大型自動車免許取得 一種と二種ではどう違う? | カーライフマガジン

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自動車業界の経験者が教える、他では聞けない「クルマの基礎知識」

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「大型自動車を運転してみたい」

その思いを抱き、大型自動車免許の取得に乗り出すその時。

プロドライバーが大型車を悠々と操る姿は高い運転技術の証であり、マナーも素晴らしい彼らに憧れます。

私自身も「運転が好き」という理由で、将来は自動車免許を活かした職業に付きたいと考えた事があります。

運転免許を資格として考えた時、大型自動車免許を持っていれば転職の際に有利に働くのは意外と知られていません。

2007年と2017年の道路交通法の改正以降、普通免許で運転できる車種が制限されたこともあり、大型自動車ドライバー不足により採用条件や待遇が向上しています。

トラックやバス、ダンプカー等、積載量が6,500kg以上の自動車を運転する際に必要なのが大型自動車免許です。

そして、大型自動車免許には一種と二種が存在し、それぞれ運転できる条件に違いがあります。

 •これから大型自動車免許にチャレンジしたい
 •万が一の転職の際に職業の幅を持たせたい

まずは大型自動車免許に対する情報を手にしてください。

1.道路交通法による大型自動車の区分

以下の条件に該当する自動車が大型自動車として区分されています。

•車両総重量11t以上 •最大積載量6.5t以上

•乗車定員30人以上

この条件に1つでも該当した自動車を運転する場合、例外なく大型自動車運転免許の取得が義務化されています。

2.一種と二種の違い

大型自動車免許には、大型自動車第一種運転免許と大型自動車第二種運転免許の2種類があります。

 •大型自動車第一種運転免許

第二種免許が必要となるような営業運転以外の場合において、乗用・貨物問わず運転可能。

具体的にはトラックやダンプカー等、物を運ぶ為の車両を運転する時に必要です。

 •大型自動車第二種運転免許

バス、タクシー等、旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で運転する(営業運行)場合に必要です。

旅客自動車でなくとも運転代行業において顧客を乗車させて運送する場合に必要とされています。

簡単にいえば車種の違いではなく、料金を頂いてお客さんを乗せるかどうかの違いで分けられています。

尚、第二種免許を受けていれば、同一車種の第一種免許により運転できる車両を運転可能です。

3.大型自動車免許の取得条件

大型自動車免許を取得するには、以下の条件が定められています。

取得条件

 •21歳以上  •普通免許または大型特殊免許を取得していて、免許停止期間を除く免許経歴が通算3年以上  •視力   両眼0.8以上、片目0.5以上、深視力3回の平均誤差が2cm以内(眼鏡、コンタクトレンズ使用可  •色彩識別   交通信号機(赤、黄、青色)を識別できること  •聴力   日常の会話をできること、10mの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえる事(補聴器使用可)  •運動能力

  自動車等の安全な運転に必要な認知、またはハンドルその他の装置を随意に操作できるなど、自動車の運転に支障を及ぼす身体障害が無い事。

視力の条件が普通免許よりも若干厳しくはなっていますが、それ以外は普通自動車を運転できているユーザーであれば問題ありません。

4.取得方法

では、実際に免許を取得する際の流れを説明します。

教習所に通わずに直接運転免許試験場で試験を受ける事もできますが、道路交通法の改正以降は試験車両が10t車になりました。

以前は、試験場の車両は普通免許でも乗れる4t車を使用していた為、直接試験場に受けに行くユーザーが多かったのです。

しかし、現状では10t車の練習場所や車両の確保が難しい為オススメできません。

指定自動車教習所を利用して免許を取得する方が賢明です。

 •取得までの流れ   

  自動車学校入校~適性試験~第一段階~仮免許試験~第二段階~卒検~本試験

 •料金  

  25万円~60万円以内

 •時間  

  14~57時間

ただし、大型自動車免許を取得するにあたり、今現在何も免許を持っていないユーザーが最初から大型自動車免許を取得する事はできません。

現在取得済みの免許により講習時間や学科講習などの過程が大きく異なります。

詳しくは自動車教習所に直接問い合わせてください。

5.大型自動車免許取得後にできる事

希望の運転免許を取得したらどのように世界が広がるか、またはどんな職業に就く事ができるかご紹介します。

大型自動車第一種運転免許

 •大型トラックドライバー

大型トラックやダンプカー、ミキサー車やタンクローリー等、挙げればキリがありません。   

日本経済の一端を担う、重要且つやりがいのある職業に就く事が可能になります。

また、個別配送や短距離輸送と違い、ドライバー自身での積み降ろしが無い事も多く身体的負担が少ないのも特徴です。

ミキサー車やダンプカーに至っては、長距離輸送をする事が殆どありません。

ただし、石油などの危険物を運ぶ場合や車両形状等荷物によっては、大型自動車運転免許に併せて危険物取扱者免状や牽引免許が必要な場合があります。

 •マイクロバス

例えば少年野球の遠征試合や、白ナンバーの非営利運行(スクールバス等)で、30人以上の輸送が可能になります。

結婚式や宴会時など、飲酒をする可能性のある施設が独自にバスを用意するのは当たり前のようになってきました。

人手不足によりシニア世代が現役で活躍されている為、経験を積んでおけばお声が掛かる可能性が高くなります。

大型自動車第二種運転免許

 •路線バス

日本全国どこでも走っている路線バスは、通勤通学や高齢者等が利用する公共交通機関としての役割を担う重要機関です。

 •観光バス

大型バスの花形と呼ばれる観光バスですが、近年のインバウンド需要により人手不足が最も顕著な業種の1つでもあります。  

輸送運転だけではなく、観光客のおもてなしという大変やりがいのある仕事です。

 •運転代行業

飲酒運転に対する罰則規定が厳しくなって久しいですが、これにより運転代行業の需要が高まっているのはいうまでもありません。

「色々な車種に乗れて楽しい」という理由でこの職に就いているユーザーもいます。

上記に挙げた輸送関連企業のみならず、大型の製品を取り扱う企業などでも大型自動車免許取得者は重宝される傾向にあります。

6.大型自動車免許を取得した際の給与面について

普通または中型免許取得者に比べ、大型免許所持者の給与は、一般的に生涯年収で数千万円の差があるといわれています。

勿論職種や勤務形態により大きく前後はしますのでこの限りではありません。

2018年に警察庁が発表した運転免許統計によると、何らかの免許を保有している者は国内で約82,255,195人。

これに対して大型自動車第二種運転免許の保有者数は約919,242人と、1%程度しかいない貴重な存在なのです。

可能であれば、大型自動車第二種運転免許を取得した方が将来的にも働く際の選択肢が広がります。

まとめ 大型自動車免許取得に際して

大好きな自動車を運転する事でお金を稼げると考えればそれは幸せな事です。

しかし、給与面や待遇面では優位な大型自動車免許ですが、資格があるからといっていきなり大型車を任される訳ではありません。

免許を取得して個人で楽しむ分には良いのですが、仕事として活用するのであればそれなりの経験と責任が問われます。

仕事用に大型自動車免許を取得するのであれば、どの免許を取得すれば自分の為になるのか検討してみてください。

実際の話、大型自動車免許は職業としてだけでなく趣味で使う為に取得しているユーザーも結構います。

若いうちに一度取得しておけば、将来の選択肢として大型自動車免許があなたの役に立つ事がきっとあります。

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