはそれなりのコストを要することとなります。
ガソリン代のように日常生活に直結するものや、維持費・税金面のような年単位での恩恵などがあるのがエコカーとして存在するPHEVのメリットです。
導入コストや、新たなシステムの導入による未知なるトラブルなどのデメリットを鑑みても、これから先その存在を確固たるものにしていくであろうPHEVからは目を離すことができません。
あなたが長距離ユーザーで次世代自動車を検討しているのであれば、ホンダの新しい高級車クラリティPHEVの存在をチェックしておくことをオススメします。
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